「もっと一緒に過ごせばよかった」その前に 犬との日常と別れを見つめ直す飼い主調査

2026-01-23 08:00
「もっと一緒に過ごせばよかった」その前に 犬との日常と別れを見つめ直す飼い主調査

犬と暮らす日々は、劇的な出来事の連続ではない。むしろ、何気ない時間の積み重ねによって静かに形づくられていくものである。朝の散歩、帰宅時に迎えてくれる姿、ソファで並んで過ごす夜。こうした日常の一場面が、いつの間にか生活の中心となり、心の支えとなっていることに、多くの飼い主は後になって気づく。

一方で、その穏やかな日常が永遠ではないことも、飼い主であれば誰もが知っている。犬との暮らしは、喜びと同時に「別れ」という現実を内包しており、その経験は人生観や価値観に少なからず影響を与える。幸福感と喪失感は、決して切り離されたものではなく、同じ時間軸の中に存在している。

では、犬と暮らす人々は、日常のどの瞬間に幸せを感じ、別れの後に何を思うのか。その実態を具体的なデータから読み解くことで、犬との暮らしが持つ意味を改めて考えることができるだろう。そこで今回、ペットの葬送品を開発・販売する「munino」(https://shop.munino.net/)を運営する株式会社ベスト(https://bestweb.co.jp)は、犬を飼育した経験のある20~60代の方を対象に、「犬の飼育者における日常生活の実態とペットロス」に関する調査を実施した。

特別じゃない毎日が、いちばんの幸せになる

調査結果からまず浮かび上がったのは、飼い主が感じる幸福感の多くが、特別な出来事ではなく日常の中に存在しているという点である。最も多かった回答は「甘えられたとき」であり、次いで「寝顔を見ているとき」「散歩や外出をしているとき」と続いた。これらはいずれも、非日常的な体験ではなく、日々繰り返されるごく普通の時間である。犬と向き合う静かな瞬間や、同じリズムで過ごす時間こそが、飼い主にとっての幸福感の源になっていることが読み取れる。

健康管理とスキンシップがつくる、犬との距離

犬との関係性は、日常の中でどのようなケアや意識を向けているかによって形づくられている。調査結果を見ると、ペットを飼ううえで最も意識されているのは「体調や病気のチェック」で50.9%を占めた。次いで「スキンシップ・声かけ」が46.9%、「ごはんの質や栄養バランス」が38.5%と続き、健康管理と情緒的な関わりの双方が重視されていることがわかる。

具体的な「お手入れや体のケア」では、「ブラッシングや抜け毛のケア」(24.4%)、「歯磨きなどのデンタルケア」(22.7%)、「シャンプーや足拭きなどの衛生ケア」(19.6%)が上位に挙がった。これらは見た目を整える行為であると同時に、日々の触れ合いを通じて体調の変化に気づくための重要な時間でもある。

こうした結果からは、犬との信頼関係が特別な出来事ではなく、毎日の観察やケアの積み重ねによって育まれていることが読み取れる。日常に組み込まれたケアこそが、犬と人との距離を縮める基盤となっているのである。

多くの飼い主が経験する、ペットロスという現実

犬との暮らしには、避けることのできない別れがある。調査では、ペットを亡くした経験が「ある」と回答した人は80.2%にのぼり、多くの飼い主がペットロスを経験している実態が明らかになった。さらに、別れを経験した人のうち83.7%が、供養や想い出を残すために何らかの行動を取っている。

具体的な行動としては、「葬儀・火葬を行った」が57.8%と最も多く、「遺影や写真を飾った」「写真をアルバムやフォトブックにまとめた」「遺毛や遺骨を加工したメモリアルグッズを作った」など、形として想いを残す選択が広がっている。

一方、その理由を見ると、「手元に思い出として残るものが欲しかった」「感謝の気持ちを伝えたかった」といった回答が上位を占め、供養行動が悲しみの整理だけでなく、犬との関係を肯定的に受け止め直す行為であることがうかがえる。ペットロスへの向き合い方は多様であるが、多くの飼い主が“何もしない”のではなく、想いを形にする道を選んでいる点は印象的である。

別れが教えてくれる、時間の大切さ

ペットロスを経験した飼い主の多くが、別れのあとにさまざまな後悔を抱いていることも調査から明らかになった。最も多かったのは「一緒に過ごす時間をもっとつくっておけばよかった」で38.4%を占め、「健康管理や通院、治療にもっと気を配ればよかった」(25.4%)、「もっと話しかけたり、気持ちを伝えたりしておけばよかった」(23.5%)が続いている。これらの結果からは、物理的な世話以上に、日常の時間や関わり方に対する悔いが強く残っている様子がうかがえる。

一方で、今後に向けた意識としては、「一緒に過ごす時間を意識的に増やしたい」(43.6%)が最多となり、「最期のときに後悔しないような接し方を考えたい」「写真や動画をもっと残したい」といった前向きな回答が並んだ。別れの経験は、単なる悲しみとして終わるのではなく、今をどう大切に生きるかを見つめ直す契機となっている。後悔から得た気づきが、現在の犬との時間をより濃いものへと変えているのである。

調査概要:「犬の飼育者における日常生活の実態とペットロス」に関する調査
【調査期間】2025年12月9日(火)~2025年12月10日(水)
【調査方法】PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査
【調査人数】1,008人
【調査対象】調査回答時に犬を飼育した経験のある20~60代と回答したモニター
【調査元】株式会社ベスト(https://shop.munino.net/)
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ

日常の価値を再発見するということ

犬との暮らしがもたらす幸福は、決して派手なものではない。だが、その分だけ生活の奥深くに根を張り、飼い主の人生に長く影響を与える。

今回の調査は、犬との日常がもつ価値と、別れを通して初めて見えてくるその重みを、具体的なデータとして可視化した。幸福と喪失は対立するものではなく、同じ時間の延長線上にある。犬と過ごす一日一日をどう受け止めるかが、暮らしの質そのものを形づくっているのである。

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