満身創痍で掴んだ3大会連続入賞 ジャンパーで医学部研究生の赤松諒一、度重なる手術と失敗からの「限界への挑戦」

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-01-14 12:00
満身創痍で掴んだ3大会連続入賞 ジャンパーで医学部研究生の赤松諒一、度重なる手術と失敗からの「限界への挑戦」

昨年9月の東京世界陸上、男子走高跳で8位入賞を果たした赤松諒一(30、SEIBU PRINCE)。その前年のパリ五輪では左足の小指にボルトが入った状態で臨み5位入賞と、怪我と戦いながらも大舞台で結果を残してきた。走高跳界をけん引しながら医学部研究生としての肩書きも持つ赤松に、度重なる怪我との向き合い方や競技への思いを聞いた。(取材は12月)

【写真で見る】東京世界陸上、パリ五輪で入賞する赤松

「地鳴りのような反響は今も耳に残っている」

助走から踏み切り、そして空中での美しいクリアランス。一瞬の跳躍で身体には体重の数倍もの負荷がかかる。わずか1センチの高さを更新するため、人生を捧げる走高跳はまさに「人間の限界」への挑戦そのものだ。34年ぶりに日本で開催された大舞台。バーを越えた瞬間の大歓声を赤松はこう振り返る。

「めちゃくちゃ楽しい試合でした。日本であれだけの歓声の中で跳べる幸せ、跳んだ後の地鳴りのような反響は、今も耳に残っています。あの経験以来、声をかけられることが増えましたね。応援していただけるのは僕が競技をしていく上で嬉しいですし、期待にもっとすごい記録で応えたいと思います」

足のケガと戦いながらも世界大会3年連続の入賞 失敗から学ぶ走高跳の流儀

23年の世界陸上で8位入賞、パリ五輪では自己ベストとなる2m31を跳んで88年ぶりの5位入賞を果たし、昨年9月の東京世界陸上でも8位と、3大会連続で好成績を残した赤松だが、いずれも万全な状態で臨めていたわけではない。23年の世界陸上前に左足小指を痛め、24年3月には左足小指にボルトを入れる手術、そして世界陸上を終えた11月にもう1度左足の手術を行った。選手生命を左右するかもしれない過酷な手術の話も、赤松は驚くほど爽やかな笑顔で語る。

赤松:今回は骨移植で、腰から成長しやすい骨を削ってきて(左足の小指に)移植しました。成長しやすいので、骨の治りが良くなるというか。上からステープラー(医療用ホチキス)のようなものでパチっと止めて、そういう手術をしていただきました。

踏み切る足の最後の1歩にかかる負荷は赤松の場合約700キロ。練習で1回ごとにその負荷がかかれば、再びケガのリスクが高まる。だから、赤松は、他の選手が行うような跳躍練習は出来ない。失敗から得られたことをもとに、限られた練習の中で工夫を凝らす。ここ数年、そのような状態でも抜群の安定感を見せている事は驚きだ。

赤松:走高跳はクリアして終わる選手もいますけど、基本的には最後にバーを落として競技終了になります。優勝したとしても最後は落とすんです。なので、次への課題や目指すところが見えた状態で試合を終えるので、「次はこの高さを絶対跳んでやる」という思いが、その失敗によって強くなっているのかなと。もちろん「跳べなかった」という悔しさはありますけど、今回跳べなかった高さにどうやってアプローチしていこうかと考えるのが楽しかったりする種目になっているので、考える過程が楽しいかもしれないです。

32年ぶり日本開催のアジア大会へ

赤松:走高跳だと成功か失敗かがすぐに分かるので、普段陸上は見ないけど、今回(世界陸上を)見てめちゃくちゃ楽しかったと言ってもらえました。陸上や走高跳に興味を持ってくれた人が増えたんじゃないかなと思います。
さらに、競技の魅力について次のように語る。

赤松:走高跳って単純な種目ですけど、走って、踏み切って、跳ぶ。単純な動きの中に改善点がたくさん見つかるんです。ここを変えてとか自分が思っていなかったところを変えてみようかなとか、考えながら走高跳を組み立てていく作業自体が楽しいなと思える種目ですね。成功より失敗から得られるものの方が多いです。同じように走っていって跳んだのに失敗してしまうのは何かが足りていない違う部分があるので、それが自分の中で分かるようになると走高跳は2回まで連続で失敗できますけど、3回目になった時にここ修正しようかなというところも磨かれていくかなと思いますね。

東京世界陸上では目標としていた“パリ五輪の5位を上回るメダル獲得”はならなかったが、視線はすでに次なる高さを見据えている。今年9月に日本で開催される、アジア大会(愛知・名古屋)。東京世界陸上で入賞しすでに出場権を持つ赤松が、32年ぶりの地元開催で表彰台の頂点を狙う。

■赤松諒一(30)
1995年5月2日生まれ、岐阜県出身。加納高~岐阜大学~岐阜大学大学院。所属は西武・プリンスホテルズワールドワイド。身長183cm。24年8月のパリ五輪では、自己ベストを1cm更新する2m31を跳び、日本人88年ぶりの5位入賞を果たした。競技の傍ら、岐阜大学医学部の研究生という顔を持つ。

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