なぜ休んでも疲れが抜けないのか?多くの社会人が感じている「疲労感」の正体

2026-01-09 16:00

朝起きても疲れが抜けない。仕事が終わるころには、体よりも気持ちのほうが重く感じる。そんな感覚を抱えながら毎日を過ごしている人は、決して少なくなさそうです。
キリンホールディングスが行った「現代人の疲労に関する調査」では、働く大人の多くが「体の疲れ」だけでなく、はっきり言葉にしづらい「疲労感」を日常的に感じていることが明らかになりました。原因として浮かび上がってきたのは、忙しさそのものよりも、人間関係や責任、ストレスといった心の負担です。
年齢を重ねるにつれて、その疲労感が強まる傾向も見られ、疲れている状態が「特別なこと」ではなく「当たり前」になっている現実が見えてきます。
では、なぜ現代人はここまで疲れてしまうのでしょうか。
なぜ現代人はここまで疲れてしまうのか。その疲れは本当に休めば解消するものなのか。調査結果をもとに、今の社会人が抱える疲労感の正体をひも解いていきます。

疲れているのは体よりも「気持ち」だった

仕事が終わったあと、特別に体を酷使したわけでもないのに、どっと疲れを感じる。休日にしっかり寝たはずなのに、月曜の朝から気分が重い。
こうした感覚は、単なる体力不足では説明がつきません。

今回明らかになったのは、多くの社会人が「体の疲れ」とは別に、主観的な疲れ、いわゆる疲労感を抱えているという事実です。そしてその疲労感は、ストレスや緊張、心理的な負荷と強く結びついています。

注目したいのは、「疲れている」という感覚が、必ずしも体の消耗量と比例していない点です。仕事量がそれほど多くなくても、気を張り続ける環境にいるだけで疲労感は蓄積します。逆に、忙しくても納得感のある状態では、そこまで強い疲れを感じないケースもあります。

つまり現代人の疲れは、休めば回復する単純なものではなくなっています。体を休めているはずなのに、気持ちが追いつかない。そのズレこそが、今多くの人が抱えている「取れない疲れ」の正体なのかもしれません。

一番の原因は忙しさではなく「人との関係」

疲れの原因と聞くと、多くの人は「仕事が忙しいから」「残業が多いから」といった量の問題を思い浮かべがちです。しかし、実態として浮かび上がってきたのは、それとは少し違うものでした。

心理的な負担の中で、最も多く挙げられていたのは職場の人間関係です。同僚や上司、部下との関係性は、仕事をしていく以上、完全に切り離すことができません。合わない相手がいたとしても、距離を取るのが難しいのが職場という場所です。

また、人間関係の負担は単独で存在するわけではありません。上司との関係に気を遣い、部下への配慮に神経を使い、チーム全体の空気にも目を配る。その積み重ねが、じわじわと疲労感を押し上げていきます。仕事そのものよりも、「どう振る舞うか」を考え続けることにエネルギーを使っている人も少なくなさそうです。

そこに睡眠不足や業務量の多さが重なることで、疲れはさらに抜けにくくなります。忙しさだけではなく、人との関係性が絡むことで、疲労感はより複雑なものへと変わっていく。現代人の疲れが一筋縄ではいかない理由が、ここに見えてきます。

年齢を重ねるほど疲れが抜けにくくなる理由

若いころは、多少無理をしても一晩寝れば何とか持ち直せた。そんな感覚を覚えている人も多いかもしれません。しかし、年齢を重ねるにつれて「疲れ方が変わった」と感じる場面は増えていきます。

実際、多くの社会人が、年齢が上がるにつれて疲労感は強まっていくと感じています。その背景には、体力や回復力の低下だけでなく、仕事や家庭で背負う責任の変化があります。単に忙しくなるというよりも、判断や調整、配慮といった見えにくい負担が増えていくのが特徴です。

特に40代以降になると、自分の作業量以上に、周囲を見ながら動く場面が増えます。部下のフォロー、上司との調整、家庭での役割など、気を抜けない時間が長くなりがちです。その結果、体は休んでいるはずなのに、気持ちがなかなか休まらない状態に陥ります。

疲労感が年齢とともに強くなるのは、個人の問題というよりも、社会の中で求められる役割が変化していく自然な流れとも言えそうです。そう考えると、「最近疲れやすくなった」と感じること自体が、決して特別なことではないと分かってきます。

「疲れているのが普通」になった今、見直したいこと

多くの人が、今年の自分の疲労感を高い点数で評価しています。中には「かなり強い疲れ」を感じている人も少なくありません。それでも日常は変わらず続き、疲れている状態そのものが、いつの間にか当たり前になっています。

今回見えてきたのは、疲労感が個人の気の持ちようや努力不足で生まれているわけではないという事実です。人間関係に気を配り、責任を背負い、将来を考えながら働く。その積み重ねが、体よりも先に気持ちを消耗させている現実があります。

だからこそ、「もっと頑張る」ことだけが解決策ではありません。しっかり休むことに加えて、疲れを感じる背景そのものを見直す視点も必要になってきます。疲れていると感じる自分を責めるのではなく、そう感じてしまう社会の構造を知ること。それだけでも、少し肩の力が抜ける人は多いはずです。

疲労感は、今を生きる多くの社会人が共有している感覚です。その事実を知ることが、無理をしすぎない働き方や暮らし方を考える第一歩になるのかもしれません。

※本文中で紹介している調査データは、キリンホールディングス株式会社が実施した調査結果(キリンホールディングス調べ)をもとに構成しています。

  1. 東京・小笠原諸島と沖縄の一部地域にあす「熱中症警戒アラート」発表 “小笠原諸島に今年初発表”
  2. サッカーW杯の「3分間の給水タイム」、なぜ今大会から始まった? サッカーが「お金」に変わる仕組み
  3. 中国「サプライチェーン博覧会」に世界中のメーカー・半導体企業集結 日本から経済団体幹部らが訪問 「経済界が両国のスムーズな交流を」
  4. うちの王様にはどうしても抗えない【第361話】「拾い食い③」
  5. 40代で年収8600万!社内通貨制度、上司からの指示禁止…半導体企業「ディスコ」の高利益率の秘密とは?
  6. 高市総理が維新に「副首都法案」“一部修正”要請 自民党内で異論の規定に削除提案 与党党首会談後に吉村代表「一両日中に判断」
  7. 小学校火災 緊迫した状況明らかに…非常ベル鳴るも火の勢い強く、避難に階段や「救助袋」使えず 室内から燃えた衣類 北区・滝野川第三小学校
  8. 高市総理「今国会で成立させるべく進めたい」 皇室典範改正、定数削減法案、副首都法案
  9. 高市総理 “中傷動画”“サナエトークン”報道などで「秘書の陳述書を近日中に国会提出」…“総理の業務時間確保できない” 野党は“幕引き”の動きに猛反発
  10. 社員たちが真面目な話をしているその横で。夢中になって犬吸いをしているのは・・社長っ!?
  1. 内田梨瑚被告に懲役27年判決 女子高校生転落・殺害事件 「この判決じゃ報われねえぞ」「死ねや」男が廷内に侵入 裁判は休廷 北海道・旭川市
  2. 【速報】全国初 ストーカー規制法に基づき東京・中央区の探偵事務所の代表に対しストーカー行為するおそれがある男性に情報の提供をしないよう通知・要請 警視庁
  3. 【 モナキ・サカイJr. 】 元会社員であるがゆえのヒヤリハット告白 〝本名が…〟 大バズり中なのに…「会計時に女性店員から言われた一言」に…じんショック
  4. 憲法改正で「長子優先」となったベルギー 愛子さまと同じ24歳 王位継承順位1位のエリザベート王女が天皇皇后両陛下を出迎え 愛子さま含む3世代続けて“同い年”
  5. 【 加藤夏希 】「大事件が 娘が小学校変えたいって」娘から発せられた “思いがけない理由” に反響続々
  6. 【 訃報 】 俳優・清家利一さん 死去 59歳 スーパー戦隊シリーズでスーツアクターとして活躍 4月にはXで「無事生きて退院出来ますように」「まだまだやる事がてんこ盛り」
  7. 東京・江東区の強盗未遂事件 新たにリクルート役の男(25)逮捕 現場近くで実行役に指示もしていたか ほかにもリクルート役1人いるとみて捜査 警視庁
  8. 東京・福生市 “金づち男”を窃盗などの容疑で再逮捕 立川市のリサイクルショップからブランドバッグなど9点340万円相当を盗んだか 警視庁立川署
  9. フィリピン・レイテ島の学校で銃撃事件 生徒3人死亡、5人負傷 少年2人を拘束
  10. 【 ももクロ・高城れに 】33才の抱負は「お仕事頑張りたいなっ」 両親に感謝の思いも「まま、ぱぱ 産んでくれてありがとう」
  11. 北海道・旭川女子高校生転落死 内田梨瑚被告に「懲役27年」判決 法廷内に男が侵入し暴れ「報われねえぞ」「死刑だろ」一時休廷も
  12. 【 加藤綾菜 】「カトちゃんも短くなってサッパリ」バッサリ髪カットで爽やかイメチェン 夫婦揃っての新ヘアに絶賛の声