「玉音放送を聞いたときは?」101歳のシベリア抑留体験者と98歳の元少年飛行兵が若者の質問に答え訴えた言葉 TBS DOCS舞台『パイロット』学生向け上映会

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-07-21 14:06
「玉音放送を聞いたときは?」101歳のシベリア抑留体験者と98歳の元少年飛行兵が若者の質問に答え訴えた言葉 TBS DOCS舞台『パイロット』学生向け上映会

学生向け舞台「パイロット」上映会

7月20日(月)、東京・浅草で開催されたのはTBS DOCSの舞台「PILOT(パイロット)」(脚本:津村有紀 演出:寺本晃輔)の学生向けの上映会。特攻隊員の目線で平和をテーマに大戦中と現代の日本の対比を描いた舞台作品です。

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会場には夏休みに入ったばかりの小学生から大学生、およそ80人が訪れて鑑賞し、上映後のアフタートークでは劇中で映像が使用された2人の戦争経験者が登壇し質問に答えました。

上映会のアフタートークに戦争体験者2人が登壇

 上映後に登壇した1人は、特攻に強く志願しながら出撃を言い渡された翌日に終戦を迎えて生き残った元少年兵の上野辰熊(うえの・たつくま)さん(98)。

もう1人は、厳しい極寒のシベリア抑留を戦後に経験した西倉勝(にしくら・まさる)さん(101)です。

「玉音放送を聞いた時は?」学生からの質問に2人の答えは…

2人の自己紹介のあと、会場の学生からは、「玉音放送を聞いたとき、一番最初に思ったことは何ですか?」という質問も出ました。

終戦当時、朝鮮半島北部の山中でソ連との国境付近にいた西倉さんは、「放送は聞いていません」と答えた上で、終戦を知ったのは8月18日頃だと話しました。

西倉さん
「これからウラジオストクに上陸だということで山を下りていったら『日本が負けた』と。ショックを受けました。さあ、どうなるか。自決しようかなという心持ちにもなりました。日本はこれからどうなるのか、と山の中でも思いました」

その日に特攻隊員としてまさに出撃するはずだった上野さんは、玉音放送を聞いたものの、「雑音が多くてよく聞こえなかった」と言います。

上野さん
「(放送で)激励されたのか、それとも(戦争が)終わったのか、みんな不思議がっていましたけど、しばらくして上官から『終わった』と言われました。それまで死ぬ気でいたもんですから、頭が真っ白になりました。解散して家に帰るときに『命は助かったんだ』と、その頃になって初めて感じました」

戦争を知る“最後の語り部”たちへ学生たちからの質問

2人は、いわば戦争を知る“最後の語り部”たち。貴重な機会に学生たちからは多くの質問が出ました。

「家に帰ったとき、一番、最初にしたいと思ったことは何ですか?」、「これからの世代に伝えていきたいことはありますか?」、「戦争が終わって社会に馴染むまでにどれくらいの時間がかかり、何に一番苦労しましたか?」…。その一つ一つに2人は丁寧に答えていきました。

“最後の語り部”たちから若者へのメッセージ

最後に2人から若者たちへ強く訴えかけるメッセージが。

西倉さん
「平和に勝る財産はありません。戦争だけは絶対に起こしてはならないし、それに巻き込まれても絶対にダメだということを重ねて申し上げます。健康で日本を背負ってください」

上野さん
「復員したとき、とにかく食べ物がありませんでした。配給はありましたが、3~4年たって初めて普通に食べられるようになりました。とにかく戦争をやれば工業・農業、全てが疲弊して国が立っていきません。とにかくどこであれ、戦争だけはやってもらいたくありません」

TBS DOCSの舞台「パイロット」と2人が登壇したトークイベントの模様は、通常の『解放区』を拡大して、8月16日(日)深夜1:28~3:58に放送されます。(関東ローカル)

【登壇者のプロフィール】

<上野 辰熊(うえの たつくま)さん>
1928(昭和3)年3月、山口県生まれ。
1943(昭和18)年10月、陸軍少年飛行兵として大刀洗陸軍飛行学校に入校、基礎訓練。
1944(昭和19)年4月、正式に任官し、京城教育隊へ配属。「赤トンボ」による飛行訓練。
1944(昭和19)年8月、九九式襲撃機の搭乗員となり、訓練や特攻機輸送などに従事する。
1945(昭和20)年5月、鹿児島県の万世飛行場で沖縄航空作戦中の飛行第66戦隊に転属。沖縄戦が終結したため7月に福岡県の大刀洗北飛行場へ転属。本土防衛への出撃に備える。8月、終戦を迎える。終戦後、部隊は解散し、山口県の叔父の家で生活を送る。          

<西倉 勝( にしくら まさる)さん>
1925( 大正14) 年5月、新潟県生まれ。
1945( 昭和20)年1月に入営、朝鮮半島北部とソ連との国境付近に配属される。
終戦後、ソ連軍により武装解除され、コムソモリスクで抑留生活を送る。抑留中、土木工事、製材工場、伐採作業、住宅建設、農作業等、様々な労働に従事。
1948( 昭和23) 年7月、ナホトカから京都府の舞鶴港に復員。

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