能登半島地震から3度目の春…復興に向け動き出した被災地 老舗旅館・加賀屋の新たな挑戦、そして解体へ
震災から3度目の春を迎える能登半島。火災で大きな被害を受けた輪島の朝市通りでは、再建への一歩となる工事が始まりました。一方、2年間、営業を休んでいる、おもてなし日本一の旅館・加賀屋も、きょうは再開へ向け、区切りの一日になりました。
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2024年1月1日の能登半島地震から2年。大きな被害を受けた輪島市の朝市エリア周辺ではきょうから、再建に向けた復旧工事が始まりました。
地震のあとの大規模な火災により、およそ240棟、5万平方メートルが焼けた朝市エリア。商店街は来年4月に、朝市は5年後の再開を目指しています。
輪島市本町商店街振興組合 高森健一 理事長
「やっとスタートなんだな」
七尾市でも…。今年で創業120年、和倉温泉の「加賀屋」。建物の壁に亀裂が入るなど、大きな被害が出ました。震災から2年、きょう、初めて建物の中の様子を公開しました。
久々江龍飛 北陸放送アナウンサー
「12階まで抜ける吹き抜けですが、ガラスや壁が損傷し、がれきが散乱している状況です」
来月上旬からは、公費で建物の取り壊しが始まります。
加賀屋 渡辺崇嗣 社長
「今回、これ(加賀屋の建物)を使わなくなるのはつらい決断。前の加賀屋の雰囲気や良さ、加賀屋の神髄はしっかり、新しい方でも守り抜いていきたい」
グループの4つの旅館が休業中。ほかにも、レストランなどおよそ700人の従業員を抱えているため、事業を広げるなどして雇用を維持しています。
震災前はグループの旅館で料理長を務めていた佐近一彦さん。今は去年3月にオープンした料理店で働いています。
左近さんの自宅も被害を受け、およそ1年半、住むところも仕事もない状況が続きました。
ステーキ会席 能登半島 佐近一彦 料理長
「いやぁ、やっぱり…。すみません、思い出してくるので。1年半、仕事ができなかったので正直嬉しかった、やっと仕事ができると。楽しく、お客さんに料理を食べてもらって、能登の食材も食べてもらって、能登を忘れるな、能登は元気ですよと届ける」
今年、“新たな雇用の確保”と“温泉街の復興”に向けて、来月3日、地元・和倉温泉にオープンするのがグループ初の定食店「とと楽食堂」。
とと楽食堂 三輪徹 店長
「活気のある街、和倉温泉が戻ったらいいなということで」
店長を務めるのは三輪徹さん。三輪さんはグループの旅館で料理長をしていました。
この日は、ホームページ用の写真撮影と試食会が行われました。加賀屋グループが新たに挑戦する「900円の定食」。こだわりが詰まったこの食堂で、およそ10人の社員が働きます。
そして、きょう、加賀屋では解体に向けたお祓いが行われました。
加賀屋 渡辺崇嗣 社長
「(加賀屋は)おもてなしや料理を中心に打ち出していますけども、これをしっかりと凝縮して、みなさまにその旅館の良さ、能登の魅力というものを感じていただけるような、良い要素を凝縮した建物で再スタートしたいと思っています」