トランプ氏への「気遣い」目立つG7サミット“接待外交” “おもてなし”の背景にウクライナ戦争 開始から半世紀大きな転換期迎えるサミット 【サンデーモーニング・風をよむ】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-06-21 15:38
トランプ氏への「気遣い」目立つG7サミット“接待外交” “おもてなし”の背景にウクライナ戦争 開始から半世紀大きな転換期迎えるサミット 【サンデーモーニング・風をよむ】

17日、3日間の日程を終えて閉幕したG7サミット。今回目立ったのは、トランプ大統領への徹底した“気遣い”でした。背景には何があるのでしょうか。

【写真で見る】“接待外交” G7サミットの様子 サッカー代表ユニフォームをプレゼントも

トランプ氏へ「気遣い」目立ったG7サミット

トランプ大統領が80歳の誕生日を迎えた14日。ホワイトハウスで行われたのは、総合格闘技のイベント。

陸軍の音楽隊によるロックが演奏される中、戦闘機が編隊飛行。トランプ氏好みの派手な演出に本人は終始、ご満悦です。

この誕生日イベントのために、開催を1日遅らせることになったのが、フランス・エビアンで行われたG7サミット。15日、主要7か国首脳が集まりました。

1対1のディールを重視するトランプ氏は、こうした首脳会議が気に入らないのか、2025年のサミットは途中で帰国。今回も初日から、議長国フランスのマクロン大統領との会談は仏頂面。

イラン攻撃の開始当初、アメリカが呼びかけたホルムズ海峡への軍の派遣を、フランスが断ったこともあり...

ーー海峡再開にフランスが…

トランプ大統領
「支援は不要だ。海峡再開で合意している」

そうしたトランプ大統領に対し、3日間の会期中、とにかく目立ったのが、各国首脳が見せた“気遣い”です。

ドイツのメルツ首相は、サッカー代表のユニフォームをプレゼント。

そして、マクロン大統領は、トランプ大統領だけをベルサイユ宮殿の夕食会に招待。

トランプ大統領(17日)
「ベルサイユ宮殿にはたくさんの 『金』がある。見てみたい。たぶん世界一美しい宮殿だろう」

さらに最終日に出した声明でも、イランとの戦闘終結に向けた合意は「『トランプ氏の強い指導力』によってもたらされた」と持ち上げたのです。

結局、トランプ氏が嫌う「自由貿易」や「法の支配」などの議題は扱われず、レアアースやAIなど、合意を得やすい問題のみ議論。包括的な「首脳宣言」は、2年連続で見送られました。

開始から半世紀 サミットに“転機” 「接待外交」は必要…?

あたかもトランプ大統領の「おもてなしの場」となった今回のG7サミット。開始から半世紀、サミットは大きな転機を迎えています。

1975年、フランスで開かれた第1回サミット(先進国首脳会議)。オイルショックを受け、当時の主要な消費国が、協調を図る目的で集まったのです。

その後、経済問題に限らず、サミットでまとめられる「首脳宣言」は、世界的なルール作りに影響力を発揮しました。

2014年のサミットでは、ロシアによるクリミア半島併合を非難し、ロシアへの経済制裁に踏み切る国際包囲網の形成につながります。

またその2015年のサミットでは、温室効果ガスの削減目標を提示し「パリ協定」採択への道を拓きました。ところが...

トランプ大統領(2018年)
「鉄鋼業は25%、アルミニウムは10%(関税を課す)」

2018年、自由貿易を揺るがす、一方的な関税政策に踏み切った第1次トランプ政権。この年のG7サミットでは...

眼光鋭く詰め寄る、当時のドイツ・メルケル首相。トランプ氏の政策を批判し、首脳宣言に「自由で公正な貿易を維持する」との文言を盛り込みました。

ところが閉幕直後、トランプ氏は、SNSでその合意撤回を表明するという異例の事態に。

こうしたトランプ氏を前に、今回のサミットは、その顔色を窺う場に変わったと、専門家はいいます。

慶応大学(国際安全保障)  鶴岡路人教授
「メルケル首相(当時)のように、トランプ大統領に説教するような姿勢があった。ただそれが逆効果であるということがヨーロッパでも知れ渡ったのが、第2次トランプ政権の状況」
「日本もヨーロッパも『盛大な接待外交』をやっている。現実の政治外交を考えた場合に、(接待外交が)必要であるというリアリズムもある」

「接待外交」の背景にウクライナ戦争 今後のG7サミットの役割は

実際、ヨーロッパ各国が、トランプ氏を“接待”したのには訳がありました。

今回、サミットでヨーロッパ各国が、トランプ氏への“おもてなし”に注力した背景にあるのが、5年目に入ったウクライナ戦争です。

世界遺産であるキーウの修道院が炎上した日、エビアンに到着したゼレンスキー大統領は、マクロン大統領の仲介でトランプ大統領と個別会談。アメリカに支援の要請を行いました。

その結果、ウクライナ支援やロシアへの圧力を強化することに、トランプ大統領も合意しました。

トランプ大統領
「(ゼレンスキー大統領と)良い会談をした。ロシアは和平合意すべきだ」

中国などの台頭で影響力が低下する中、それでもサミットの意義はあると、鶴岡教授は言います。

慶応大学(国際安全保障)  鶴岡路人教授
「G7の相対的な重要性が低下していくトレンドにあること自体は否定できない。首脳が直接対面で会って話をするG7が『場』として果たす役割は改めて示された」
「G7に代わるものは結局できなかったのが、ここ数十年の現実。首脳同士が相当深い、自由な議論をするというのがG7」
「必ず毎年何か新しい合意を積み上げていく、これ自体やはり非常に重要なこと」

混迷を深める今の世界で、G7サミットはどんな役割を果たすのでしょうか。

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