【 アグネス・チャン 】「産んでも人に言えない」かつての風潮振り返る “アグネス論争”で周囲にも変化「目の前が明るくなった」

社会学者の上野千鶴子さんと歌手のアグネス・チャンさんが、共著『報われない社会で、それでも生きる』(Gakken)刊行記念トークイベントを行いました。
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1987年に、アグネスさんが生後数か月の長男を職場に連れて行ったことへの賛否から巻き起こった「アグネス論争」。書籍は、それを経ての女性の生き方、働き方の変化や、教育や経済の格差がもたらすもの、そして介護問題など、さまざまなトピックを取り上げた一冊になっています。
ステージに2人揃って登場すると、上野さんは〝私とアグネスさんの共著が出るなんて、考えられないことが起きた。アグネス論争から40年。お互い若かったですね〟と、しみじみ。アグネスさんも〝ウチの子は、もうそろそろ40歳ですよ〟と、感慨深げにしていました。
書籍の中には、論争当時にアグネスさんを批判した淡谷のり子さんとアグネスさんのエピソードも。アグネスさんは〝(淡谷さんは)芸能界の大先輩ですし、本当に芸に厳しい方。その考え方は私も分かる。私たちの同業者の中では、子どもを産めない、産んでも人に言えないとか、いろんなことがあった時代だった〟としつつ、〝(論争から数年後に淡谷さんに会った時に)「アグネスが正しかった。私が間違っていた」と言われて、もう泣きそうになって...。その一言で報われた。ものすごく目の前が明るくなった〟と、淡谷さんとの会話を真摯に振り返っていました。
アグネス論争の時代背景を、上野さんは〝当時職場は神聖なものですから、「そんなところに子どもを持ち込んじゃいかん」っていう考えがあった〟と、説明。論争後に芸能界でも労働環境が変化し、今では芸能界の後輩たちからお礼を言われるというアグネスさんは〝一番最初に走ってきたのは三船美佳さん。私の手をとって「アグネスさんありがとう。アグネスさんのおかげで、こうやって子どもを(職場に)連れてこられる。」と言われた。あとは、MEGUMIさんや原日出子さんもそうです〟と、嬉しそうに具体例をあげていました。
また、上野さんは〝山口百恵の引退によって日本のフェミニズムは10年遅れたと言われたが、アグネスさんの勇気ある行動によってそれを取り返したかもしれない〟と、アグネスさんを評価。それを受けたアグネスさんは、〝どら焼き食べたくなるくらい嬉しい〟と、チャーミングに微笑んでいました。
最後に、募集した質問の中から「後悔のない人生を送るヒント」を求められると、上野さんは〝恥と後悔の多い人生でございました〟と、太宰治っぽく応えて会場を笑わせながら〝後悔のない人生なんてとんでもないですよ!〟と、バッサリ。アグネスさんは〝私も失敗ばかりの人生です。でも失敗したら、そこから学ぶことができる。それが私のモットーの1つです。そこに向き合うのが大事です〟と、質問者を力強く鼓舞していました。
【担当:芸能情報ステーション】