猫に多い心臓病「心筋症」について|主な症状から治療法まで獣医が解説

2025-10-16 17:20

猫の心臓病とは?

心臓病はワンちゃんに多い印象がありますが、ネコちゃんにも心臓病があります。ネコちゃんの心臓病は気づきにくく、重症化しやすいことも。ここでは猫で多い「心筋症」について解説していきます。

猫の心臓病は犬の心臓病とどう違う?

犬に多く認められるのは、心臓内で逆流が起きる「僧帽弁閉鎖不全症」ですが猫で多いと言われているのは「肥大型心筋症」という全く別の心臓病です。

「肥大型心筋症」とは

心臓は「心筋」とよばれる筋肉でできた臓器ですが、肥大型心筋症では心筋が心臓の内側へ向かって厚くなっていき、心臓の内腔が狭くなってしまう病気です。

内腔が狭くなってしまうと、血液を送り出す量が減ってしまい頻拍になったり、心臓の中で血栓を作り出すこともあります。

この病気は遺伝も関係しており、メイン・クーンやアメリカン・ショートヘアーなどに好発すると言われています。

「血栓塞栓症」を起こすことも

心臓の中で作られた血栓が全身へと流れだしてしまうと、血管内に血栓が詰まる「血栓塞栓症」を起こすことがあります。

塞栓が起きた場合、末端への血流が阻害されてしまいひどい場合には後ろ足の麻痺や壊死が起きることもあります。

また、腎臓付近で塞栓が起きた場合には腎不全を引き起こすこともあり、命に関わる危険な状態になる可能性があります。

猫の心臓病は見つけづらい?

犬の心臓病では、逆流による「心雑音」を聴取することができるので診察室での身体検査で発見し、心雑音の大きさを記録していくことが出来ます。

しかし、猫の肥大型心筋症は多くの場合、心雑音を聴取することが出来ません。

心筋の肥大によって、弁の変形が生じた場合には結果として弁の閉鎖不全を起こし、逆流が起こってくることもありますのでその場合には心雑音を聴取することもあります。

しかし、実際に心筋の厚さを測るには、超音波検査で心臓を診る必要が出てきます。

気を付けたい症状は?

肥大型心筋症では、心臓の拍出量(1回の拍動で流せる血液の量)が減ってしまうため、全身に十分な血液を送るために「心拍数」が増えます。

猫は犬に比べて心拍数が多い傾向にありますが、さらに緊張、興奮によって心拍数が上がると犬のように口を開けてハアハアする「開口呼吸」を起こす場合もあります。

猫での「開口呼吸」は通常認められないものであり、たびたび開口呼吸を認める猫では、心臓の病気が疑われます。

心臓病の一般的な症状として、「動きたがらない」「すぐに疲れる」などもありますが「年だからかな?」と見逃されがちな症状です。このような症状は、加齢による関節炎などでも認められるため判断は難しいです。

開口呼吸まではいかなくても、呼吸数が増えたなと感じたら要注意です。心臓病によって肺に水が溜まる「肺水腫」や胸の中に水が溜まる「胸水」を起こしている場合もあります。安静時にも1分間で40回以上の呼吸が持続するようなら、受診をお勧めします。

突然の後ろ足の痛み、麻痺は血栓塞栓症のおそれがあります。足を引きずる、触ると痛がる、足が冷たいなどの場合には急いで動物病院を受診してください。

検査や治療は?

検査

身体検査では見つけづらい猫の心臓病ですが心雑音が聴こえることもありますので、聴診は必須です。

心臓病を疑う場合には、胸のレントゲンを撮ることで肺水腫や胸水の有無を確認し、心臓の形に異常がないかを見ることが出来ます。

しかし、肥大型心筋症は心臓の内側へと心筋が厚くなる病気のため心臓の大きさだけでは確定診断ができません。

確定診断をするには、超音波検査で心臓を診る必要があります。心臓の状態、心筋の厚さ、心臓の動き方などを検査することによって詳しい病態を知ることが出来ますがある程度の時間をかけ、できれば横になった状態で心臓を検査する必要があります。

高血圧は心臓病を悪化させる要因となりますので、血圧測定も大切です。しかし動物病院に来るということだけでストレス下にある猫ちゃんでは、落ち着いた状態で血圧を測ることはなかなか難しいです。

血液検査で「心臓マーカー」を測定することもできます。どの程度心臓が傷害を受けているかを、数値化して見ることが出来るため「雑音は聞こえないけれど心臓病が心配」「心臓病が進行していないか確認したい」という場合に、おこないたい検査です。

健康診断をお勧めしている動物病院では、オプションとして心臓マーカーを追加検査することができるところもありますので、ぜひご相談ください。

また、甲状腺機能亢進症などのホルモンの病気から心臓が傷害を受ける場合もありますので、同時に検査できると良いですね。

治療

投薬による治療が基本となります。血圧を下げる薬や、血栓を予防する薬など、複数の薬の投薬が必要な場合もあります。

猫ちゃんはなかなか口を開けての投薬が難しい子が多いです。近年では猫ちゃんでも投薬がしやすいように、液剤タイプの薬も開発されていますが、

多くのお薬は錠剤タイプです。

日頃からお口に触る、お口を開けるなどの行為に慣れてもらいお口を開けて直接オヤツやフードを与えるなど、

健康な時から投薬の練習をしていきましょう。

また、投薬補助食品なども多く開発されていますので、無理なく投薬できるよう工夫しながら治療していきましょう。

まとめ

心臓病は進行していく病気ですので、継続的な検査が必要になってきます。

かかりつけの獣医さんと相談しながら、定期的に検査をおこなっていきましょう。

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