“歴史的な円安”続く…1ドル=163円台に 生活への影響は? 年末には何円に? 170円で試算すると支出は…【Nスタ解説】
終わりの見えない円安は、私たちの生活にどのような影響を及ぼすのか、また円の価格は今後どうなるのでしょうか。
【写真を見る】メリット・デメリットで見る「円安で何が問題?」
円安とまらず 約40年ぶりの円安水準
井上貴博キャスター:
21日の外国為替市場で円売りが進み、円相場は一時、1ドル=163円台をつけました。プラザ合意後に急速に円高が進んだ1986年12月以来、約40年ぶりの円安水準です。
プラザ合意によって急激な円高となった円相場。その後、2012年2月2日には1ドル=76.11円まで円高が進みましたが、同年末、当時の安倍政権が掲げた経済政策「アベノミクス」への期待から急速に円安方向に進み、その後14年間で、円の価値は半分になりました。
半年間で急速に進む円安 生活への影響は?
円安水準は、この半年で急速に進んでいます。
▼7月21日:163円台
▼6月30日:162円台に突入
▼2025年12月31日:156円台
円安にはメリットとデメリットがあり、それぞれに与える影響は様々なものがあります。
【円安だと何が問題? 】
<メリット>
・輸出増で輸出関連企業などが儲かる
・海外からの観光客が増え、観光収入もUP
<デメリット>
・輸入品が高くなる
・海外旅行も高くなる
生活に関わるところで言うと、輸入の牛肉や豚肉が最高値をつけているんです。
<牛肉(ロース)>
平均価格:451円(100グラムあたり)
平年より30%UP
<豚肉(ロース)>
平均価格:287円(100グラムあたり)
平年より8%UP
(※農水省によると)
政府は円安についてどう捉えているのでしょうか。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
今の円安は日米の金利差に加え、高市政権肝いりの政策「成長戦略」で、370兆円以上の巨額投資など、財政出動を活発に行おうとしているので、その結果、どうしてもお金が増えてくる。経済の原則から言うと、円が増えれば価値が下がって円安になるわけです。
そういう意味では、高市政策を続けている限り、円安はもう止まらないでしょう。
そんな中、日本は食料の6割以上を輸入に依存しています。円安でダメージを受けるのは庶民です。この構図は変わりようがない状況なんです。
なぜ 有事の“円売り”に?
出水麻衣キャスター:
2008年に発生したリーマン・ショックなど、有事の際は“円買い”の動きがありましたが、今は“円売り”に動くようになりました。なぜでしょうか。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
アメリカがGAFAを含め、どんどん生産性が上がった結果、アメリカ経済が非常にスリム化し、高精度の経済になっています。しかし日本をみると、そういう意味ではキャッチアップしていない。
特にアメリカは、ITやAI技術がどんどん先行しているのに、日本は自前のAI技術がない。だからアメリカの方にお金が集まっていくんです。
専門家が解説 1ドル=170円台の可能性も?
井上キャスター:
この先をどう見るか。専門家の見立てによると、円安傾向は長引くようです。
▼みずほ総合研究所主任エコノミスト 東深澤武史氏
・165円の可能性も
・170円まで進む
→可能性は2割程度ある。
▼野村総研エグゼクティブ・エコノミスト 木内登英氏
・160円前後で推移
・170円まで進む
→現時点で可能性は半々。
【家庭の負担 円安さらに進むと…】
2025年ドル円レートの平均(149.7円)と比較
<165円の場合>
2人以上の世帯平均(年間):約1万9000円増
<170円の場合>
2人以上の世帯平均(年間):約2万5000円増
(※みずほ総合研究所 主任エコノミスト 東深澤武史氏の試算によると / 為替相場のみの影響)
このような試算を見ると、消費減税の効果と相殺するくらいです。消費減税より、円安を食い止めた方がいいのではという議論が、今まさに行われています。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
金利を上げて円安を食い止めるという策はありますが、それがうまくいかない場合、財政を少し絞って円安が進まないようにします。ただ、消費減税は公約なので、円安はどんどん続くと思います。
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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年