致死率40~75%「ニパウイルス」インドでヒト感染確認 日本での流行の可能性は【ひるおび】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-01-30 15:52
致死率40~75%「ニパウイルス」インドでヒト感染確認 日本での流行の可能性は【ひるおび】

インドで感染が確認された「ニパウイルス感染症」。
国外での感染はまだ報告されていないものの、アジア各国でウイルスの流行に警戒感が高まっています。
一体どんな感染症なのでしょうか?専門医に聞きます。

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高い致死率「ニパウイルス」

ニパウイルスは、1998年~1999年にマレーシアで初めて発生が確認され、2001年以降、バングラデシュやインドでほぼ毎年感染の報告がされています。
日本国内では感染の報告はありません。

WHOの推定では、発症時の致死率は40~75%(※医療体制などで変動)で、現在有効な治療法やワクチンは確立されていません。
WHOはニパウイルスを新型コロナウイルスなどとともに「優先度の高い病原体」に指定しています。
4日から14日ほど潜伏期間があり、発症すると発熱・頭痛・嘔吐・筋肉痛などの症状が出ます。
意識障害など重症化すると、急性脳炎に至る場合があります。

恵俊彰:
怖いのはこの致死率ですね。

埼玉医科大学 岡 秀昭教授:
そうですね。ただ注意が必要で、おそらく「不顕性感染」という、症状が出ていない患者は調べられていないので、分母が変わる恐れがあります。相当ひどい脳炎を起こした人の死亡率ではないかと思います。

インドで感染確認

インドで、「ニパウイルス」のヒトへの感染が確認されました。
現地メディアによると、2025年12月以降、インド東部の都市コルカタ市内の病院で、看護師2人がニパウイルスに感染し、このうち一人は重篤な状態だということです。
インド保健省は「感染経路についてははっきりとはしておらず、状況を注視している」としています。

感染経路 ヒト➡ヒトはうつる?

国立健康危機管理研究機構によると、ウイルスは元々コウモリが持っています。
感染経路としては、
●コウモリから、豚などに感染➡感染した豚にヒトが接触することで感染
●コウモリが食べ、唾液や尿などの体液で汚染された食べ物(主に果物)をヒトが食べて感染
などが考えられます。
また、血液や体液との接触による「濃厚接触」でヒトからヒトへ感染する場合もあります。

埼玉医科大学 岡 秀昭教授:
感染のメインルートは、「動物」と「汚染された果物の摂取」です。
おそらく現地ではウイルスがコウモリを介して循環しているんだと思います。

恵俊彰:
感染した動物と接触ということを考えると、動物に関しては不顕性(症状が出ない)ということが言えるんですか?

埼玉医科大学 岡 秀昭教授:
これが結構不思議で、ヒトは脳の感染症を起こすんですよ。豚は肺炎だとか、いわゆる風邪症状が多い。鼻水などの分泌物を出すので、その飛沫でヒトにうつっていくのではないかと思います。
ヒトは脳炎ですから、ウイルスはそんなに出ませんので、「濃厚接触」でないとうつりません。

恵俊彰:
動物からは飛沫で感染する可能性があって、ヒトからヒトは飛沫ではうつる可能性は低いということですね。

アジア各国で警戒

タイ・バンコクの空港では、インド・コルカタからの航空便の乗客を対象に、検温や健康状態の申告書の提出を義務付けています。
またネパールやベトナムでは、インドからの入国者に健康診断を行い、検疫を強化しています。

日本の外務省も、インド在留邦人や渡航者を対象に
▼手洗いや手指消毒の励行▼動物との不用意な接触回避(特にコウモリ)▼コウモリが食べた可能性のある生の果物は摂取しない
などの注意喚起をしています。

日本で流行する可能性は?

岡教授は、「日本国内に持ち込まれて数名の感染者が出るかもしれないが、大流行になる可能性は低いのではないか」とみています。

埼玉医科大学 岡 秀昭教授:
要はコロナみたいに、飛沫、いわゆるエアロゾルでどんどんうつって行く形ではないので、渡航された方がたまたま感染する、あるいは外国からの日本への入国者が1、2名診断されることは、もしかしたらあるかもしれませんが、その方を通じて国内に大きく広がっていくということは極めて考えにくいと思っています。

弁護士 八代英輝:
このウイルスは、変異するリスクはどれぐらいあるんでしょうか?

埼玉医科大学 岡 秀昭教授:
基本的にはRNAのウイルスなので、増殖していく過程で、変異は起こり得ます。
コロナのように人にどんどんうつっていくと、子孫を残すために変異が活発になるので、要はうつさないこと・広めないことが、変異を起こさない上で重要だと思います。

(ひるおび 2026年1月30日放送より)
==========
<プロフィール>
岡秀昭氏
埼玉医科大学教授 西荻窪駅前クリニック 内科顧問
日本感染症学会感染症専門医 

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