宮藤官九郎が主演・阿部サダヲ×磯山晶Pと再タッグ 『新年早々 不適切にもほどがある!』が問いかける“今”と“これから” 【ドラマTopics】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2025-12-08 11:00
宮藤官九郎が主演・阿部サダヲ×磯山晶Pと再タッグ 『新年早々 不適切にもほどがある!』が問いかける“今”と“これから” 【ドラマTopics】

宮藤官九郎が描く脚本は、ユーモアたっぷりの個性豊かなキャラクターたちが登場し、世相を反映した作品が多い。これまでさまざまな作品で脚本賞を受賞してきた宮藤が2024年に脚本を担当したTBS系金曜ドラマ『不適切にもほどがある!』では、「東京ドラマアウォード2024」脚本賞、「第33回橋田賞」を受賞した。

【写真で見る】宮藤官九郎さんが信頼を置く阿部サダヲさん・・・ドラマ『新年早々 不適切にもほどがある!~真面目な話、しちゃダメですか?~』場面写真

宮藤はなぜ時代背景や社会情勢を反映したストーリーを描くのか。その裏には、「SNSをやらない」という宮藤ならではのこだわりがあった。

現代と未来、そして市郎の“意識の揺らぎ”で描く新たな構成

――1月4日(水)にスペシャルドラマ『新年早々 不適切にもほどがある!~真面目な話、しちゃダメですか?~』(TBS系)が放送される。脚本制作にあたって、連続ドラマからアップデートしたことや、一貫して大切にしたことを教えてください。

アップデートしたこと、何と言ってもインティマシー・コーディネーター(演者の尊厳や心身の安全を守る職種)が入ったことですね。遅いくらいですけど。根本的なテーマは連ドラの時から変わっていません。小川市郎さんが現代にやって来て「頑張れって言っちゃダメなのか」と言うと、どうしても“昭和は良かった”という主張に受け取られがちですが、僕が言いたいのは断じてそういうことではなくて、“どの時代も、今を良くしようと頑張っている人たちがいる”ということです。誤解されないよう、そこはより強く意識しました。

市郎さんの意識が少しずつ変わっていくように連ドラを作っていったのですが、今回は久しぶりに現代に来た設定なので、スタートは、ちょっと意識が戻っている感じになっています。連ドラでは1986年と現代を描きましたが、今回は現代と10年後の未来の話。今がむしろ“ちょっと過去”のように見える構成になっているのも、違いの一つです。

――本作を担当する磯山晶プロデューサーと話し合った中で取り入れたアイデアやエピソードはありますか?

政治の話をすることが“タブー”みたいになっている風潮に違和感ありますよね、というところからスタートしました。芸能人が政治的発言をすると炎上する。報道番組や選挙番組でも、全てを平等に扱おうとして、結果的に何も伝わってこないようなことが多い。きっと報道局に異動となった市郎さんの孫、渚(仲里依紗)もそこに違和感を覚えるだろうし、多分多くの人もそう思っているんじゃないかなと感じたんです。

日本人は、飲み会などくだけた場でも支持政党の話などはあまりしないですよね。海外では、仲の良い友人同士、恋人同士ですら、違う政党を支持していても普通に付き合えるみたいです。そういう“話しづらさ”をテーマにしようと、わりと早い段階でサブタイトルは「真面目な話、しちゃダメですか?」が決まりました。本当は「政治の話、しちゃダメなんですか?」でも良かったんですけど、もう少し広い意味を持たせようとなりました。

江口のりこさん演じる平じゅん子という野党の政治家が、総理大臣になるかどうかという瀬戸際である事件が起こる。渚がその出来事に一番関わります。連ドラのときからの命題である市郎さんの娘、“純子(河合優実)の未来を変えていいのか”というテーマにもつながっていきました。そこは連続ドラマとつじつまを合わせるのが難しかったです。

妊活、政治、SNS――“言いにくいこと”をあえて描く理由

――政治だけでなく、妊活やSNSなど、連ドラに引き続きさまざまなテーマも盛り込まれていますね。

自分がすでに最先端じゃないのは理解してます。SNSもやっていないし見ないし。でも、常に今を生きる人の感覚で書かないといけないと思っています。

妊活も、連ドラの時に扱ってみて、反対側から見ると“そう見えるのか”と勉強になりました。ただ、いろいろな意見を全て聞いていたら、なにも書けなくなってしまう。書きたいことがどんどんぼやけていくので、そこは見失わないようにしています。

SNSで炎上する話題やその反応も、連ドラ放送時(2024年1月)とはもう違いますよね。未来の人が見たらどう思うのか、ということも考えました。

――阿部サダヲさん演じる市郎がさまざまな問題を言葉にしますが、代弁してくれている感覚はありますか?

第1話が「頑張れって言っちゃダメですか?」、第2話が「一人で抱えちゃダメですか?」と、“~ダメですか?”シリーズのサブタイトルをつけたのは、僕自身、全部“ダメ”なんだってことは分かっているけれど、それを口に出すことすらダメなのは息苦しいなと感じて。市郎さんくらいは言ってもいいかな、と。なんでダメなのか、考えてみませんか?と提示したかった。

阿部くんの屈託のなさというか、ライトだけどちゃんと気持ちが伝わる感じが大きいです。阿部くんがやっているから許されている、という部分もありますし。

――「バカヤロー」「バカヤロッ」など、セリフ表記の違いは意図的に入れていますか?

意図的ですね。阿部くんは昔からセリフ一つとっても音の違いをすごく大事にしてくれる。「ひらがな」「カタカナ」「漢字」でのニュアンスもきちんと汲み取って演じてくれるので、僕も無意識に“こう書けば伝わるだろう”と思って書いています。長年一緒にやっている信頼ですね。

“完璧じゃない政治家”のリアルを――江口のりこが体現する人間味

――江口のりこさんが演じる都議会議員・平じゅん子について、キャラクター設定でこだわった点は?

江口さんの持つ誠実なイメージが、恋愛に揺れる姿をより印象的にしてくれるだろうと。さらに、歌ったり踊ったりするイメージもないから、いざそういう場面になるとハラハラする感じがして好きなんです。

本当に、江口さん以外考えられなかったですね。危うさと人間らしさがあって、そんな人が政治家というのが今回の肝かなと。渚から見ると憧れの存在だけど、個人的にはいろんな思いを抱えている。その対比が面白い。お正月から「大丈夫かな」と思うようなシーンも書きましたが、「もういいや」と(笑)。

――今回もミュージカルシーンがありますね。どんな意図で?

連ドラの時は各話のクライマックスがミュージカルという形でした。今回は2時間超えなので、どこに入れるか悩みました。「これ、こんなに歌っていいんだっけ?」と思いつつ(笑)、今回は時代を行き来できるので、少し自由に組み込みました。

年齢を重ねたからこそ描けた、変わらぬ信頼と新たな発見

――宮藤さん、阿部さん、磯山さんという3人だからこそ実現できたことは?

阿部くんと組むのは、TBSだと『タイガー&ドラゴン』(2005年)以来。主役で組むのはNHK大河ドラマ『いだてん』(2019年)以来です。実はそんなに多くないんです。だから連ドラの第1話を書いた時に「主人公なのに、こんなに口が悪くていいのかな?」と話しました(笑)。

でも、阿部くんなら大丈夫だろうと。第1話を見た時、切れ味はもちろん、思った以上に哀愁が出ていて、ああ、知らない間にお互い年齢を重ねていたんだなと感じました。

コンプライアンスやSNSなど、誰もが発言に慎重になる時代。宮藤が“言葉の自由”と“人間らしさ”を描く本作は、笑いの中に鋭い社会へのまなざしを忍ばせている。

  1. 「闇バイト」強盗事件 首謀者とみられる男らは実行役らをも欺いて使い捨てにしていたか 「アカウントが複数回変わっていった」逮捕・起訴された“実行役”が証言
  2. 「多発性骨髄腫」の岸博幸さん 「強い薬の副作用で血栓が出来ている」「左足のふくらはぎに加えて足のつけ根まで痛くて、歩くのもしんどい」
  3. 「日本側が中国軍の訓練を妨害」レーダー照射めぐり中国が反発 「日本の“当たり屋”行為を許さない」との見出しで報道も
  4. 俳優・清水尋也被告「違法性は最初から認識」起訴内容認める 検察側が拘禁刑1年を求刑 麻薬取締法違反の罪
  5. 高額療養費制度見直しめぐり 長期療養者の負担を考慮し「多数回該当」据え置きへ 70歳以上の外来受診の上限額は引き上げ検討 厚生労働省
  6. 【スノーボードW杯】パラレル大回転・三木つばきが今季初V ビッグエアは木村葵来が2位、鈴木萌々が3位
  7. 木原官房長官 中国軍機による自衛隊機へのレーダー照射めぐる中国側の主張に反論「自衛隊は安全な距離を保ちながら任務にあたっていた」
  8. ママのお風呂上がりは『ドアの前』で待機している犬→パパが出た結果…まさかの『あからさますぎる態度の違い』に爆笑「差をつけられてるw」
  9. 【 GACKT 】 「ここ数年では感じられなかった【ゆっくり流れる一年】が戻ってきた」 SNSに綴る 「こうしてまた一つ、【GACKTトリセツ】が整っていく」
  10. アイドルグループBOCCHI。が5周年記念ライブを成功させ、新曲と全国ツアーを発表
  1. ご飯を食べようとしない犬→心配になり、病院に連れて行った結果…医者に告げられた『まさかの診断名』に反響「おもろすぎw」「愛くるしい」
  2. 【速報】俳優・清水尋也被告が初公判で起訴内容認める 麻薬取締法違反の罪 裁判官から「言いたいことはありますか?」と問われ「いえ、大丈夫です」東京地裁
  3. 真珠湾攻撃から84年 ハワイで追悼式典「分断ではなく理解する道を選んでほしい」若い世代へ呼びかけ
  4. 10月経常収支2兆8335億円黒字 10月単月として過去最大の黒字幅
  5. 久々の同窓会で褒められた私。しかし10分後、最大の恥をかくことに・・・!
  6. 【速報】10月の「実質賃金」10か月連続マイナス 前年同月比0.7%減 厚生労働省
  7. 『遊んでほしい』とアピールする犬→おててを見てみると…まさかの『器用すぎるお誘いの仕方』が22万表示「礼儀正しくて草」「健気な誘い方w」
  8. なぜ?冷凍炒飯に「小盛りの波」少量なのに人気拡大“2つの理由”【THE TIME,】
  9. 【 浜崎あゆみ 】 「家族が2人増えました」 保護犬猫団体に感謝 「この出会いを有難う!」「世界は救えずとも、ひとりの世界を救うことは出来ると信じて」
  10. ラブホに『のぞき目的』で侵入 小学校教諭(30)現行犯逮捕 教諭は「利用するつもりはなかった」
  11. タイ軍がカンボジア領内に空爆 カンボジア軍の攻撃で兵士5人死傷と発表 カンボジア国防省「タイ軍が攻撃」「反撃していない」と反発
  12. 【速報】木原官房長官「中国側の指摘は当たらない」と反論 中国軍機が自衛隊機にレーダー照射