なぜ今?“史上最短”の選挙戦 真冬のポスター掲示に“限界”「食料品消費税ゼロ」自民も…本気度は?財源は?“物価高と円安”どう向き合う【サンデーモーニング】

国会審議をしないまま、いきなり冒頭での解散総選挙に踏み切った高市総理。なぜ今なのか。そして、物価高への対応はどうなるのでしょうか。
“真冬”の選挙戦 掲示板も雪で埋まり…
新潟・上越市では23日、選挙ポスターの掲示板を設置する作業が、急ピッチで進められていました。
電撃的な解散で、投票日までの日数は戦後最短。「最強寒波」が来ようが、雪が降ろうが、期日内に設置しなければなりません。
清水土木工業 大嶋俊介 管理部長
「ようやく完成しました」
ーー作業時間はどれくらい?
大嶋管理部長
「だいたい40分くらいかかっちゃったかなと」
雪のない時期なら10分ほどの作業が40分に。
別の設置場所に向かうと…
大嶋管理部長
「1m以上の積雪があるので、ここはもうやめようかな」
清水土木工業の担当エリアでは、予定の3割にあたる70か所ほどの現場で設置を断念せざるをえず、有権者が候補者を知る機会も減るのです。
さらに、前日に設置した場所に行ってみると…
大嶋管理部長
「(雪に)埋まってますね。ポスターを貼りに行くために、また除雪はしておかないとダメかなと」
雪が積もるたび、除雪作業の繰り返し。
大嶋管理部長
「除雪というのが一つの手間になるので、(選挙の時期は)そういった所も考えてほしいかなと」
なぜ今?通常国会の冒頭で解散
通常国会が1月召集となった1992年以降、国会審議を経ない冒頭での解散は初めてのこと。
高市総理(19日)
「なぜ今なのか?高市早苗が内閣総理大臣で良いのかどうか、いま決めていただく。(新党『中道』の)野田総理か斉藤総理か別の方か。国民のみなさまに内閣総理大臣を選んでいただくことにもなる」
この解散理由について、野党からは…
日本保守党 百田尚樹 代表(19日)
「『そんな個人的な理由で選挙かよ』とは思った」
政権の枠組みが維新との連立に変わり、重要政策も大転換するため、信任を得る必要があるとも主張していますが…
共産党 田村智子 委員長(19日)
「政策について信を問うというのならば、国会の場で国民の前で、正々堂々と議論を尽くして信を問う。当たり前のことではありませんか」
新党「中道」 斉藤鉄夫 共同代表(23日)
「冬の寒さの厳しい時、経済も世界情勢も、政治空白を作ってはいけない時に、解散をする大義はない」
“食料品消費税ゼロ”自民も… 本気度は?
政権からの“奇襲”ともいえる解散総選挙に対し、野党第一党の立憲民主と公明は新党「中道改革連合」を創設。
新党「中道」 野田佳彦 共同代表(22日)
「結局は政治とカネについて反省もしていない。物価高対策について、切れ目なく予算執行しなければいけないにもかかわらず、年度内成立もできない。『そんなことより私(高市氏)を総理にしてください』ということじゃありませんか」
そして、公約の目玉としたのが…
野田共同代表(16日)
「消費税の減税は(公約に)入れていきたい。食料品のゼロ税率は我々主張してきた」
「食料品8%の消費税ゼロ」を打ち出したのです。ところがその直後、高市総理も…
高市総理(19日)
「飲食料品については、2年間に限り消費税の対象としない」
こちらも“食料品の消費税ゼロ”。連立を組む日本維新の会とも合意した政策です。
ただ、2か月ほど前には…
高市総理(2025年11月 衆・予算委)
「消費税率の引き下げについて、物価高対策として、即効性のあるものとしては諦めた経緯がある」
レジの改修に時間がかかることなどを理由に、消費税減税には否定的な答弁。
実現に向けた“本気度”や「財源」も問われますが…
高市総理(19日)
「特例公債(赤字国債)に頼ることなく、その間の財源がどうあるべきか、よく相談する」
「国民会議」を設置して「検討を加速」するとし、具体的な実施時期などは示していません。
「庶民はそこまでアホじゃない」“減税”めぐりさまざまな声
与党からはこんな声も…
与党 閣僚経験者
「消費税の減税について『検討してます』と言えば、争点つぶしにはなるな」
消費税をめぐっては、主要政党が軒並み減税を掲げる状況。
国民民主党 玉木雄一郎 代表(21日)
「物価上昇+2%の名目賃金上昇率が安定的に達成するまでは、消費税の減税も含めた積極財政でしっかり後押ししていこうと」
れいわ新選組 大石晃子 共同代表(22日)
「消費税はさっさと廃止で景気を上げる」
参政党 神谷宗幣 代表(21日)
「(消費税を)下げるなら一律下げるか、もしくは廃止するということ」
社民党 福島みずほ 党首(22日)
「とりわけ消費税ゼロ、社会保障費半減」
こうした状況に、街の人は…
街の人
「ゼロになったらかなり助かるんじゃないかと思う」
「消費税減税を言えば選挙に勝てるかもしれないけど、庶民はそこまでアホじゃないと思う」
消費税減税よりも、物価高そのものを抑えてほしいという声も…
ステーキハウス「ミスターデンジャー」 松永光弘オーナー
「インフレが進行する可能性が高いので、食品消費税がゼロになったところで円安になれば値段が上がるでしょうね」
ここ数年の食材の高騰を受け、苦渋の判断で、値上げを繰り返してきたステーキ店。気になるのは、円安です。
“物価高と円安”どうする?
物価高の背景にある円安に対策はあるのか。
ーー円安と金利上昇が進んでいる。総理はどのように対応していく考えか?
高市総理(19日)
「物価高対策についてはすでに補正予算が成立し、ご心配いただくことはないと思っている。為替の変動などマーケットで決まることは、私の方から特にコメントすることはない」
円安の是非については踏み込まず、看板政策である積極財政の効果を強調します。
高市総理(19日)
「『戦略的な財政出動』は雇用と所得を増やし、消費マインドを改善し、事業収益が上がり税収が自然増に向かう『強い経済』を実現する取り組み」
ただ、積極財政によって財政規律が緩むと市場にみなされれば、円は売られます。
高市氏が自民党総裁に選ばれて以降、円安は10円以上、進んでいました。
高市政権の「責任ある積極財政」に対し、新党「中道」は「行き過ぎた円安の是正」を主張。
野田共同代表(23日)
「責任ある積極財政?無責任な放漫財政じゃないかと(市場が)思って、金利が上がり円安になってるのではないか」
では、「中道」が掲げる消費税減税の財源はどうするのか。
野田共同代表(23日)
「新しい財源として日本のファンドを作っていく。金融資産が数百兆円ある。その一部を活用して運用益を新しい財源にして食料品(消費税)をゼロにしていく。赤字国債を発行しない」
政府系ファンドを立ち上げて国の資産500兆円を運用し、1%でも運用益が出れば5兆円。消費税減税の財源にできるといいますが、与党からは…
日本維新の会 藤田文武 共同代表(19日)
「5兆円を生み出すのをすぐにやろうとすると、相当な規模の投資ファンドになる。外債とかを使わないといけない話になるので、これは簡単にできません。結構無理やり持ってきたなっていう印象」
さまざまな要因が絡む、物価高への対応が問われる選挙戦。
超短期決戦で有権者も難しい判断を迫られます。