「航海士」の仕事とは?6カ月間「船の上」、地獄の船酔い…楽しみは毎週日曜の「ステーキ」

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2025-10-14 12:22
「航海士」の仕事とは?6カ月間「船の上」、地獄の船酔い…楽しみは毎週日曜の「ステーキ」

液化天然ガス(LNG)や自動車、コンテナなど、私たちの生活に欠かせないさまざまな物資を運ぶ大型貨物船。国際的な輸送を担う大型外航貨物船では、航海期間が6カ月に及ぶこともあります。そこで働く「航海士」とは、どのような仕事なのでしょうか? 中学3年生で船乗りの道を志し、日本郵船で活躍する航海士・竹俣多聞さん(28)に聞きました。

(TBSラジオ『パンサー向井の#ふらっと』2025年9月30日放送より) 

制服の袖の線は階級の証

高等専門学校を20歳で卒業し、日本郵船に入社した竹俣さん。これまで三等航海士として5隻、二等航海士として2隻の船に乗務してきました。直近では2年前にLNG運搬船に乗り、アメリカ東海岸からヨーロッパや日本へ液化天然ガスを運んでいました。

竹俣さんが着用している制服の袖には金色の2本の線が入っています。これは「二等航海士」の印で、階級が上がると線の数が増えていき、船長などになると4本になるそうです。

船長になるためには、国家資格の試験に合格する必要があります。筆記試験だけでなく、一等航海士として一定期間船に乗った「乗船経験」を積み、さらに面接試験もクリアしなければなりません。「20代で外航船の船長になる人はまずいない」という、険しい道のりです。

二等航海士の仕事とは? 毎週日曜日はステーキも!

二等航海士としての1日のスケジュールは、朝11時頃に起床し、12時から16時まで船の操縦室で航海当直。その後、レーダーや海図などのメンテナンス作業を行い、18時に一度仕事が終わります。夕食と仮眠をとり、深夜0時から再び朝4時まで夜の航海当直に就くという、昼夜2回の勤務サイクルです。

1回の航海期間は、およそ4カ月から6カ月。その間、陸に降りることはほとんどありません。そんな長期間にわたる船上生活では、曜日感覚を保つためのユニークな習慣もあります。

「日本郵船では、毎週日曜日にステーキが出ます」(竹俣さん)

海軍カレーならぬ郵船ステーキ! 日曜日を認識するための習慣になっているそうです。

また、かつては陸との連絡が難しかった船上ですが、現在は通信環境が発達し、テレビ電話で家族と話したり、ラジオを聴いたりすることも可能になりました。

専門学校ではハワイまでの航海実習で船酔いも…

竹俣さんが船乗りになろうと決めたのは、中学3年生の時。体験航海で船の面白さに魅了されたのがきっかけでした。その後、航海士を養成する高等専門学校へ進学します。

学校では専門的な授業のほか、練習船を使った実習も行われます。なかでも最も長い距離だったのが、東京からハワイまでの航海です。全国5つの高専から学生が集まり、大きな帆船で1ヶ月かけてハワイを目指したといいます。

「当時学生なので、そういった長い航海に出るのは初めてで。なかなか厳しかったですね」(竹俣さん)

慣れない船の揺れに、実習中は常にビニール袋が手放せないほどの船酔いに悩まされたそうです。しかし、その厳しい経験が、今の竹俣さんの礎となっています。

ジブラルタル海峡で衝突の危機!冷静な判断で回避

航海士の仕事は、常に危険と隣り合わせです。竹俣さんがこれまで最も「ヒヤリとした経験」に、ヨーロッパとアフリカの間にあるジブラルタル海峡での出来事があります。

交通量の多い海峡を深夜2時頃に航行していた時、左側から来た小型船が目の前で突然停止。周囲を他の船に囲まれ、左右に避けることもできない絶体絶命の状況に陥りました。

「もうめちゃめちゃ焦ったんですけど、その時は右隣にいた船に無線で連絡を取って、ちょっとスペースを空けてくれと頼んで、なんとか避けました」(竹俣さん)

常に気象情報を確認し、台風などの悪天候を避ける航路を計画するのはもちろん、予期せぬ事態にも冷静に対処する判断力が求められる厳しい仕事です。

原動力は「かっこいい先輩船長たちへの憧れ」

そんな竹俣さんが現在目指しているのが、大型外航貨物船の船長です。「かっこいい先輩船長たちへの憧れ」を原動力にしていると言いますが、特に印象に残っているのが、初めて三等航海士として乗船した時のインド人の船長でした。その船長は、乗組員全員から厚い信頼を寄せられていたといいます。

「そのインド人船長が口癖のように言っていたのが、『僕の仕事はみんなが働きやすい環境を常に作っておくことだ』と」(竹俣さん)

国籍を問わず、これまで出会ってきた憧れの船長たちの背中を追いかけ、理想の船長像を築き上げています。

現在は陸上でのオフィス勤務期間中という竹俣さん。あと1~2年後には再び船に戻り、一等航海士、そして船長を目指して経験を積んでいく予定です。

大きな夢に向かって着実に航路を進む竹俣さんの挑戦に、パーソナリティの向井さんも「すごく刺激になりました」と感銘を受けた様子でした。次にスタジオに来てくれる時には、制服の線の数が増えていることを楽しみにしています。

(TBSラジオ『パンサー向井の#ふらっと』2025年9月30日放送より) 

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