中国・春節連休 日本の観光地に“異変” タイ・韓国に流れる中国人客 中国産レアアース供給「3分の1」の工場も… 経済の“脱・中国依存”道筋は?【サンデーモーニング】

旧正月を祝う「春節」。中国の大型連休を迎え、日本の観光地には異変が起きています。そして、危惧されていたレアアースの供給にも影響が出ているようです。
「壊滅的な状況」中国の大型連休に異変
今年も始まった中国の大型連休「春節」。日本の観光地には、風景が一変したところも…。
富士山を望む客室が大人気だったホテル。2025年は、ロビーが中国人客でいっぱいでしたが、26年は閑散としています。
富士山リゾートホテルなどを所有するグループの運営責任者 岩﨑肇さん
「壊滅的な状況になってますね。売り上げは数千万単位のマイナスですね」
団体旅行の予約が、ことごとくキャンセルされたのです。
岩﨑さん
「目の前真っ暗。手の施しようがない」
空港にも中国からの団体客の姿はなく、個人旅行客に聞くと…
ーー中国政府が日本への渡航自粛を呼びかけているが?
中国人観光客
「政治的な話はごめんなさい」
東京浅草にも個人での旅行客はいましたが、同胞の少なさに驚いています。
中国人観光客
「(中国人は)50~60%は減ったのではないですか」
実際、18日に発表された統計では、1月の中国人観光客は前年と比べ6割も減少。これに観光庁長官は…
ーー中国からの観光客が6割減ったが?
村田茂樹 観光庁長官
「(減った)現象の要因があるわけですから…」
中国が日本への渡航自粛を呼び掛けてから3か月。20日の施政方針演説で高市総理は…
高市総理
「地方への誘客の促進などのオーバーツーリズム対策を強化しつつ、持続可能な観光を推進します」
外国人観光客については多くを語りませんでした。
一方、この春節で思わぬ“特需”を得ているのが、アジア諸国。
「日本に行くのは都合が悪い」中国人観光客はタイや韓国へ…
26年の春節期間に、中国人観光客が激増したのがタイです。
中国人観光客
「日本の首相が中国に対して過激な発言をしたからですよ」
タイ政府は、このチャンスに中国人を呼び込もうとイベントなどに力を入れています。
一方、巨大なクルーズ船が到着したのは韓国。26年の春節に韓国を訪れる中国人は、4割以上も増加する見通しです。
中国人観光客
「今は中国人が日本に行くのは都合が悪いので韓国に来たのです」
中国人の日本離れを見越し、先手を打った対応も…
中国人観光客
「中国人にとってアリペイが使えると買い物が非常に楽になります」
ソウルの観光地では中国の電子決済「アリペイ」を導入し、中国人観光客の取り込みをはかっているのです。
最先端技術支える「レアアース」 7割超を中国に依存
そして、26年の春節で中国が世界を驚かせたのが、大々的に披露されたカンフーロボット。AIが制御する技術力の高さを見せつけます。
そのAIに加え、通信システムなど最先端技術を支えるレアアースを握っているのが中国。
日本はそのレアアースの7割以上を中国からの輸入に依存。
そんな中、中国は1月、軍事転用の可能性がある品目について、日本への輸出を制限すると発表。レアアースへの影響が心配されるなか、高市総理も施政方針演説で…
高市総理
「世界が依存し、民生用にも広く用いられるサプライチェーン上流の物資を管理下に置くことで、自国の主張に他国を従わせようとする経済的威圧の動きが顕在化しています」
レアアース供給「3分の1」に…経済の“脱・中国依存”できる?
今、日本企業への影響は実際どうなのか。“中国産”のレアアースを扱う工場を訪ねました。
ネオジムというレアアースを加工し、強力な磁石を作っています。
杉浦みずきキャスター
「ネオジム磁石は、頑張って引っ張ってもとれないです。かたい」
この強力な磁石は、スマホやEV車のモーター、医療機器など、あらゆる先端機器に不可欠なもの。しかし今、中国からの入荷が激減しているのです。
姫路電子 網嶋重昭 社長
「(入荷が)3分の1くらいになってる。中国から止められて入ってこないということになってますからね。去年の11月頃、高市さんの話(存立危機事態発言)以降は本当に(入荷が)少なくなってきてる」
足りない分は他国から仕入れていますが、コストは2倍以上で、安定的な量の確保も難しく、磁石の生産が受注に追い付かない状況も。
網嶋社長
「お客さんからは来年の分まで注文が来ているが、うちはもう対応できない」
ーー日中関係はどうなってほしい?
網嶋社長
「中国からある程度スムーズに入るようにせんことには、日本の経済というかメーカーというか工場も成り立たなくなっていく。早く解決してもらったらいいと思いますけどね」
こうした中、高市総理は…
高市総理
「特定国に依存しないサプライチェーンの再構築と、依存脱却のための同志国との連携を強化します」
“特定の国”への依存。そこから脱却する道筋は見えてくるのでしょうか。