【米中首脳会談】晩さん会では“次の約束”親密さアピールか 一方「台湾問題」についてはけん制…“認識一致”のイラン情勢をめぐって今後進展はあるのか【news23】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-05-15 14:03

首脳会談を行ったアメリカのトランプ大統領と中国の習近平国家主席。お互いに「親密さ」をアピールしました。注目の議題は、私たちの暮らしに直結する『イラン情勢』です。進展はあったのでしょうか?

【写真でみる】総資産168兆円超…晩さん会に出席した米企業のトップら

晩さん会 テスラなど米企業のトップらも出席

豪華な装飾が施されたテーブルに案内された米中両首脳。日本時間14日午後7時すぎに行われた晩さん会の冒頭、習近平国家主席は、こうスピーチしました。

中国・習近平国家主席
「協力は互いの利益に、争いは互いの傷に。敵ではなく仲間になるべきだ」

晩さん会には、トランプ大統領に同行した、アメリカ企業のトップらも出席。EVメーカー「テスラ」のイーロン・マスク氏や、半導体メーカー「エヌビディア」のジェンスン・フアンCEOなど、世界経済をけん引する面々です。

会場に揃った大富豪たちの総資産は、日本円にしてなんと168兆円超え。日本の国家予算(2026年度予算約122兆円)をはるかに上回る額です。(米経済誌「フォーブス」による)

アメリカ・トランプ大統領
「9月24日に習主席と夫人をホワイトハウスに招待できて光栄だ」

早くも次の再会を見据えるほど、距離を縮めた米中両首脳。世界が注目した1日、2人の間でどんな言葉が交わされたのでしょうか?

“友好ムード”も台湾問題では牽制 中国側 釘を刺す発言も

日本時間14日午前11時すぎ、厳戒態勢の中、大統領専用車「ビースト」で人民大会堂に到着したトランプ大統領。出迎えた習主席と13秒にわたり握手を交わしました。トランプ大統領が子どもたちの歓迎に拍手を送る場面も。

習近平国家主席
「米中関係の安定は世界の利益に繋がる」

トランプ大統領
「中国とアメリカの関係はこれまでになく良いものになるだろう」

和やかなムードで始まった首脳会談。

トランプ大統領にとって会談の目的の1つは、中国にアメリカ産の農産品や、航空機などの購入拡大を確約させることです。

会談には途中、イーロン・マスク氏ら企業トップも参加。トランプ大統領は習主席に経営者らを1人ずつ紹介したそうです。

一方、中国側が最も重視するのが「台湾問題」です。会談後、世界遺産の「天壇公園」を訪れた米中両首脳。

記者から、会談で台湾問題が議題にあがったのか、質問が飛びましたが…

トランプ大統領
「(Q.台湾に関する話は出たか)素晴らしい場所だ。見事だ。中国は美しい」
「(Q.台湾に関する話は?)…」

話題をそらし、質問に答えなかったトランプ大統領。中国外務省によると、習主席は会談で台湾問題についてこう釘を刺したと言います。

習近平国家主席
「アメリカが処理を誤れば、衝突や対立に至り、中米関係を極めて危険な境地に追い込むことになる」

イラン情勢で“認識一致” 進展は? ホルムズ海峡「開放されたままであるべき」

「経済・貿易」や「台湾問題」と並び議題に上がったと見られるのが「イラン情勢」です。ホワイトハウスの当局者によると、米中両首脳は「イランは核兵器を保有してはならない」とした上で、「ホルムズ海峡は開放されたままであるべき」との認識で一致したということです。

また、習主席は会談でホルムズ海峡の通航料徴収に反対する姿勢を明確にしたとしています。

米中首脳会談 トランプ大統領の成果は?日本への影響は?

小川彩佳キャスター:
14日、米中首脳会談とは別に、イラン情勢をめぐって大きな動きがありました。日本のENEOSホールディングスは、原油タンカーが事実上の封鎖が続いていた「ホルムズ海峡を通過した」と発表しました。原油の安定供給は実現していくのか、米中首脳会談をどのように紐解きますか。

ワシントン支局長 涌井文晶記者:
アメリカのホワイトハウス側の発表によりますと、米中両首脳はホルムズ海峡は「開放されたままであるべきだ」との認識で一致したと説明しています。

また、習近平国家主席が、中東産に依存している(石油の)調達を分散するために、アメリカ産石油の将来の購入拡大に関心を示したと説明しました。

ただ、中国側はこの点について具体的な発表はしていません。アメリカ側の発表を額面通りに受け取ったとしても、中国側が直ちに具体的に行動するとまでは言えませんので、米中首脳会談をもってホルムズ海峡の問題が解決に向かうかというと、そのような成果までにはいたっていないのではないかと見ています。

藤森祥平キャスター:
トランプ大統領の取り引きについて、どのように見ていますか。

涌井文晶記者:
先ほどトランプ大統領がインタビューに答えた内容がFOXニュースで放送されました。それによると、中国側が、アメリカ産大豆とLNG液化天然ガスなどのエネルギーの輸入拡大をすることで合意したということです。

これは、会談の前からアメリカ側がずっと求めていた内容です。さらに、中国がボーイングのジェット機を200機購入することも合意したと説明し、アメリカ側としては国内向けにアピールできる材料は取れたのかなと思います。

ただ、こうしたビジネス的な取り引きをアメリカ側が求めている一方で、その引き換えに、例えば中国側が非常にこだわっている台湾問題で譲歩するのではないかということが懸念されていました。

しかし、この点についてアメリカ側が譲歩したのかは現時点で明らかになっていませんので、アメリカが一方的に取ったと言えるような状況なのかは今後、もう少し情報を見ていかなければなりません。

藤森祥平キャスター:
アメリカ側としては強調材料を示しているわけですが、実際はどうでしょうか。

東京大学准教授 斎藤幸平さん:
トランプ大統領としても前進が欲しいですよね。イランでは特に進展がなかったので残念かなという感じです。

経済に関しては中間選挙に向けてのアピールということでかなり気合いを入れていますよね。晩さん会も錚々たるメンバーを連れて行っているわけですから。

アメリカは結局、米国の経済が中国なしには成り立たないということをわかっているので「偉大なリーダー」なんて言ったりして親中派にならざるを得ないところがあるわけですよね。

そう考えると、米中が近づいていく中で日本だけが反中感情をずっと持っていると、このまま取り残されてしまうのではないかという危機感を持つべきなんじゃないかと思いました。

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<プロフィール>
斎藤幸平さん
東京大学准教授 専門は経済・社会思想
著書『人新世の「黙示録」』

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