“飲酒”トラック死亡事故 初公判 被告の男「飲んだ記憶ない」 迎えるはずだった“4歳の誕生日”遺族の胸中は【news23】
2年前、群馬県で飲酒運転のトラックに衝突され、2歳の男の子を含む3人が命を落としました。14日の初公判で被告は「飲んだ記憶とかないですね」と、酒を飲んだことを否定。家族を失った母親の胸中は…。
「前に進むことはまだない」迎えるはずだった“4歳の誕生日”
机に飾られた色鮮やかなバースデーケーキ。
塚越湊斗(つかごし・みなと)ちゃん。生きていれば、この日4歳になっていました。母親は、長男の湊斗ちゃんが事故で亡くなった後も、誕生日を祝い続けています。
湊斗ちゃんの母親
「私の中では、2歳7か月で止まっている。どんな4歳になったんだろうなって想像しながら、本当にそこに湊斗がいるような気持ちでお供えしました」
2024年5月6日。当時2歳だった湊斗ちゃんは、父親の寛人さん(当時26)が運転する車で、群馬県伊勢崎市内の国道を走行中、対向車線をはみ出してきたトラックに衝突されました。
湊斗ちゃんと寛人さん、そして祖父の正宏さん(当時53)の家族3人の命が奪われました。
湊斗ちゃんの母親
「信じられなくて、嘘でしょっていう感じで。ただただ泣き叫んでいました。湊斗がいないっていうのが耐えられなくて、とにかく湊斗のそばにいきたいという気持ちでした」
母親は、今も湊斗ちゃんの誕生日を祝い続けています。
湊斗ちゃんの母親
「前に進むっていうことは、まだない状況ですね」
“危険運転”から“過失運転”に…厳罰訴え続けた母親
事故の直後、警察はトラック運転手の鈴木吾郎被告(71)を、悪質な飲酒運転だったとして、危険運転致死傷の容疑で逮捕。しかし、その後、起訴された罪名は、より刑が軽い「過失運転致死傷」でした。
湊斗ちゃんの母親
「ただただ、あり得ないっていう感情でいっぱいでした。なんでこの事故が過失になるのかが、全く理解ができなかったので。なんで過失っていう言葉がついてるんだろう。よく分からなかったです」
家族3人を失った悲しみが癒えぬなか、母親は署名活動を行うなど、被告への厳罰を訴え続けました。
湊斗ちゃんの母親
「とにかく加害者側には、事故が起きたことをしっかり認めてもらって、3人の命を奪ったっていう事実も、しっかりと自覚して反省してもらいたい。自分の身勝手な運転、何も考えずにお酒を飲んで、運転して。さらに仕事中であれだけのスピードを出して、全く罪のない3人を殺していったというのは、ちゃんと自覚しているのかどうかは聞きたい」
「私の生きがい」事故後に生まれた2人目
そんな母親を支えたのが、事故の後に生まれた2人目の子どもの存在でした。
湊斗ちゃんの母親
「一人ではまだ立てないですけど、つかまり立ちをしていろんなところに行こうとしているのが最近では見られるようになってきたので、それが嬉しいです。守るべき存在というか、私の生きがいになっている存在です」
今月で、1歳と6か月。ときおり亡くなった湊斗ちゃんと似た笑顔をみせるといいます。
湊斗ちゃんの母親
「だいぶ大きくなって、叫び声とか笑った声とかが、湊斗にそっくりな時があって。湊斗とそっくりな瞬間をみると、うれしい気持ちの方が大きいです。湊斗に会えたと思うんですかね」
被告の男「飲んだ記憶とかないですね」 飲酒を否定
その後、鈴木被告の罪名が、より刑の重い危険運転致死傷の罪に変更されました。
そして、14日に迎えた初公判。
検察は冒頭陳述で、鈴木被告が勤務先のアルコール検査を終えた後に、220ml入りの飲酒3本を購入していたと指摘。
「運転開始前に酒を飲んでおり、正常な運転が困難な状態だった」と主張しました。
一方で、鈴木被告は「飲んだ記憶とかないですね。過失は認めます」と、過失は認めたものの、飲酒は否定。危険な運転はなかったと主張。
弁護側も「事故を起こすまで状況に応じた運転が行われていた」として、過失運転致死傷罪にとどまるとしました。
その言葉を法廷で聞いた湊斗ちゃんの母親は…
湊斗ちゃんの母親
「相手の態度や発言をみて、アルコールを飲んでいないという発言を聞いてから怒りしかなくて、3人の命を奪ったという事実すら認めていない気がして、腹立たしい思いでいっぱいでした」
判決は2月13日に言い渡される予定です。