猫に関する『うわさ話・迷信』5選 どこまで本当なの?気になる真相をご紹介

2026-05-07 12:00

古来より、猫は身近で神秘的な動物として、数多くの迷信や言い伝えを生み出してきました。「猫が顔を洗うと雨が降る」といった身近なものから、恐ろしい妖怪の伝説まで、これらはどこまでが本当なのでしょう。今回は、現代にまで伝わる猫にまつわるうわさや迷信について紹介します。

1.猫が顔を洗うと雨になる?

顔を洗う猫

「猫が顔を洗うと雨になる」と聞いたことはありますか?猫の行動で天気を占う習慣は、江戸時代以前からはじまったと考えられています。

いまほど精密な天気の予測ができなかった時代、農家や漁師など天候が死活問題だった人々は、空の様子や動物の動きによる天気の予測を頼りにしていました。その中のひとつが、猫の毛づくろいです。もちろん、これらには現在でも科学的な根拠はないものの、生理学的にはその理由が推測されています。

ひとつは、湿気が高くなると被毛が水分を含んで重くなり、不快感が生じるため、解消のためにせっせと毛づくろいをするのではないかということ。

もうひとつは、被毛に湿気を含むために、体についたノミが活発になり、取り払おうと熱心な毛づくろいにつながるというものです。ひと昔前までは、猫は外にいたのでノミもついていたのでしょう。

これらは猫の行動学というよりも、物理学的に被毛のケラチンが吸湿することや昆虫学からノミの活動湿度がもとになっている事実なのです。

2.黒猫は不吉?幸運?

覗く黒猫

黒猫が不吉かどうかのジンクスは、歴史的・宗教的な背景による文化的差異が大きく影響しています。

西欧で不吉とされるのは、1233年にローマ教皇グレゴリウス9世が異端カルトを断罪した文書内に、「カルトが黒猫を崇拝していた」という記述が発端だといわれています。猫自体が問題ではなく、異端カルトに付随した嫌悪が黒猫に向かったというのが本当のところです。

対照的に日本では、黒猫は魔除けや商売繁盛の福猫として大切にされてきました。街灯のない時代、夜になれば漆黒の闇。その闇に溶け込む黒猫の瞳がピカリと光ります。このような猫の身体特徴から、黒猫には他の色の猫にはない力があると信じられ、病魔や災厄を払う幸運の象徴として信仰の対象となったのです。

日本以外のアジアやエジプト、イギリスでも黒猫は幸運とされています。日本同様、暗闇で目だけが光って見えることやネズミ捕りの功績などが混じった信仰ではないかと考えられています。

3.オスの三毛猫の幸運

きれいな三毛猫

三毛猫のオスが希少だということは遺伝学的に証明されていて、そこから派生したのは「オスの三毛猫は幸運を呼ぶ」という信仰です。

通常、毛色を決定する遺伝子の関係で三毛猫はメスしか生まれません。その中でオスが生まれるのは「XXY」という特殊な性染色体を持つ染色体異常の場合のみで、その確率は3,000〜3万匹に1匹とかなり低い確率です。

当時の人々がこの数値を理解していたわけではありませんが、「なぜかほとんど見かけない」という経験的な感覚と実際に見た時の「いた!」という驚きから、「これはツイてる」と感じたのかもしれません。

もともと日本には古くから「三毛」という明確な色の定義がありましたが、英語圏でいう「三毛=キャリコ」は布地模様を指す言葉です。日本ほど「白・黒・茶の3色が揃った三毛猫のオス」をピンポイントで神聖視する文化は、他国にはあまり見られません。そういう意味でも実際に出会うことは本当に稀なのです。

4.妖怪(化け猫や猫又)への変身

歌いながら踊る猫

昔から猫が年を取ると妖怪に変身するという言い伝えがあります。もちろんこれには、猫の身体の特徴や老化現象が、当時の人の目に奇怪に映ったことによるもので、おそらく真相は、身体的特性と当時の生活環境の「不幸な合致」にあります。

猫を単純な「化け猫」とした話では、行灯に使われていた魚油を舐めるための直立姿勢が、ゆらめく影によって障子などに映り、巨大な怪物のように見えたのでしょう。当時の庶民は、精製されていない鰯などの「生臭い油」を灯りの燃料として使っていたため、猫にとっては高カロリーな動植物性タンパク源そのものだったのです。

一方、しっぽが2本に分かれるといわれる猫又の真相については探求しても明確な答えは出てきません。藤原定家による「明月記」は現存する最古の「ねこまた」に関する史料で、1233年8月2日の記事に「南都(現在の奈良)でねこまたという獣が人を襲った」と書かれているに過ぎません。猫又は有名な話ですが、まったくもって真相は謎なのです。

5.人間の死期を察知できる

高齢者に抱っこされる猫

猫が人の死や病気を予見するという不思議な話で有名なのは、米国の老人ホームで暮らしていた猫のオスカーです。あまり人懐っこい性格ではありませんでしたが、死期が近づいた患者がいると、自ら部屋に入り、すぐそばで看取るように過ごしました。オスカーがこの行動を見せると、職員が家族へ危篤の連絡を入れる判断をするほどでした。

施設の担当医によって医学誌にも掲載されたオスカーは、生涯100人以上の最期を見守ったと言われています。2022年に推定17歳で息を引き取りました。

また、イギリスのケアホームにいたスキャットという猫も、入居者の死期が近づくと部屋の前でじっと座り込むことから、職員が家族へ連絡する際の合図になっていました。しかし、こちらはオスカーほど信頼性の高い医学的記録は存在していません。

これらの猫の行動に対し、デイヴィッド・ドーサ博士は、人間が死を迎える際に細胞の変質に伴って放出される「ケトン」などの化学物質を、猫が嗅覚で感じているのではないかと分析しています。

まとめ

びっくりするブリティッシュショートヘア

猫にまつわるうわさや迷信は、猫の生態という「科学的な面」と昔の思想や宗教観という「文化的な側面」が組み合わさって生まれたものが多く、すべてがただの作り話というわけではありません。

これらのお話では、ひとつのエピソードが長い時間を経るうちにいろいろな尾ヒレがついていき、まるでオカルトやファンタジーのような話へと変化していくことがあります。

しかし、逆にそこまで長く語り継がれるということは、猫という動物は人々にとって、とても身近で愛されている証拠なのかもしれませんね。

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