高市カラー鮮明「骨太の方針」で暮らしは変わる?積極財政も「信頼」得られるか?【Nスタ解説】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-07-22 21:04

高市総理肝いりの「骨太の方針」についてです。国のお金の流れを決めるこの方針で、わたしたちの暮らしはどのように変わるのでしょうか?

【写真で見る】成長戦略“17分野”に巨額投資 「家事支援ロボット」や「再生医療」など

高市カラー鮮明「骨太の方針」

高柳光希キャスター:
高市総理が「寝る間も惜しんで」分厚い資料を読み続けた末に出来上がったという、経済財政運営の基本方針、いわゆる「骨太の方針」。

「骨太の方針」は、“政策の羅針盤”とも言われていて、国がどんなことに、重点的に人・金をかけるのかが分かるというものです。

経済アナリスト 馬渕磨理子さん:
「骨太の方針」は、どのようなところにお金を使っていくかという国の方針書です。

今回の「骨太の方針」は、様々な分野へ投資をするとしています。そうなると株式市場にも影響が及びますので、例えば投資によって株価が上がった企業は、業績が良くなり、ボーナスや給料がUPするので、就職活動をしている学生さんは、「骨太の方針」の内容を知ることが、とても重要な判断材料になると思います。

総理肝いりの成長戦略“17分野”に巨額投資

高柳キャスター:
高市政権が特に力を入れているという「成長戦略」。

その中でも今後、収益を拡大したい分野として、▼AI・半導体 ▼再生医療(iPS細胞)▼家事支援ロボット ▼陸上養殖など、“17の分野(62の主要な製品・技術)”が選ばれました。投資額は官民あわせて2040年度までに370兆円超になるということです。

TBS報道局経済部 古市啓一朗記者:
「成長戦略」は、日本経済の低成長が続く中、高市総理の肝いりで「国内に投資を呼び戻そう」という狙いでつくられたものです。

高柳キャスター:
なぜ投資に舵を切って進めていくことになったのでしょうか。

TBS報道局経済部 古市啓一朗記者:
まず念頭にあるのは、高市総理がかねてから主張している「強い経済」の実現です。

政府が投資をし、これをチャンスと見た民間企業も投資をする。その投資が成功すれば、投資した企業の株価が上がります。その結果、投資した企業や、その企業に関わった企業まで広く賃上げに繋がっていきます。

高市総理 肝いりの「成長戦略」は、経済成長が実現し、国の税収が増え、借金も減っていくのではないかという、バラ色の設計図なのです。

経済アナリスト 馬渕磨理子さん:
2025年までの「骨太の方針」には、「財政健全化」という文言がたくさんありましたが、今回はこの文言がなくなりました。

今回の「骨太の方針」は、巨額の投資をしていくとしていますが、うまくこれが循環していけばいいなと思います。

一方で、本当に使ったお金がきちんと国内の設備投資に回り、生産性が高まり、さらに賃金が上昇し、税収が伸びていくのかという検証はするべきです。

その結果として債務残高の対GDP比も下がっているのか、数字をしっかり確認していきながら進めていくことが、この先のやるべきことだと思います。

「骨太の方針」財源は?海外との競争に勝てる?

高柳キャスター:
今回の「骨太の方針」は、高市総理の狙い通りに進むのでしょうか。

例えば、高市政権が特に力を入れている「成長戦略」。投資額は官民あわせて2040年度までに370兆円超になるということですが、そのお金はどこから持ってくるのか。また、海外との競争に勝てるのか、人材の確保はできるのかといった課題があると思います。

TBS報道局経済部 古市啓一朗記者:
【投資に使う財源の確保について】
現状、政府と民間の負担の割合などは明らかになってはいません。

政府は「つなぎ国債」の発行、つまり将来見込まれる収入を返済の原資として、投資に充てるとしていますが、借金を増やすことに変わりはありません。

また、今回の「骨太方針」に盛り込まれた「消費減税」についても、財源がまだ明確ではないので、民間も、どこまで投資ができるのか様子見をしている状況です。

要は戦略を実行できるだけの予算・財源を確保できるのか、まだまだ不透明であるのが実態です。

【海外との競争に勝てるのか】
今回、政府は収益を拡大したい分野として“17の分野”を選びましたが、すでにアメリカ、中国をはじめ、海外で競争が激化している分野がたくさんあります。

そんな中で、日本はどの分野で勝っているのか、勝ち筋があるのかを見極めることがポイントです。

今回は、投資がうまくいくことが成長戦略の前提になっているので、この投資の進捗をきちんと管理していくことも重要になってくると思います。

積極財政も「信頼」得られるか

高柳キャスター:
今回の「骨太の方針」は少しカルシウム不足のように見えます。悲観的なシナリオとして、民間企業が成長投資に乗らない選択も考えられます。そうなると、市場では円や国債を売る動きが加速し、その結果、財政悪化、家計の負担増に繋がってしまうかもしれません。

TBS報道局経済部 古市啓一朗記者:
税収が増えず、その結果、財政が悪化するリスクや、円安進行でインフレとなり、物価が上がることで家計の負担が増していくおそれもあります。

円安や金利上昇のリスクは政権のアキレス腱です。成長戦略を実行するためには、一定程度、財政を拡大していくのは必要ですが、どう拡大するか。

もう、政府だけでは決められない現実があることを受け止めて、方向修正していく必要があると思います。

井上貴博キャスター:
経済成長は絶対的に重要だと思いますが、マーケットは円安や、責任ある積極財政をどう見ているのでしょうか。

経済アナリスト 馬渕磨理子さん:
今回の「骨太の方針」について、政府は日銀の自主性を尊重する姿勢を盛り込むことを追加しました。これは、マーケットと対話しながら、微修正したのだろうという認識があります。

日本経済が長年続いたデフレ型の財政運営から一歩前に進もうとしているということは評価できますし、加えてこの先、これがきちんと運営できるかどうかみていくことが求められていくと思います。

円の適正水準は、業界や立場によって様々ですが、急速に進むことが望ましくないので、急速な変動は抑えるという対策は必要だと思います。

==========
<プロフィール>
古市啓一朗
TBS報道局経済部 民間キャップ
高市政権の成長戦略や経済界を取材

馬渕磨理子さん
経済アナリスト
日本金融経済研究所代表理事
“日本一バズる”アナリスト
様々なお金の話をわかりやすく解説

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