声を整えれば、働き方も変わる!ハリウッド仕込みの“ボイス・ウェルビーイング”に注目

2026-05-18 19:10

メールやチャットが主流になり、以前より“声を使わない働き方”が当たり前になった。便利になった一方で、呼吸が浅くなる、対面でうまく伝わらない、ストレスをうまく外に出せない――そんな不調を感じている人も少なくない。
こうした現代人ならではの悩みを、「声」からのアプローチで解決へと導く専門家がいる。そこで今回は、声の力で心身と仕事のパフォーマンスを整える独自メソッドを展開する、Rainbow Voice株式会社代表の金丸明日香さんに話を聞いた。

発声は、声だけでなく呼吸・身体・脳・メンタルを整える

金丸さんが展開するのは、単なる発声や歌唱指導ではなく、“声・呼吸・身体・脳・メンタルを統合的に整えるプログラム”だ。ハリウッドでマイケル・ジャクソンのボイストレーナーに師事した経験と、シンガーとしての実体験をもとに、発声を「全身を使った能動的なメンタルケア」として体系化してきたという。発声や歌唱は、呼吸・筋肉・神経・感情を同時に動かす全身的な運動であり、自律神経のバランスやストレスケア、集中力やコミュニケーションの質の向上にもつながる可能性があると金丸さんは語る。

“声を使わない働き方”が、現代人の不調につながっている

金丸さんが今、社会課題として強く意識しているのが、従業員の休職や離職だ。チャットやメール中心の働き方では、呼吸が浅くなり、声帯を使う機会が減り、ストレスを外に出しにくい状態が生まれやすいという。そこで注目しているのが、「声を使ったコンディショニング」。呼吸と発声を整えることで、自律神経、免疫力、ホルモンバランスに働きかけ、心身の状態を整えることが期待されるとしている。さらに、舌や口腔を積極的に動かす発声トレーニングは、脳への刺激となり、認知機能の活性化やメンタルの安定にもつながる可能性があるという。

ハリウッド経験から生まれた「ビジネス×ボイストレーニング」

金丸さんのミッションは、「あなた本来の声である“聞き惚れボイス®︎”を引き出す」こと。ハリウッドでは「話すように歌う(Speech Level Singing)」を学んだが、日本で起業し、経営者や講師、政治家など多くの人の声を見ていくなかで、「人前で話すときこそ“歌うように話す”ことが大切だ」と実感したという。きれいに話すだけならAIでもできる時代だからこそ、「自分本来の声であること」「最初の0.5秒で相手の心をつかむこと」が、ビジネスの現場でも重要になるという考えだ。

声が変わると、成果も行動も変わっていく

実際に金丸さんの指導を受けた人たちからは、さまざまな変化が報告されている。たとえば、4か月でセミナー依頼が3倍に増えた講師、3か月で昇進した金融業界勤務の人、5か月で120分の1の中途面接を突破した会社員などの例があるという。さらに、対人関係に悩んでいた公務員が、ボイストレーニングを始めてから自律神経が整い、出勤の負担感が軽くなったケースや、不登校だった高校生が学校生活とアルバイトに復帰した事例もあったそうだ。金丸さんは、声を出すトレーニングは受動的なケアではなく、自ら行動を起こす“能動的なセルフコンディショニング”であり、その積み重ねが仕事や人生の行動力を変えていくと話す。

いま特に注力しているのは、企業向けの実践セミナー

現在、金丸さんが特に力を入れているのは、「企業の休職・離職を防ぐ『ボイス・ウェルビーイング』実践セミナー/研修」と、「声で人を魅了し、仕事の成果を上げるボイトレ実践セミナー/研修」だ。声を整えることで、伝わり方が変わり、人間関係が変わり、結果として組織の生産性や創造性まで変わっていく――そんな変化を、企業の現場に根づかせたいと考えているという。

目指すのは、「仕事をしていて、むしろ整っていく」社会

金丸さんは、「仕事をすることがストレスである、という前提そのものに違和感がある」と語る。本来、仕事や会社は、自分の力を発揮し、やりがいを感じられる場であるはず。無理をして頑張るのではなく、自然体で力を発揮できる状態をつくる鍵が“声”にあると見る。将来的には、ボイストレーニングを特別な人のためのものではなく、企業のウェルビーイング施策の一つとして日常的に取り入れられる文化にしていきたい考えだ。「身体を鍛えるように、声を整える」。そんな習慣が根づけば、働く人と組織の未来はもっと変わっていくのかもしれない。

【取材協力】
金丸明日香
Rainbow Voice株式会社 代表取締役/BRAND VOICE代表。ハリウッドでマイケル・ジャクソンのボイストレーナーに師事し、独自メソッドを確立。経営者や政治家への指導、日本各地の商工会議所、ラグジュアリーブランド等でのセミナー実績を持つ。著書に『人生が変わる!! 本当に「いい声」になる方法』(小学館)。
http://kanemaruasuka.com/

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