【深刻な水不足】熊本地震から1週間、危険な暑さのなか約4万4400戸で断水…解消まで「数か月」かかる恐れも【Nスタ解説】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-08-04 22:01

熊本地震が発生してきょう(4日)で一週間となりました。現地では、“危険な暑さ”と深刻な水不足が被災者を苦しめています。

【写真で見る】祖父から受け継いだ水と思い…“恵みの井戸”を開放して支援

水道水の約8割を地下水で賄う熊本

井上貴博キャスター:
熊本は阿蘇山の火山活動により、地下に豊富な水が貯留されているため、水道水の約8割を地下水で賄っているということです。

そのような背景から熊本は、「蛇口をひねればミネラルウォーターが出る“地下水王国”」と言われているそうです。

“恵みの井戸”を開放し被災者支援

井上淳司記者:
熊本県八代市では現在、無償で提供されている井戸に並んでいる方がたくさんいらっしゃいます。

水を求めてきた方を取材したところ、全員、家の水が出ない状況が続いていて、毎日こちらに来ていると話していました。

水はシャワーやトイレに使っているということで、中にはこの水がないと生きていけないと話している方もいらっしゃいました。

井戸水を無償提供している吉田志穂さん:
こちらの井戸は、電気を使ってポンプでくみ上げているのですが、電気代が(いくらになるのか)想像がつかないところではあるんですけど、電気を使ってお水を提供しています。

井上キャスター:
八代市内は断水している地域があるそうですが、地下水なのでくみ上げることができているということですか?

井戸水を無償提供している吉田志穂さん:
以前、災害が起きたときに枯れてしまったことがあったのですが、おじいちゃんが浅い井戸だったところを深い井戸に改善してくれたので使うことができています。

ただこの井戸は、家族で管理をしているので、私たちも仕事がありますので、(水の提供を)やめる目途がまだ立っていないのですが、早く(水が)行き届いて欲しいなという思いがあります。

断水は長期化する見込みか

井上キャスター:
熊本県によると、10年前、2016年に発生した熊本地震以降、災害時に備え、県内で井戸の設置が進み、今回の地震でも各地でさまざまな「災害用井戸」が開放されているということです。

熊本県では宇城市や八代市など、4つの自治体の約4万4400戸で現在も断水が続いています。(熊本県の発表より・4日午前9時時点)

【熊本県の断水状況】
・宇城市:約1万5600戸
・八代市:約2万5300戸
・甲佐町:約300戸
・氷川町:約3200戸

断水解消されないワケは構造に

断水を解消するためには、上流から▼ダム、▼浄水場、▼配水池、▼家庭と順番に修復をする必要があります。

2日、ダムに貯めた水を浄水場に送る配管の仮復旧が行われました。ただ、その次の浄水場から配水池へ送る配管はまだ破損したままです。

最後に、配水池から家庭へ送る水道管の修復を行うのですが、水道管の破損箇所を確認するためには、一度水を流してみないとわからない。この確認作業が追いつかず、なかなか断水が解消できないというのです。

大都市などでは、システムが構築されていて、管制センターのようなところでリアルタイムで破損箇所を把握することができるようなのですが、地方都市ではまだシステムが構築されておらず、▼水道管に水を流し、▼確認、▼破損箇所を掘り出し修復、▼さらにもう一度水を流して確認するといった作業があるということです。

復旧までに手間と時間がかかる理由

井上キャスター:
しかし、復旧した水道管から家庭へ水が流れることになっても、水道業者が確認作業を行うのは各家庭の水道メーターまでです。

水道メーターから先の水道管は個人の資産になるため、被災者自身が家の中に戻って水道管がどのような状況になっているのか確認しなければ最終的に断水を解消することはできないのです。

近畿大学の浦上拓也教授は「各家庭内での漏水も修繕しないと、結局すべての家庭に水が行き届かなくなる」と指摘しています。

また、断水が長期化する背景に、浦上教授は「破損の確認には地中の水道管を掘り起こす必要があり、水道管のタイプは掘り起こすまで把握できず、そこから修理部品を取り寄せるため、手間と時間がかかる」と言います。

東京大学 准教授 斎藤幸平さん:
電気の復旧工事と比べて水道は地下に埋まっているので、大変な作業です。場合によっては数か月かかってしまうのではないでしょうか。夏だからこそ、早く行き届いてほしいと思いますが、とても難しいのですね。

出水麻衣キャスター:
大きなポリタンクをご高齢の方が持って歩いている姿を見ると、体力が続くのかとても心配です。

井上キャスター:
過去の地震による断水をみると、断水の解消までにはかなりの期間がかかりました。

<2016年4月「熊本地震」>
・最大断水戸数:約45万戸
・最長断水期間:約3か月半

<2024年1月「能登半島地震」>
・最大断水戸数:約14万戸
・最長断水期間:5か月

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<プロフィール>
斎藤幸平さん
東京大学 准教授専門は経済思想・社会思想
著書『人新世の「資本論」』50万部超のベストセラー

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