「午前3時の勉強会」に波紋 事前の“質問通告”のあり方は?「終電過ぎて夜中まで…」現職の官僚語る【news23】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2025-11-11 14:00

国会では論戦が続いていますが、先週金曜日に行われた高市早苗総理の「午前3時の勉強会」をめぐって波紋が広がっています。

【画像を見る】「事実誤認」と野党から抗議 通告ルールに関する国光外務副大臣の投稿

「ご迷惑をかけた」深夜対応に高市総理が陳謝

7日の午前3時、高市総理は、就任後初の予算委員会での答弁に備えて、約3時間の勉強会を行いました。

立憲民主党 黒岩宇洋 衆院議員(衆院予算委・7日)
「省庁の職員の中には、答弁作成してそのまま徹夜の方もいらっしゃると思う」

高市早苗総理
「役所の方も『質問』が取れていなくて、答弁書も全く出来てない状況だったので、私が持ち帰ることも出来ず、またFAXで受け取ることも出来ず、今回は出来上がる時間が、おおむね(午前)3時頃だろうという話を受けて、(午前)3時に公邸のほうに行った」

高市総理の説明はこうです。国会の答弁を考えるにあたって、官僚が野党などの質問を事前に聞き、その質問を踏まえて、官僚が答弁書を作成します。この一連の作業が、前日までに出来ていなかったということです。

高市早苗総理
「(答弁書に)私がどんどんペン入れして直しちゃうもんですから、それを手伝ってくれた秘書官、宿舎から公邸までついてきてくれたSPさんと、ドライバーの方にはご迷惑をかけたと思っている」

「終電すぎて夜中まで作業も」現職官僚が語る実態

質問を事前に通告する“ルール”をめぐって物議をかもしているのが、国光外務副大臣のSNS投稿です。

国光あやの 外務副大臣(Xより)
「午前3時に高市総理の出勤が必要なのは、そもそも『(特に野党の)質問通告が遅い』からです。前々日の正午までという通告ルール、どれほどの野党議員が守ってますか?」

国光氏は「2日前まで」という“通告ルール”があると主張しましたが、野党側は事実誤認だとして、与党側に対し謝罪と撤回を求めました。

その後、国光氏は木原官房長官から注意を受け、SNSで「事実誤認であり撤回する。関係者にお詫び申し上げる」と謝罪。当該の投稿を削除しました。

一方、私たちの取材に応じた現職の官僚は、質問通告の遅れで“負担を強いられた”過去を振り返ります。

現職の官僚
「(質問)通告が遅くなると、省庁に割り振りをするタイミングも遅くなり、答弁を作成する・手を動かす時間も、12時すぎて終電をすぎるとか。終電をすぎてタクシーの時間帯になって答弁を作成して、夜中まで作業すると」

今後も「官僚の働き方」のために、国会議員に配慮してほしいと願います。

現職の官僚
「(国会の)日程を早く決めていただくことで、一つの改善にはなるのかなとは思う。質問通告をできるだけ早くしていただくというのが、政府全体にとって、国会・答弁対応を深夜までやるかどうか、そのあたりに関わってくると思うので、与党も野党もご配慮いただければ」

国会の「働き方改革」進むか?

上村彩子キャスター:
真面目な性格も影響しているのかなとも思いますが、午前3時は相当早いですよね。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
歴代総理大臣の国会に向けた勉強会は、だいたい政策全体を把握している人は朝8時〜7時ぐらいからで十分という感じで、早い人でも6時ぐらいです。午前3時の勉強会というのは聞いたことがありません。

今回、高市総理は準備に万全を期したいということだったようで、そういう点では高市総理の緊張感も伝わってきます。就任早々で、野党側も非常に全力で準備しているため、非常にいい議論にはなっているとは思いますね。

藤森祥平キャスター:
質問通告のあり方を、もう少し今の時代に合わせたやり方にしよう、という議論はないのでしょうか。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
私の見ている感じでは、想定問答を作りすぎですよね。ただ、やはり官僚からすると「万全を期したい、大臣に恥をかかせてはいけない」という思いがあります。

例えば、想定問答は無しにしてやってみるとか、予算委の開始を夕方からにすれば、官僚たちも朝出勤してから想定問答を作れますから、そういう工夫の余地は十分あります。国会のあり方を抜本的に見直す良いチャンスだと思います。

藤森キャスター:
なんとなく前例や慣習にならって、悪気なく無意識のうちにやってることが、気がついたらオールドスタイルのままだった、ということもありますよね。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
やはり一番大事なのは、質の高い審議をするということですよね。

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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
政治記者歴30年
福島県出身

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