【解散する?しない?】“沈黙”高市総理の決断は 大阪の小選挙区“与党内対決”が必至か 市場は株価急騰&1年半ぶりの円安水準【news23】
日韓首脳会談で幕を開けた高市総理の外交ウィーク。その裏で、衆議院を解散するのかしないのか、永田町がヤキモキしています。野党が「自己中解散だ」と不信感を募らせるなか、高市総理は沈黙を貫いています。
【画像を見る】会談後に“ドラムを演奏”を楽しむ高市総理と李大統領
“解散風”の中 日韓首脳会談「関係をさらなる高みに」
1月13日午後から始まった日韓首脳会談。高市総理は地元の奈良に李在明大統領を迎えました。
高市総理
「日韓関係をさらなる高みに発展させる年としていきたいと願っております」
李大統領は「目まぐるしく変わっている国際秩序の中で、両国が協力することは、いつもより重要だ」と応じました。
高市総理
「日韓関係の戦略的重要性について、認識を共有し、両国が地域の安定に連携して役割を果たしていくべきとの点を確認しました」
首脳同士が行き来する「シャトル外交」の一環で行われた今回の首脳会談。
高市総理が“通常国会冒頭で衆議院を解散する”という見方が広がる中、その成果をアピールする狙いもあるのでしょうか。
会談後には総理が学生時代に親しんだドラムを李大統領とともに演奏し、楽しむ写真が公開されました。
日経平均株価 5万3000円台に “解散報道”で進む円安
解散については沈黙を貫く高市総理ですが、市場は早くも反応しています。
岩井コスモ証券・担当者
「解散で検討しているというのが伝わって“選挙は買い”というスタンス」
日経平均株価は13日、先週末と比べて一時1800円以上値上がりし、史上初の5万3000円台で取引を終えました。
自民党が選挙で議席を伸ばし、高市総理の掲げる「積極財政」が加速することで、景気が下支えされるという見方が広がったのです。
一方、外国為替市場では財政悪化の懸念から円安が急速に進み、円相場が一時1ドル=159円台をつけました。約1年半ぶりの円安水準です。
演説日程の提案なし「“自己中解散”だと思う」与野党が駆け引きか
解散をめぐって国会では駆け引きが…
13日に開かれた衆参両院の議院運営委員会の理事会。出席した木原官房長官は「通常国会を1月23日に召集する」と伝えました。
しかし、召集直後の“冒頭解散”の可能性がある中、与党側が提案するのが通例の、総理の施政方針演説などの日程については言及されませんでした。
“異例の対応”に野党は…
立憲民主党 斎藤嘉隆 参院国対委員長
「本当に国民生活無視の自己都合解散というか、“自己中解散”だと思う。とてもとても許しがたい状況だと思う」
政府関係者は…
「演説の日程を提案しなかったということは、もうそういう(解散)ことだよ。今日の動きで、総理が本気で解散を検討していることがわかったね」
各党が臨戦態勢に…選挙への準備が加速
各党は選挙に向けた準備を加速させています。
13日の朝、川崎市内の駅前でビラ配りをした立憲民主党の野田佳彦代表。
12日、公明党の斎藤代表と会談し、「より高いレベルでの連携」に合意しましたが、13日、国民民主党と選挙区調整に乗り出す考えを示しました。
立憲民主党 野田佳彦 代表
「(国民民主党と)現職のいるところをお互い立てないというのは鉄則にした調整をしたいと思います」
この発言に、国民民主党の玉木代表は…
国民民主党 玉木雄一郎 代表
「大義もないのに、ただ調整するということは、かえって議席を減らすことに繋がることも最近は見受けられるので。どういうご趣旨でおっしゃったのか、まずは確認したいと思う」
与党として初の国政選挙に臨むことになる日本維新の会。吉村代表は…
日本維新の会 吉村洋文 代表
「選挙区調整やる必要はないと思っていますから、選挙で戦えばいいと思います」
自民党と連立を組んでいる“はず”ですが、「選挙では対決する」と改めて強調しました。
“与党内”で対決か?大阪の小選挙区では…
維新の支持基盤である大阪。2024年に行われた前回の衆議院選挙では、19ある大阪の選挙区で維新が全勝し、15の選挙区で自民と争いました。
このうちの一つ、大阪4区で、前回当選した維新の美延映夫衆議院議員。選挙になれば、これまでと同じように”対・自民”を訴えていくといいます。
日本維新の会(大阪4区)美延映夫 衆院議員
「自民党さんと維新で合意したことを前に進めていくためにも、いわゆる『古い自民党』に戻さないという形で我々はやっていきたいと思う」
この選挙区で前回敗れた自民の中山泰秀氏。次の選挙も出馬する意向で、高市政権の高い支持率も背景に当選を目指します。
自民党(大阪4区)中山泰秀氏
「(自民で)単独過半数を取れたら、それが一番理想形なんですけど。それを作るも作らないも今回の有権者の考え方次第」
同じ“与党”なのに対立が必至となる情勢。有権者の選択は難しくなるかもしれません。
大阪19区で前回、維新の候補に敗れた自民の谷川とむ氏。年末、他の落選中の同僚らとともに高市総理と会食した際、こんなやりとりをしたといいます。
自民党(大阪19区)谷川とむ氏
「同僚からは『総理、早く選挙やってください』とおっしゃってた人もいた」
ーーこの支持率の中で?
自民党(大阪19区)谷川とむ氏
「この支持率の中で」
日増しに強くなる“解散”の風。高市総理はいつ、自らの考えを表明するのか…
このあと15日~17日まで来日するイタリアのメローニ首相との首脳会談が予定されています。一連の外交日程を終えたあと、高市総理は“解散”に踏み切るかどうか、最終判断する見通しです。
いま、選挙を実施する意図は?
小川彩佳キャスター:
先週とは一気に空気が変わって、解散に向かって進んでいっているように感じます。
東京大学准教授 斎藤幸平さん:
国民がなめられているというか…。今だったら人気が高いから、過半数を取れるだろうというだけの、なんら大義のない選挙だと思います。
普通は1月〜3月は選挙をやらない。実際、今までもほとんどやってこなかったわけです。それは予算編成があるからで、さらに寒い時期に外で、普通は選挙をやらないです。
では「なぜやるのか」と言ったら、それは逆に“高市総理の自信のなさの表れ”。もし選挙実施を4月まで待っていたら、例えば中国のレアアース、円安、統一教会などの問題が出てきて、人気が落ちてしまうので、今のうちにやってしまおうと。
しかし、そのせいで今、我々が直面している経済の問題などが後回しになって、庶民の生活がますます苦しくなる中で、ただ株だけが上がって、一部の富裕層は儲かるかもしれないけれども、円安が加速して国が売られていく。それでいいのかという話ですよね。
藤森祥平キャスター:
経済対策で組んだ年度内予算がすぐに決まらないこともあります。一方で、各党も既に臨戦態勢で、準備を進めているという状況です。
東京大学准教授 斎藤幸平さん:
今回、公明党の選挙協力がない中で、どれくらい自民党が勝てるのかが問題でもあります。この期間、いろいろな政策が結構動いてきたこともあって、高市政権の支持率は高いと思いますが、それは自民党の議席が大きく減ったせいで緊張感があり、自民党も本気で何かやらなければという中で、現在、変わってくる兆しも出てきています。
もう1度、自民党の議席が増えて、その緊張関係が失われてしまうのはもったいないので、実際に選挙が行われるのならば、「私達がどこに投票するか」は本当に考えなければいけないと思います。
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<プロフィール>
斎藤幸平さん
東京大学准教授 専門は経済・社会思想
著書「人新世の『資本論』」