【プリンセス駅伝】3区区間賞の伊澤菜々花と東京世界陸上7位の小林香菜 2人が見せた1年後の成長とクイーンズ駅伝への期待

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2025-10-22 17:00
【プリンセス駅伝】3区区間賞の伊澤菜々花と東京世界陸上7位の小林香菜 2人が見せた1年後の成長とクイーンズ駅伝への期待

女子駅伝日本一を決めるクイーンズ駅伝(11月23日・宮城県開催)の予選会であるプリンセス駅伝 in 宗像・福津が10月19日、福岡県宗像市を発着点とする6区間42.195kmのコースに31チームが参加して行われた。2時間15分53秒で優勝した三井住友海上から、16位の愛媛銀行までがクイーンズ駅伝出場権を獲得した。

エース区間の3区(10.7km)では伊澤菜々花(34、スターツ)が区間賞を獲得。チームの2位通過に大きく貢献した。また東京2025世界陸上マラソン7位入賞の小林香菜(24、大塚製薬)は5区(10.4km)で区間2位、チームを20位から14位に浮上させ、大塚製薬の10位通過の立役者となった。

伊澤は1年前の今大会が、現役復帰後初の駅伝で1区区間賞。ルーキーの小林も初の実業団駅伝で3区区間2位。1年前のプリンセス駅伝で見せた走りから、2人はどう進化したのだろう。

伊澤が思い切った走りができた理由は?

伊澤はどんな展開でタスキを受け取っても、「自分のところでトップに立つ」と決めていた。2区の幸田萌(25)から14位でタスキを受けたとき、トップを行く三井住友海上とは1分01秒差があったが、伊澤はタイム差を知らずに走り始めた。

「3区(10.7km)は結構直線が長くて中継車が見えていたので、ひたすら先頭を目で追って走っていました。トップまでは厳しい距離かな、と感じたときもありましたが、徐々に近づいているのがわかってきて。動きは自分の方が良いかなと感じたので、行けるところまで行こう、と思って走りました」

トップに立つことだけを考えて、ペース設定もしていなかったが、「前半を突っ込みすぎると後半でバテるコースだとわかっていたので、前半はできるだけリラックスして、その中でも速いペースを刻むこと」を意識した。結果的に「ずっと3分08秒くらい」で押し切った。5kmは15分28秒で通過し、10人を抜いて4位に上がっていた。8.7kmで三井住友海上の兼友良夏(24)に追いつくと、残り250m付近でスパートし4秒差を付けて4区に中継した。

昨年は1区で区間賞だったが最初から全開で行くことはできず、残り1.5km付近から前に出た。2年間のブランクから復帰後、プリンセス駅伝が3レース目で、そこまで自信を持てていたわけではなかった。自信のなさが結果に出てしまったのがクイーンズ駅伝で、1区で中途半端な飛び出し方をして、9秒差の区間4位に終わった。それに対して今年の3区は思い切ったレース展開ができた。

「復帰して3か月は故障をしていましたが、その後1年半近く痛いところもなく練習ができて、(週に2~3回行う負荷の大きい)ポイント練習は外すことがありません。練習を継続していることがすごく大きな自信になっているところが、昨年との違いです。今日のレースでもハイペースで押して行けることがわかったので、クイーンズ駅伝でも自信を持って、ネガティブにならずに走って行きたいと思っています」

クイーンズ駅伝の3区、または1区でも成長した姿を見せる。

不安のあった小林が確実な走りができた理由は?

5区の小林は4区から20位でタスキを受け取った。予選通過ラインの16位とは31秒差、距離にすると200m弱の差があった。

「前の選手たちが(差がない)団子状態で来ていると聞いていたので、その集団を抜かしてクイーンズ駅伝出場圏内にチームを持って行くことを目標に走りました」

東京世界陸上マラソンから1か月後。練習を再開すると左足底に痛みが出て、それをかばって走っていたため、左ひざも気になり始めた。さらには左の大腿部に筋肉痛も出てしまった。河野監督は小林の回復を優先した練習を組み、区間も前回区間2位で走った3区ではなく5区に起用した。小林自身はレース前には「正直自分自身の調子はわからない」と、不安要素も自身に感じていた。

大塚製薬のアンカーの6区は棚池穂乃香(28)で、昨年は5区で区間賞を取った選手。夏の走り込みに不安があって6区に回ったが、棚池が抜かれることは考えにくい。小林の6区への中継順位でクイーンズ駅伝出場が決まる展開になっていた。

9秒先に中継所を出たクラフティア(旧社名九電工)・唐沢ゆり(29)に1.5kmまでに追いつき、2.7kmまでには唐沢とともに16位に浮上していた。4.4kmまでに唐沢に引き離されたが、6.9kmで小林が再び追いつくと、その後は徐々にリードを奪っていった。8.4kmまでに14位に浮上し、その順位で6区に中継した。

「(唐沢に離されたところは)全力で走っていましたが、体が動かなかったことに加えて、焦ってしまったところもありました。途中で河野匡監督から『焦らないでいいよ』と言ってもらって、後半が粘れる自分の走りを思い出しました。前半をもう少しよく走れたら区間賞に届いたのかな、と思うと悔しいのですが、現状の力を出し切って、クイーンズ駅伝を勝ち取る位置までチームを押し上げられたことはよかったと思います」

小林の1km毎のスプリットタイムは、最初の1kmは3分09秒3(大塚製薬提供)と速く入った。唐沢に追いつくことを優先した結果だった。2km以降は3分15秒0~3分29秒7とスプリットタイムの幅が大きかったが、コースの起伏や風の影響を考えれば、「最後まで落ちなかった」(河野監督)と、小林の特徴が発揮されていたことを認めている。

昨年の3区では最初の1kmを3分05秒で入り、その後もハイペースで前を行く選手を10人抜いた。今年の5区でも6人を抜いたし、最初の1kmは3分09秒と速かったが、昨年に比べれば遅い展開だった。

だが繰り返しになるが、世界陸上1か月後というタイミングで、プリンセス駅伝に合わせるための練習はまったくしなかった。5区は起伏と向かい風のある区間でもある。その状況でも9秒差を一気に詰め、得意の後半で順位を上げた。小林の底力がアップしていることを物語っていた。

2人を生かしたそれぞれのチーム戦略

伊澤はスターツの過去最高順位の2位に、小林は大塚製薬のクイーンズ駅伝出場権獲得に、ともに大きな貢献をした。

スターツのレース前の目標は優勝だった。弘山勉監督は「伊澤という大砲がいるおかげで、高い目標を掲げることが可能になった」と躍進の理由を説明する。優勝は新年度が始まるときに、選手たちが立てた目標だった。

「高い目標になったら、やらないといけないことが一段階、二段階レベルアップします。
具体的に言えば伊澤が3区でトップに立ったとき、他のメンバーも5000mの15分台の力がないと優勝はできません。目標が入賞だとその辺があやふやになってしまいますが、優勝しようと自分たちで決めたことで、覚悟を決めて練習に取り組んだと思います」

1、2区で三井住友海上に1分01秒差をつけられたが、大砲の伊澤がそのマイナスを予定通りにゼロにもどした。5区は区間14位、6区は区間13位だったが、順位を落とさない走りをしっかり見せた。

一方の大塚製薬は「小林の回復を優先した」ことが、クイーンズ駅伝出場権につながった。

大塚製薬は10年前にも伊藤舞(現コーチ)が、北京世界陸上マラソンで7位に入賞した。だが今回と同じように、チーム状況が悪い状態でプリンセス駅伝(第1回大会)に臨んで17位。クイーンズ駅伝出場切符を7秒差で逃している。伊藤にエース区間の3区を託したが、区間15位で順位を16位まで後退してしまった。

「伊藤を駅伝に向けて無理をさせすぎました。あの年は世界陸上からプリンセス駅伝まで2か月あったこともあって、合わせられると思ってしまったんです。結果的に伊藤は(疲労がとれず)まったく動きませんでした。その反省もあって今回は、一度はクイーンズ駅伝出場を諦めました」(河野監督)

小林は回復を優先した練習メニューを組み、結果的にレース前最後のポイント練習を見た河野監督が、小林の5区など全体の区間配置を決めた。チームもクイーンズ駅伝に出なくていいと考えたことで、プレッシャーを感じずに走ることができた。「16番以内に入ることを考えたら、この方法があるかな、という区間配置をして、それが上手くはまりました」。小林に無理をさせないことで小林自身もチーム状態も、良い方向に向かった結果、10位と予想以上の順位でクイーンズ駅伝出場を決めた。

クイーンズ駅伝でも伊澤は3区の可能性が高い。1、2区の選手がプリンセス駅伝よりも好走すれば、伊澤で3位以内に浮上できるかもしれない。「去年のチームはメンバーの数がギリギリだったこともあって、クイーンズ駅伝に出ることが決まって満足してしまったところがありました。今年はクイーンズ駅伝で結果を残すことを目標にしてチームの雰囲気も変わりました」(伊澤)

小林も昨年と同じ3区に出場するだろう。棚池は5区と思われるので、1区の選手の頑張りがあれば、小林でクイーンズエイト圏内に上がる展開も期待できる。「10kmは自分のメインの距離ではありませんが、クイーンズ駅伝はもっと力のある選手が出てくるので、強い選手に10kmでも勝負できるようにしていきたいと思います」(小林)

エース区間の戦いは、プリンセス駅伝の比ではないほど激しくなる。そこで伊澤と小林が力を発揮すれば、チームはクイーンズエイト争いを展開できる。

(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)

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