“肝いり”政策「日本版CIA」で国は守れる?高市総理が狙う「インテリジェンス強化」の実態とプライバシー侵害の懸念【Nスタ解説】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-04-06 21:37

国会では情報収集、いわゆるインテリジェンス機能の強化に向けて「国家情報会議」を新設する法案が審議入りしました。
高市総理“肝いり”の法案ですが、政府の狙いはどこにあるのでしょうか。

【写真を見る】「国家情報会議」法案審議入り その狙いや懸念は?

総理がトップに立つ「国家情報会議」とは?

井上貴博キャスター: 
高市総理が今国会で目指す「インテリジェンスの司令塔機能の強化」。
「インテリジェンス」とは、情報を「取りにいく」「分析する」ことを指します。

議論の第1弾として、今国会で審議入りしているのが「国家情報会議」の設置と、「国家情報局」の創設です。

「国家情報会議」とは、日本を守るための情報収集・分析・とりまとめを行う会議のことで、議長は総理大臣、議員は関係する大臣により構成されます。

総理大臣をトップとして、情報収集を強化していくわけですが、懸念点もあります。

「プライバシーを無用に侵害することはない」野党の追及に総理が説明

TBS報道局政治部 総理の番記者 山崎匠 記者:
野党側が訴えているのが、まず「国民のプライバシー」に関する懸念です。

高市総理は、「行うのは安全保障やテロなど、国政運営に資する情報活動であり、このような観点に基づかない指示は行わないので、プライバシーを無用に侵害することはない」と答弁で説明しています。

さらに、「適切な運用が行われているか」を誰が判断するのか、というチェック機能に関する懸念もあります。

こちらについては、閣僚が基本方針などを定めて仕組みを整備するとしていて、高市総理は「仕組みが整備されることは、政府の情報活動に対する民主的統制の強化に資するものと考えている」と説明しています。

井上キャスター:
日本は「スパイ天国」と揶揄されることもある中で、高市総理は「国民の安全や国益を戦略的に守る。そして情報力を強くすることで、日本を守る」としています。

理念としては大切だと思う一方で、その運用の透明性をどのように担保するのか。その線引きをしなければ、政権による恣意的な運用も可能になってしまいますので、その点はしっかりと見ていかなければいけないと思います。

出水麻衣キャスター:
今までは内閣が主導する形だったのに、なぜ国家までレベルを上げる必要があるのかという点に疑問を感じる方が多いと思います。

TBS報道局政治部 山崎記者:
今まで各省庁で縦割りになっていた業務をスムーズにできるようにするというのが、格上げの理由の1つとして説明されています。

(格上げされれば)海外からの見られ方も一部変わる可能性はあると思います。アメリカの「CIA」や、イギリスの「MI6」のような組織と肩を並べるといった声もあります。

日本に「スパイ防止法」はできる? 検討進む「外国代理人登録法」による抑止力

井上キャスター:
第2弾として、秋の臨時国会以降で高市総理が目指すのが、いわゆる“スパイ防止法”の制定と、対外情報組織の設置です。

TBS報道局政治部 山崎記者:
まず、いわゆる“スパイ防止法”の制定は、「情報を守る能力の強化」を目的に掲げたものです。「スパイ防止法」と呼ばれるようなものになるかはわかっていません。

政府の中で検討されているのが、「外国代理人登録法」の整備です。これは外国の組織に属し、日本で情報活動する人を事前に登録する制度です。透明化することによって、1つの抑止力になるのではないかという議論がされています。

そして対外情報組織の設置は、「情報を取りに行く能力の強化」を目的にしていて、アメリカの「CIA」や、イギリスの「MI6」にあたる「情報収集に特化した組織」を置くものです。

外国代理人登録法、そして対外情報組織の設置にも、それぞれ懸念点はあります。

▼情報を「守る」:外国代理人登録法
・外国代理人の定義があいまい
・経済活動への影響

▼情報を「取る」:対外情報組織の設置
・組織の活動のチェック体制
・海外での活動で何かあった時の危機管理

出水キャスター:
政府は今ロードマップを作り、第1弾・第2弾と時期を決めてしまっていますが、議論がまだ足りないのではないかと思います。

井上キャスター:
漠然とした不安を潰すためにも、政府には情報を出してもらいたいし、我々もお伝えしていきたいと思います。

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<プロフィール>
山崎匠
TBS報道局政治部 総理の番記者
政府の「情報力」強化について官邸・自民党など取材

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