猫の『毛柄』が多種多様な理由3選 模様が決まる仕組みや遺伝の秘密も解説

2026-06-13 20:00

同じ猫でも、茶トラやサビ、三毛、白黒のハチワレなど毛柄は実にさまざまです。親子や兄弟であっても違う毛柄のケースも珍しくありません。ネクタイをしたような猫や、半分ずつキレイに色が分かれている毛柄など、すべては遺伝子や色素細胞の働きによって作られているのです。今回の記事では、いろいろ違う「猫の色」について、思わず誰かに話したくなる豆知識とともにわかりやすく解説します。

猫の毛柄が多種多様な理由3選

たくさんの猫

猫の毛柄はとても種類が多く複雑に見えますが、実は小さな違いの組み合わせによって生まれています。

ここからは、猫の毛柄に多くのバリエーションが存在する理由について見ていきましょう。

1.2色の色素と濃淡で多彩に

さまざまな色に見える猫の毛色ですが、もとになっているメラニン色素は、黒色と赤茶色のたった2種類しかありません。

この2つの色素の組み合わせに加え、色素の濃さを決める遺伝子の働きによって、多様な毛色が生まれるのです。

色素はまるで絵の具のように、黒色が薄まることでグレーになり、赤茶色の色素が薄まることでクリーム色へと変化します。こうした色素の濃さや入り方の違いによって、さまざまな毛色が作られているのです。

2.遺伝子の配置で模様を描く

猫の毛柄は、シマシマやブチ、うずまき模様などさまざま。シマ模様の猫の毛をよく見ると、根元から毛先に向かって色の濃淡があるのに気づきます。毛の1本1本の色合いを決める遺伝子や、体のどこに柄を出すかを決める遺伝子によって、模様の出方が変わるのです。

また、猫の白い毛の色は、胎児のときに毛の色素が届かなかった部分です。お腹や手足が白くなるのは、体ができる過程で色素の広がりにムラができやすい部分だからなのです。ただし、色素が入っていても光の加減で白っぽく見えるケースもあります。

3.多彩な毛柄は人が保護したから

農耕開始以降、人間の周囲で暮らすようになった猫は、保護色でない毛柄でも捕食される危険が下がり、一定数が生き残れるようになったと考えられます。

日本では、弥生時代に中国大陸からきた交易船の猫が持ち込まれたと考えられています。「ネズミ対策」という実用品としての猫は、特に毛柄を選別することなく、すでに多彩な毛柄がそろっていた可能性があります。

日本で繁殖した猫たちは、特に繁殖管理をされることなく人里で暮らし、多様な遺伝子がそのまま残され続けたのです。

猫の毛柄が決まる遺伝の秘密

正面を向いた三毛猫

イエネコの祖先であるリビアヤマネコの毛柄はキジトラ。現在の猫たちに見られる多彩な毛柄も、すべてこのキジトラの突然変異によって生まれてきました。

猫の毛柄は、同じ親から生まれた兄弟でも、茶トラになったり黒猫になったりすることがあります。父猫と母猫から受け継いだ遺伝子の組み合わせがそれぞれ違ってくるためです。

たまに黒猫の両親から白い部分を持つ子猫が生まれる場合や、白猫の家系から色の濃い毛柄が現れる場合もありますが、毛柄を決める遺伝子は代々受け継がれていて、ある世代で突然ポッと現れることもあるのです。

遺伝の中でも、三毛猫とサビ猫は特別です。どちらも親から茶色と黒色、両方の毛色遺伝子を受け継ぐことで生まれ、白毛が入らなければサビ猫に、白毛が入れば三毛猫になります。

では、なぜ有色の両親から、必ず三毛やサビが生まれるわけではないのかというと、「純粋な茶色の色素」が必要だからです。見た目が茶色っぽく見えるキジトラも、遺伝子的には黒に分類されます。そのため、茶色の遺伝子を持つ猫との出会いが三毛やサビを作ると言っても過言ではないのです。

ちなみにオスは茶色か黒色のどちらか1つしか遺伝子を持たないため、三毛猫やサビ猫にはなれないのです。逆にオスは茶色の遺伝子が1つでも茶トラになれますが、メスは2つ揃わないと発現しないため、メスの茶トラは少なめなのです。

まとめ

チョウにじゃれる猫3匹

私たちがふだん目にする猫の毛柄は、長い時間の中で形成されてきた遺伝の積み重ねによるものです。純血種では、特定の毛色や模様を、猫種の特徴として選んできた一方、外で暮らす野良猫たちには今もさまざまな毛柄が受け継がれているのです。

遺伝子や染色体と聞くと難しそうに思えますが、毛柄や遺伝の仕組みを知ることで、何色の猫と何色の猫からこの猫が生まれたのかがわかり、どの猫を見てもよりいっそう貴重で唯一無二の存在だと感じるのではないでしょうか。

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