茂木外務大臣、南シナ海における中国の主張は「国際社会の法の支配損なう」 仲裁判断から10年で談話を発表

オランダ・ハーグの仲裁裁判所が南シナ海における中国の主権を否定する判決を出してから10年を迎えたことを受け、茂木外務大臣は「判断は最終的なものであり、従う必要がある」との談話を発表しました。
南シナ海の領有権をめぐっては、フィリピンと対立する中国が「九段線」と呼ばれる独自の境界線をもとに主権を主張していますが、2016年、国連海洋法条約に基づく仲裁裁判で「法的根拠がない」として否定されました。
この判断から12日で10年を迎えることを受け、茂木外務大臣は談話を発表しました。
談話では「仲裁判断は最終的なもので、紛争当事国であるフィリピンと中国を法的に拘束するものである」としたうえで、「両国は仲裁判断に従う必要がある」と強調しています。
また、フィリピン政府について「平和的解決にコミットメントを示している」と評価した一方、判断を受け入れない中国の主張は「国際社会における法の支配を損なうものだ」と批判。
そのうえで「南シナ海では10年にわたり、地域の平和と安定を脅かす力や威圧による一方的な現状変更の試みが継続、強化されている」と懸念を表明し、「日本はこうした試みに強く反対する」と強調しました。
日本政府はアメリカやイギリス、オーストラリア、フィリピンなど13の国とともに「2016年の仲裁判断を遵守し、国際法に従って平和的な解決を強く求める」とする共同声明も発表しています。
一方、茂木外務大臣の談話に対し、中国外務省の報道官は「強い遺憾と断固とした反対を表明する」との談話を発表しました。
このなかで「日本は南シナ海の当事国ではなく、南シナ海における中国の領土主権と海洋権益について、とやかく言う資格など一切ない」としたうえで、「日本が関心を持っているのは国際法の支配などではなく、地域の安定を攪乱しようとするたくらみに他ならない」と主張。日本からフィリピンへの防衛装備品の輸出についても「自衛の範疇を超えている」と非難しました。
中国外務省は14か国が発表した共同声明についても反論。「『南シナ海仲裁裁判』は国際法の基本原則に反する」として、「裁定は違法・無効かつ法的拘束力を持たない、ただの紙くずに過ぎない」と主張しています。
また、中国外務省の劉勁松アジア局長は12日、北京にある日本大使館の横地晃首席公使を呼び出し、茂木外務大臣の談話と共同声明について「強い不満」を表明し、厳正に抗議したということです。
日本大使館によりますと、横地首席公使はこれに対し、日本政府の立場を説明したうえで反論し、中国による輸出管理措置について適切な対応を強く求めました。
さらに、東京にある中国大使館の施泳公使も13日、外務省の金井アジア大洋州局長に対し、「強烈な抗議」を伝えたということです。
中国側は「仲裁判断に基づいた、いかなる主張や行動にも反対する」と主張。そのうえで、「中国は日本の挑発に対し、断固として力強く反撃し、自国の領土・主権を守る」と日本側をけん制しました。