【消費税減税】月内とりまとめ断念「消費税1%」の行方は? 終盤国会が空転…議員定数削減や“中傷動画”答弁めぐり野党側が反発【news23】
国会の会期末まで残り3週間と迫るなか、野党が強く反発しています。そうしたなか、高市総理肝いりの「消費税減税」について、自民党が目標としていた今月中の議論のとりまとめを断念することがわかりました。
【CGでみる】成立を目指している4つの法案(会期末は7月17日)
空席目立つ国会 高市政権の“強硬姿勢”に野党が反発
国会の会期末まで3週間を切るなか、高市政権の“強硬な姿勢”が際立っています。
政治改革特別委 美延映夫 委員長
「これより会議を開きます」
国会で目立った多数の空席。野党がそろって欠席する異例の事態となりました。
問題となっているのは…
高市総理(6月22日)
「定数削減法案と副首都法案は、いずれも連立合意をする際のセンターピンと位置づけられている」
自民党が日本維新の会との連立の際に合意した、衆議院議員の定数削減に関する法案。
与野党の協議会で1年以内に結論が得られない場合、「比例代表の定数を45削減する」とする内容で、野党側は猛反発していました。しかし…
政治改革特別委 美延映夫 委員長
「所属委員の出席が得られません。やむを得ず議事を進めます」
与党側は野党不在のまま法案の審議入りを強行したのです。
自民党 梶山弘志 国対委員長
「丁寧に呼びかけた上で、出てきていただきたいという話を続けるということだと思います」
午後5時ごろ、野党の幹部らが対応を協議。
中道改革連合 重徳和彦 国対委員長
「私たちとしては、断固としてこれを許さないという立場で一致した」
立憲民主党 斎藤嘉隆 参院国対委員長
「すべての野党が今の政権与党による国会の運び、この運営に非常に危機感を持っている」
野党側が対決姿勢を強めるのはほかにも…
「代わりに陳述書を…」野党側が対決姿勢を強めた“中傷動画”めぐる答弁
高市総理(22日)
「ですから、私は衆議院でもお願い申し上げましたが、近日中に奈良の秘書の陳述書と…」
立憲民主党 杉尾秀哉 参院議員(22日)
「自分で答えないというのは、あまりにも不誠実じゃないですか」
高市氏の秘書が関与したかどうか追及が続く自民党総裁選などでの中傷動画をめぐる答弁です。
説明責任が問われるなか高市氏は6月22日、「自らの答弁の代わりに秘書の陳述書を提出する」と答え、批判が噴出。
高市総理(26日)
「あらかじめ陳述書を提出して、質疑者にも国民の皆様にも全体像を読んでいただくことで理解が深まると考えた」
「国会での質問に対応しない趣旨ではない」と釈明したものの、野党側が対決姿勢を強める結果に。
今の国会で成立を目指す「議員定数の削減」のほか、「副首都構想」「国旗損壊罪」「皇室典範改正」といった法案の審議への影響が懸念されています。
そして、総理肝いりの政策にも暗雲が…
消費税減税の月内とりまとめ断念「1%へ引き下げ」の行方は?
高市総理(26年1月・『news23』党首討論より)
「自民党は『(消費税減税は)食料品に限り、2年に限り、特例公債に頼らない』、これを明確に打ち出しています」
衆議院選挙の公約に掲げた「食料品の消費税減税」。
超党派の国民会議では、2027年4月から2年間、食料品の消費税率を1%に引き下げ、さらに中低所得者に1%相当分を給付して、税率を「実質ゼロ」とする案が検討されています。
しかし、財源の確保が課題となっていて、小渕優子元選対委員長が自民党の税制調査会の幹部職を辞任する意向を伝えるなど、与野党から異論が相次いでいます。
そうしたなか、国民会議の実務者会議で自民党が目標としていた、6月中のとりまとめを断念することが、新たにわかりました。
国会終盤、高市政権に逆風が吹き荒れています。
消費税減税を阻む“2つのハードル” 与党の強硬姿勢に野党反発
藤森祥平キャスター:
消費税減税に関する6月中の中間とりまとめって、ずっと早い段階から言っていましたけど、雲行きが怪しくなってきました。「与野党の対立激化」と「党内からの反旗」と、ハードルが2つあるんです。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
まず、「与野党の対立激化」です。非常に厳しい4つの法案(「国旗損壊罪」、「議員定数削減」、「副首都構想」、「皇室典範改正」)があります。特に「議員定数削減」については、かなり乱暴な、比例だけをいずれ減らすということなので、野党側が特に反発しています。
自民党は、「皇室典範の改正」を最優先にしようとしていますが、これは後で出すということになっているので、全体として日程感が見えなくなっています。
自民党内からも反発の声…小渕優子議員は税調要職辞任の意向
小川彩佳キャスター:
そして2つ目のハードルが、「党内からの反旗」です。小渕優子議員が、税制のあり方をまとめる党の幹部職を辞任する意向を伝えたと。
星浩さん:
自民党の中からもいくつか批判の声が出始めました。一つは、消費税減税について「実行されてから2年後には元に戻す」と高市総理は明言しているんですけど、本当に戻せるのかと。1回8%から、例えば1%に下げた場合、2年後には大増税ということになります。
もう一つは、年末にアメリカからの要求を受けて防衛費を今のGDP2%から3%に増やそうとすると、5~6兆円の財源が必要になります。そうすると、11月ぐらいに消費税を減税して、年末には防衛増税をするという、減税と増税が繰り返されることになって、「あまりにも政策としてチグハグじゃないか」というような声が自民党の中から出ています。
小渕議員が税調の要職を退くことに連動して自民党の中では、財政再建を大事にしようと、とりわけ市場との対話、長期金利とか円安との対話を重視しようという議員連盟が立ち上がるという動きもあり、やや政局的に高市総理に対する反旗を翻す動きが出てきています。
藤森キャスター:
批判するんだったら、総選挙の頃やそれ以降も時間はあったはずですよね。
星浩さん:
一つは、先ほど申し上げた増税と減税のチグハグさもありますけど、高市総理自身が、例の中傷動画問題に対して「陳述書を出します」と言ったけれども、これは当然のごとくあまりにも評判が悪い。それによって政権の体力がじわじわ落ちているので、自民党の中からも不満が表面化しつつあるということです。
重要法案を抱えながら、「消費税減税」という非常に大きな課題に取り組むわけですから、体力が落ちている。本当は会期を延長してこういう問題に取り組むこともアリなんですけど、高市総理は中傷動画問題があるので、批判を受けたくないということで、会期末には国会を閉じたいという意味では弱気の姿勢です。その辺も、自民党の中で高市さんの足元が見透かされているというところはあります。
小川キャスター:
かなり厳しい歩みになってきているということですね。ただ、こうしている間にも物価高は歩みを止めていないですから、その対策が後手に回ることだけは避けていただきたい。
星浩さん:
政策への対応が一番大事なはずなんですけどね。
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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
政治記者歴30年 福島県出身