なぜ?50年前に“撤退”した「カップライス」が“令和の新定番”に【THE TIME,】

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2025-11-09 08:05
なぜ?50年前に“撤退”した「カップライス」が“令和の新定番”に【THE TIME,】

お湯を注いで待つだけで食べられる「カップライス」。実は既に50年前に販売されたものの売れずに撤退。時代が変わり一躍脚光を浴びるようになった背景とは?

【写真で見る】“究極のタイパメシ”「カップライス」

続々!“あの味”がカップライスに

都内のスーパー『いなげや金町店』(葛飾区)に行ってみると、様々なカップライスがズラリ。

THE TIME,マーケティング部 国本梨紗部員:
「お惣菜コーナーにも置かれている。店内全部で18種類。今まではカップ麺コーナーの端に2〜3種類置いてあるイメージだったけど、今や“棚ひとつ任される”くらい出世している」

中でも8月に発売され話題なのが、マーボといったら…の『丸美屋』から発売された「麻婆豆腐ごはん〈中辛〉」(270円)。
お湯を注いで5分待つだけで、とろ~り汁気のある“麻婆丼”が完成です。

国本部員:
「お米スゴい。炊きたてのご飯の食感が完全に再現されている。しっかり旨みも感じるし、優しい丸美屋の麻婆豆腐の味」

『永谷園』からは、お茶づけに合うようにブレンドした国産米が入った「カップ入り お茶づけ海苔・さけ茶づけ」(各260円)。
ロングセラー商品が、「カツオの香りと抹茶の香りと出汁をしっかり感じる」(国本部員)カップになって登場です。

10月に発売されたのは、「ゴーゴーカレー監修 ゴーゴーカレーメシ」(希望小売価格375円)。衣と肉の食感にこだわり“ジューシーなうまみ”が広がる新開発の「チキンカツ」もトッピングされています。

お湯を注いで5分待ってグルグルとかき混ぜたら…

国本部員:
「すっごく濃厚。凝縮されたうまみとコクを感じる。本格的ないろんなスパイスの香りが混ざり合っていておいしい」

「おかずと合わせる」お粥タイプ

そしてついには、“お米しか入っていない”カップライスも登場。
その名も「めし粥」(永谷園/249円)は、おかずと食べることを前提とした商品とのことですが、なぜこれを?

『永谷園』マーケティング本部・栗原紘明さん:
「カップライスは非常に伸びてはいるが、“プレーンなものはなかった”のでチャンスがあるかなと。味が特についていないので、色々なおかずに合わせて食べられる」

実際にパッケージにも掲載されている煮卵と合わせてみると「お粥にとろみがあるので卵かけご飯感覚でどんどん食べれられる」と国本部員。
エビチリにハンバーグ、ぎょうざ、そして揚げ物との相性もバッチリです。

国本部員:
「揚げ物とお米だと口に残る。お粥なことで最後に口もさっぱりする。ここまでお粥が色んなおかずと相性がいいとは」

50年前は売れずに「撤退」…それがナゼ今?

そもそもカップライスが販売されたのは、今から50年前の1975年。

「カップ麺の次はお米を使ったヒット商品を!」という思いから『日清食品』が開発し、「エビピラフ」「ドライカレー」「五目寿し」「赤飯」など7種類が発売されました。

しかし売り上げは伸びませんでした。

『日清食品』マーケティング部・中村圭佑さん:
「ラーメンは家で作れないけど、ご飯は家で炊けばいい。当時は“米を毎日炊くのが一般的”でまだ需要がなかった。そして生産から“一時的に撤退”した」

それでもカップライスの研究は続けられ、2014年に満を持して「日清カレーメシ」を発売すると、これが大当たり。「単身世帯も増えて個食タイプの需要が高まった」(中村さん)ことや、共働きなどで「毎日お米を炊かない」家庭も増えたことで売り上げは右肩上がりに。

そしてもう1つ、カップライスが世間に浸透した“画期的な出来事”もあったようです。

『日本食糧新聞社』山本圭さん:
“お湯かけの調理”になったことで、コンビニからお湯を注いで持って帰れるようになりコンビニでの取り扱いが増えた」

それまでは「水を入れてからレンチン」だったのが、「お湯を注いで待つだけ」というカップラーメンと同じ作り方に。
こうして“究極のタイパメシ”として若者の支持を得るようになっていったのです。

「時間をぎゅぎゅっと短縮したいので、カップライスはタイパとコスパがいい」(20代女性)
「テスト期間は勉強に追い詰められて週に3~4回食べる。すごく重宝している」(20代女性)
「パックご飯だとおかずを用意しないといけないけど、カレーメシとかは味がついてるから手軽でおいしい」(20代男性)

さらに、片付けのラクさを挙げる人も。

20代女性:
「カップ麺は排水溝に流すと詰まる。流さずに捨てられるから掃除の手間が減るのがいい」

50年の時を経て時代に呼ばれたカップライスが、“令和の新定番”として広がりを見せています。

(THE TIME,2025年11月7日放送より)

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