人間の減量薬を「肥満の猫」に投与する実験開始 「糖尿病の有効な治療法」として期待が高まる 米国

2026-01-04 06:00

米国で人々に人気があるOzempicなどの「減量薬」。これを肥満の猫に投与する実験が始まりました。効果があれば、安価で手軽な「減量法」および「糖尿病治療法」として実用化できる可能性があります。

人間の減量薬をインプラントで猫に投与

注射される猫

画像はイメージです

米国で人気の「減量薬」は、猫にも有効かもしれません。

ニューヨーク・タイムズ紙によると、サンフランシスコに拠点を置くバイオ医薬品会社Okava Pharmaceuticalsが、肥満の猫を対象に「GLP-1阻害薬」を試す実験を開始したと発表しました。

もともと人間の糖尿病治療薬として開発され、減量のためにも広く使用されている「Ozempic」「Wegovy」「Mounjaro」などの薬剤。人間には毎週注射で投与されますが、今回実験に参加する猫にはマイクロチップよりわずかに大きいインプラントを皮下に埋め込み、最大6ヵ月かけて薬剤が徐々に放出されるようにします。研究者たちは、これによって肥満のペットを減らすことができると期待しています。

愛猫が「太りすぎ」と考える飼い主は33%

肥満した猫

画像はイメージです

米国ではペットの体重管理を意識する飼い主が増えています。「the Association for Pet Obesity Prevention」(ペット肥満予防協会)によると、2024年には猫の飼い主のうち「愛猫の体型が理想的である」と答えたのは55%、犬の場合は51%でした。飼い猫が「太りすぎ」または「肥満」であると認識している飼い主は、前年の28%から33%へと増えています。

Okava社は、インプラントの価格を月額100ドル(約1万5千円)以下に抑え、高級ペットフードと同程度にすることをめざしています。この薬が効果を発揮して糖尿病の予防や管理に役立つようになれば、全体として飼い主にとってのコスト削減にもつながります。

肥満に悩むペットに朗報か?

食べ物を前に舌なめずりする猫

画像はイメージです

猫が糖尿病になると、1日2回のインスリン注射を必要とすることが多いため、飼い主にとっては費用と労力がかかります。そのためか、多くのペットが1年以内に安楽死させられているのが実情です。

以前から販売されている食欲抑制剤「Slentrol」はあるものの、テネシー大学の獣医栄養士Maryanne Murphy博士によれば「ペットに餌を与えることは愛情の表現でもあるため、飼い主にとってはあまり好ましい治療法とはいえない」のが実情のようです。

フロリダ大学の獣医師でこの研究を率いるChen Gilor博士は、今回のインプラント実験を「魔法のような効果が期待できる」としています。

実験結果は2026年夏に発表される予定です。うまく効果が発揮できれば、獣医療における新たな境地を開く可能性があります。肥満に悩むペットと飼い主の双方にとっても、明るいニュースだといえますね。

出典:Ozempic could be coming for a new demographic – your fat cat

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