駐日イラン大使に聞く米中首脳会談「“部屋の中の大人”が必要」戦闘終結に向けたアメリカとの交渉に表れる強い不信感【報道特集】

中国で行われた米中首脳会談では、世界にエネルギー危機を招いているホルムズ海峡の封鎖についても話し合われた。イランのペイマン・セアダット駐日大使はこの会談をどう見たのか?報道特集の村瀬健介キャスターが聞いた。大使は戦闘終結に向けたアメリカとの交渉には「“部屋の中の大人”が必要」と語る。“大人”とは仲介者を指す。言葉の背景にあるのはアメリカへの強い不信感だ。
【写真を見る】駐日イラン大使に聞く米中首脳会談「“部屋の中の大人”が必要」戦闘終結に向けたアメリカとの交渉に表れる強い不信感【報道特集】
駐日イラン大使「中国の役割に期待」
イラン側は今回の米中首脳会談をどう見たのか。駐日イラン大使に話を聞いた。
セアダット駐日イラン大使
「中国は非常に重要な役割を果たすことができると考えています。中国はイランにとって極めて重要な国であり、パートナーです。今回の会談の成果が、まさに今起きているあらゆる問題の進展につながることを期待しています」
イランにとって中国は最大の貿易相手国だ。
イランが輸出する原油の9割を中国が購入しているとも言われている。
村瀬キャスター
「中国には説得する力があると思いますか?」
セアダット駐日イラン大使
「もちろん、中国にはその力があります。問題はアメリカ側です。世界の誰ならば、トランプ政権に『正気を取り戻す必要がある』と納得させられるでしょうか。そこが問題です」
現在、停戦状態にあるアメリカとイランだがトランプ氏は攻撃の再開をチラつかせている。
11日には、アメリカの提案に対するイランの回答が、核兵器を持たないことを約束するものではなかったとして、こう切り捨てた。
トランプ大統領
「彼らが送ってきたゴミみたいな文書を読んだが、最後まで読む気にもならなかった。時間の無駄だ」
村瀬キャスター
「トランプ大統領はイランの回答を『ゴミ』と呼びましたね」
セアダット駐日イラン大使
「まさにそう言いました。アメリカの大統領は全く交渉する気がないということです。彼は降伏を求めているのです。ですから、文書の中に“降伏はしない”というサインを見つけたら、『最後まで読む時間がない』と言いだします。私たちは決して降伏しません。侵略戦争の最中でも、降伏しませんでした。戦場で得られなかったものを、交渉のテーブルで得ることはできません」
「アメリカへの信頼度はゼロ以下」イラン大使が語る仲介者の必要性
セアダット大使はアメリカを全く信頼していないと話し、仲介者の必要性を訴えた。
セアダット駐日イラン大使
「アメリカへの信頼度はゼロです。いや、マイナスと言ってもいいでしょう。ゼロではなく、ゼロ以下です。このような状況下では、間に入ってくれる“部屋の中の大人”が必要です。もちろん、それは仲介者を意味します。パキスタンや他の国々が、当事者をテーブルにつかせようと尽力してきました。そして中国は、アメリカに対し過剰な要求を取り下げるよう圧力をかける上で、非常に重要な役割を果たすことができる存在です」
村瀬キャスター
「中国は“部屋の中の大人”だと?」
セアダット駐日イラン大使
「はい、もちろんです」
村瀬キャスター
「アメリカ人、彼らは大人ではないと?」
セアダット駐日イラン大使
「彼らは全く大人ではありません。アメリカの現政権のこれまでの立場や主張を振り返ってみてください。大人のように振る舞っている姿などどこにも見当たりません。これが現実です。特定のレッテルを貼るような真似はしたくありませんが、誰の目にもそれは明らかです」
ホルムズ海峡の行方「戦闘再開は世界経済にさらなるダメージ」
そして日本にも深刻な影響を及ぼしているホルムズ海峡の封鎖。
14日、エネオスグループのタンカーがホルムズ海峡を通過したことがわかった。日本行きのタンカーでは2隻目だが、ペルシャ湾内にはまだ39隻の日本関係船舶が留め置かれている。
村瀬キャスター
「イラン政府がこの通過を調整したのですか?」
セアダット駐日イラン大使
「もちろんそうです。通過したのはエネオスや出光丸だけではありません。多くの国から調整を頼まれ、我々は船を通過させました」
セアダット駐日イラン大使
「現在、ホルムズ海峡の航行は『規制』されています。なぜ規制されているのか?そこが『戦場』だからです。それはイランが選択したことでも、望んだことでもありません。アメリカ人がホルムズ海峡を戦場へと変えてしまったのです。
最も差し迫った課題は、世界経済と国際的なエネルギーの流通を、正常な状態へと戻すことです。どのようにして戻せるのでしょうか?戦争で?戦闘の再開によって、それが可能になるのでしょうか?
いいえ、不可能です。もしアメリカ人とその仲間たちが武力で解決しようとするならば、彼らは世界経済とエネルギーの流通に、さらなるダメージを負わせることになるでしょう」