体内に留まり発がん性などの健康リスクも… 4月の水道法改正で注目されるPFAS(ピーファス)を「クリクラ」担当者がわかりやすく解説

2026-03-24 08:00
体内に留まり発がん性などの健康リスクも… 4月の水道法改正で注目されるPFAS(ピーファス)を「クリクラ」担当者がわかりやすく解説

PFAS(ピーファス/有機フッ素化合物)の検査が厳格化される今年4月からの水道法改正を前に、「クリクラ」ブランドで宅配水サービスを全国展開する株式会社ナックが「PFAS規制強化時代における水の安全と選び方」と題したメディア向け説明会を3月17日に東京都内で行った。会場ではPFASの基礎知識や今回の法改正についての解説があり、発がん性などPFASが健康に与えるリスクなどが語られた。生活に密着した飲料水に関する話題だけに、PFASについてまだ知識がないという人はぜひ一読してほしい内容だ。

日本人の2人に1人が知らないPFAS(ピーファス)とは?

この日は、株式会社ナック取締役専務執行役員でクリクラビジネスカンパニー代表の川上裕也氏が始めに登壇。中央研究所を社内に擁し、安全管理を徹底している同社のこだわりに触れつつ「規制動向の要点など生活者が水の安全について正しい理解を得られるよう、今日の説明会が皆さんの情報発信の一助になれば幸いです」と挨拶があった後、同社クリクラ商品部部長の安斎太郎氏からPFASに関する解説があった。

株式会社ナック取締役専務執行役員でクリクラビジネスカンパニー代表の川上裕也氏(右)と同社クリクラ商品部部長の安斎太郎氏(左)

PFASとは炭素フッ素結合を持つ有機フッ素化合物の総称だ。1万種以上の物質があり、代表的なものにPFOS(ピーフォス/ペルフルオロオクタンスルホン酸)やPFOA(ピーフォア/ペルフルオロオクタン酸)がある。これらは撥水・撥油性や耐熱・耐薬品性などの特性から表面処理剤や泡消火薬剤の原料や半導体の製造プロセスなどに広く使われてきたが、自然界に排出されたものは環境内で分解されづらく、土壌や河川に長く蓄積する性質から「フォーエバーケミカル(永遠の化学物質)」と呼ばれているという。

一方、食品や飲用水、生活用品等に付着したPFASを人体が取り込むとたんぱく質と結合して長く体内に蓄積され、発がん性や免疫機能の低下、甲状腺疾患などの健康リスクを招くといい、安斎氏は「物質によっては半減するまでに6年以上の時間がかかる場合もあります」と解説する。

そうした危険性からストックホルム条約等により国内外で規制の強化が進むPFASであるが、同社が行った調査によると日本での認知度は48.7%に留まる。これはアメリカ、ドイツ、イギリス、アイルランド、ニュージーランドとの5か国の比較で最下位の数字であり、近年たびたびニュースに現れるワードでありながら2人に1人が知らないという現実は、日本人の水道水に対する信頼度の高さの裏返しともいえる。しかし、2023年の環境庁の発表によると、全国約2000地点のうち242地点の河川や地下水で水1リットルあたり50ナノグラム以上という基準を超えるPFASが検出されたという情報もあり、我々の身近な環境の中にPFASが潜んでいることも事実。地下水を原水とするペットボトルの飲料水からも高濃度の検出されたケースもあり、これに対して安斎氏は「水の基準が変わる中、PFASについて十分な理解がないと、正しい情報に基づく選択がされない可能性がある」と危惧を唱える。

水道法改正でPFASの水質検査が義務化

4月1日から施行される水道法の改正では、PFASの中でも特に毒性が高いとされるPFOSとPFOAが、水道業者等に遵守義務と検査義務のある水道法第4条の「水質基準項目」に格上げされる。これにより該当する業者は概ね3か月に1回以上のPFAS検査が義務となる。また、水道水1リットルあたりPFOS・PFOA合算で含有量50ナノグラムを基準値として設置。安斎氏によると、これは「一生飲み続けても健康に害がないというレベルの基準」だといい、基準値の明確化と検査の義務化によって水の安全管理が強化されることになる。なお、同じくPFASの一種であるPFHxS、PFBS、PFBAなど8物質も昨年までに水道法の「要検討項目」に追加され、今後規制の対象になることがありえるそうだ。

一方で、ナチュラルウォーター、ミネラルウォーターなどのミネラルウォーター類も今回の水道法改正の基準値と同水準に揃える規定が昨年6月より食品衛生法に加えられ、今月末までを猶予期間として検査・管理の厳格化が進められている(ただし、殺菌・除菌を行うものに限定)。水道水を原料とするクリクラのボトルドウォーターもこのミネラルウォーター類に該当し、同社では定期的な検査を実施。食品衛生法では検査頻度を定めていないものの「一般的な業者は一年に1回程度が基本的な頻度になるのでは」と安斎氏は言う。

それらの説明があった上で同社のPFASに対する取り組みを述べた安斎氏は、同社の宅配水の濾過に使われる活性炭フィルターとROフィルター(逆浸透膜)を紹介。99%の不純物を濾過可能な自社製品の安全性を訴求した上で、「当社の宅配水は水質検査を受けた水道水を原水とし、ROフィルターを通して不純物を極力取り除き、さらに第三者機関によるPFAS検査を通すことで安全を担保しています」と強調した。

日頃飲む水の安全について改めて考える機会になりそうな今回の水道法改正。私自身もこの日の説明会がそのきっかけになった。クリクラのホームページでは、PFASに関するより詳しい解説が掲載されているので、知識を深めたいという人は覗いてみてはいかがだろう。

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