カンボジア・大規模詐欺拠点にカメラが…内部には“ニセ警察署セット”に“対応マニュアル” 巧妙化する詐欺の手口 約10人の日本人が行方不明の情報も【news23】
世界各国で被害報告されるカンボジアを拠点とする特殊詐欺。今回、約1万人がいたとされるアジトへの取材が特別に許可されました。内部には詐欺を巧妙化させる設備やマニュアルが…日本人もターゲットにしていたとみられる詐欺拠点の実態とは。
【写真を見る】慌てて逃走した痕跡が。各国の警察署を偽装した部屋も…大規模詐欺拠点の内部
詐欺拠点を取材 内部には各国の“ニセ”警察署セットが…
当局による詐欺拠点の摘発・SNSより
「全員動くな!手を上げろ!」
3月10日、カンボジア当局が詐欺グループのアジトを摘発する瞬間の映像。
こうした詐欺拠点では、世界中から若者らを集め、世界各国をターゲットに詐欺がおこなわれていたとみられています。
現場からは、日本の警視庁を装った“ニセ”の警察手帳や身分証が、いくつも見つかりました。
今回、タイとカンボジアの国境地帯にあるアジトのひとつを取材することが許されました。
記者
「こちらの高い壁を抜けると、中に詐欺拠点の建物がいくつも並んでいます」
1万人以上のメンバーが詐欺を繰り返していた大規模拠点です。
記者
「ここが詐欺の拠点が置かれていたオフィスですかね。電子機器や書類が散乱していますね」
2025年、カンボジアとの軍事衝突で、大規模拠点をタイ軍が制圧したため、内部の至る所に攻撃の跡が。室内には、詐欺グループのメンバーらが慌てて逃げ出したような痕跡が残されていました。
さらに、中国の警察署を模したとみられる部屋や、ブラジルの警察署を偽装したとみられる部屋、ベトナムの銀行の窓口を模したセットもありました。
こうしたニセのセットは7カ国分。制服や備品を使い、世界中をターゲットに詐欺を働いていた実態が浮かび上がりました。
日本語マニュアルや名簿など「日本人の痕跡」も…
こうした“ニセ警察官”による詐欺は、日本でも。
ニセ警察官
「私、北海道警察本部の狭山と言います」
これは2025年かかってきた詐欺電話ですが、警官を装う制服に警察手帳、背景にはエンブレムやポスターなど、カンボジアのアジトからおこなわれていた手口と似た詐欺が日本でも横行しているのです。
さらに、この拠点にも日本人がいたとみられる痕跡がありました。
記者
「こちらの部屋には、日本語で書かれた詐欺電話のマニュアルとみられるものや、日本人の個人情報と思われるメモ書きなどが大量に残されています」
マニュアルには、詐欺電話を“周囲に相談させない”ためのフレーズが…
詐欺のマニュアル
「お1人の環境を作っていただく必要があります」
「無実を証明するためにも、秘密保守義務を果たしてください」
また、日本人の名前、生年月日、電話番号などが一覧になっているノートや個人情報を記載するための書類まで。下の方には、銀行名と預金残高とみられる「2145万円」という数字も記載されています。
この拠点から、日本人が狙われていた可能性が非常に高いことがわかりました。
まるで“ひとつの街” 多くの外国人が共同生活か
記者
「こちらは外国人たちが共同生活を送っていた部屋ですね。ベッドがいくつか並んでいます」
拠点には、レストランやヘアサロンなどもあり、ここだけで生活ができる、ひとつの街のようになっています。
一方で、建物の間には高い壁や有刺鉄線があり、簡単に外に出入りしたり、移動ができない状態になっていたとみられ、拠点に軟禁され、詐欺に加担させられる若者たちもいます。
2月、福岡県警が明らかにしたのが…
「家族がカンボジアに行った後、連絡がとれなくなった」
今、福岡県内の学生など約10人が行方不明になっているというのです。
カンボジアに渡航した日本人が意図せず詐欺に巻き込まれるケースも少なくないとみられています。