“ナフサショック”広がる不安…メーカー悲痛な声「新規の生産ストップ」 都内新築タワマンは引き渡し遅れの可能性【news23】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-05-14 12:05

広がるナフサの供給不安。その影響は住宅建設の現場にも及んでいます。都内の新築マンションでは引き渡しが遅れる可能性も出てきています。

【画像を見る】“ナフサショック”の主な値上げ

“ナフサ不足” 住宅建設現場から悲鳴の声 

13日に始まった建築資材などの展示会「住まい・建築・不動産の総合展[BREX]2026」。各社、共通の悩みを抱えていました。

日本エムテクス営業開発部 上原哲也さん
「ペイントの塗料の原材料、かなり供給が不安定になったので新規の生産はストップをかける状況になっています。どちらかというと一気に」

壁紙や塗料などを製造しているこちらのメーカー。主力商品の原材料にナフサ由来の樹脂が使われていますが、緊迫するイラン情勢によって供給が不安定だといいます。

――どれくらい今、生産量を減らしている?

日本エムテクス営業開発部 上原さん

「4割〜5割くらいはちょっと…。これから先を考えると大変かなと」

換気扇の輸入・販売を行っている会社には、毎月のように値上げの通知が届いているそうです。

エディフィス省エネテック 改正和己代表
「4月〜5月で10%値上げ、5月〜6月で10%値上げ。でも、お客様に月ごとに値上げするとは言えないので、のむしかないという状況」

背景にあるのは、こちらもやはりナフサ。換気扇のパイプの材料となる塩化ビニール樹脂にナフサ由来のエチレンが使われています。

「打ち合わせの間にも価格が高騰してしまうと…」住宅メーカーも対応に追われる

エディフィス省エネテック 改正代表
「換気扇の心臓部というか土台の部分がなくなるので、(メーカー側は)買いだめさせないというか、同量の発注でお願いしますという依頼が来ている」

あらゆる住宅資材の原料となっているナフサ。屋根材や床材、塗料など幅広い品目に値上がりが波及していて、なかには一時的に受注を停止している製品もあります。

住宅メーカーの社員も対応に追われています。

住宅メーカー社員
「注文いただいてから建つまでに時間があるので、打ち合わせをしている間にも価格がどんどん高騰してしまうと、契約した値段と着工できる時の値段が違うというのが結構問題になる」

影響は東京・湾岸エリアのマンションにも。

新築タワマン 引き渡し遅れの可能性 政府「必要な量は確保できている」

三井不動産レジデンシャルが手がける総戸数2000戸以上のタワーマンション。2027年8月下旬から順次、入居が始まる予定でしたが、三井不動産レジデンシャルは契約者に対し、「引き渡しの予定日が遅れる可能性があります」と、引き渡し時期が延期になる可能性を通達したといいます。

現時点で工事に遅れは出ていないそうですが…

三井不動産 藤岡千春専務
「予定していた材料が少し届かないとか。調達先を変えたりしたら届くとか、そういった多少の調整が必要な局面だと現場から聞いています」

建設業界で先行きへの不安が広がる一方、政府は「必要な量は確保できている」との見解を示しています。

高市総理(13日)
「シンナー、塗料、ユニットバスなどの住宅設備、断熱材、塩ビ管、アスファルト、防水材。これらの物資については、製造事業者は前年実績での供給が可能であることが確認できています」

高市総理は「流通の目詰まりが起きている」として、関係閣僚に目詰まりの解消を指示しています。

“ナフサショック” 目詰まり解消の見込みは?

藤森祥平キャスター:
政府は「必要な量は確保できている」との姿勢ですが、現場では様々な声が届いています。

内装建材メーカー
「こっちまで(政府の対策の)恩恵がきてないのかなと」
電気工事業
「(供給不安から)みんなが一斉に発注をかけ、買い占め・奪い合いが起きている」

こういった声が聞かれました。

小川彩佳キャスター:
政府は「必要な量はある」と説明していますが、こうした不安の声を聞くと、いつごろ“目詰まり”が解消されるのかという見通しが示されることが安心材料につながると感じます。

トラウデン直美さん:
見通しが立たないことが不安の一番の原因だと思います。建設関係の方にお話を伺うと、資材が届かなかったり足りなかったりすると、変更せざるを得ない状況に
苦労しているという声は聞きました。

ただ、不安になって買い占めなどに走ってしまうと、余計“目詰まり”が起こってしまうので、パニックを起こさないことが重要だと思います。

藤森キャスター:
そんな中で企業も様々な工夫を始めています。

【企業の取り組み】
▼日清製粉ウェルナ
パスタを束ねているテープを無地に順次していく

▼カゴメ
ケチャップの一部商品について、包装デザインの変更を検討
トマトのイラストを減らす案なども

▼ローソン
コーヒーカップの蓋をプラスチックから紙に変えることで、年間127トン削減の見込み

トラウデン直美さん:
ピンチの時こそ変化をもたらすチャンスだと思います。こういった機会だから石油製品を減らして、より持続的なものに代替できるチャンスだと思って、私たちも順応していければいいのかなと思います。

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<プロフィール>

トラウデン直美さん
Forbes JAPAN「世界を変える30歳未満」受賞
趣味は乗馬・園芸・旅行

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