千葉豪雨で“首都圏の台所”が悲鳴 コメに泥のニオイ、種40万粒まき直し…秋冬に野菜高騰の恐れ【Nスタ解説】
千葉県を襲った記録的な豪雨の影響は、農業にも出ています。
まもなく収穫を迎えようとしていた水田では、長い時間、水が引かなかったことで影響が現れていて、農家は頭を抱えています。
【写真を見る】畑の冠水にハウスの水没…豪雨が招いた深刻な農業被害
“首都圏の台所” 冠水で農作物被害…まだ全容はつかめず
豪雨は、“首都圏の台所”ともいわれる千葉の農業に大きな被害をもたらしています。
【千葉県の農作物】
※2024年 農水省 主要農産物の産出額と構成割合
▼全国1位
だいこん・梨(日本なし)・にんじん・かぶ・らっかせい
▼全国2位
ねぎ・えだまめ・しょうが・しゅんぎく
▼全国8位
コメ(水稲)
こうした農作物の中でも梨(日本なし)、にんじん、らっかせい、ねぎ、えだまめ、しょうが、コメ(水稲)などに大きな被害が出ています。
千葉県の農林水産部によると、「冠水によって露地栽培の作物を中心に被害がでています。ライフラインの復旧に追われ人手が足らず、被害の全容はつかめていません」ということです。
まき直しの種は40万粒…豪雨による農家被害の悲惨な現状
井上キャスター:
豪雨被害で大変な中、2軒の農家さんが取材に答えてくれました。
大網白里市の桑田さんは、コメ(生産量8位)やねぎ(生産量2位)などを栽培しています。
水に浸かったコメは、泥のニオイがするということです。
こうしたコメは売るのも大変で、例年であれば通常の4分の1の価格で流通しますが、2026年はコメが余っていて買い取る業者が少ないといいます。悪い条件が重なり、流通すらできない可能性が出てきているということでした。
ねぎは根元まで完全に水に浸かり、干からびたように茶色くなってしまいました。
根の水没で窒息し、栄養が届かなかったため、今後病気にかかる可能性もあるということです。
水に浸かっている状況だと、夏は暑いので水がお湯のようになってしまい、感染症などの問題でどんどん腐っていってしまうといいます。
一方、八街市の米田さんはにんじん(生産量1位)やえだまめ(生産量2位)を栽培しています。
にんじんは12月の出荷に向け、種をまいたばかりで芽が出始める頃でした。しかし雨が畑の土壌をえぐり、種が流されてしまいました。
今は水が引きましたが、次は気温の上昇で土壌が一気に固くなり、芽が出なくなってしまっているといいます。土を掘り返し、種40万粒をまき直すということです。
出荷シーズンを迎えたえだまめに関しては、1万5000袋分が未収穫のまま被害を受けています。えだまめは鮮度が命なので、放置しておくと次第に大豆化してしまい、そもそも枝豆として出荷できなくなってしまうといいます。
取材してわかるのは、行政としても全体に何とかケアしたいと考えているものの、それぞれ状況が変わるので、個別の対応はなかなか難しいということです。
岸谷蘭丸さん:
一般的な対策もできませんし、個別の対応も難しいですよね。
土を消毒しなければいけない場合もあるそうですが、見えない大変なところが、本当にたくさんあるのだろうと思います。
井上キャスター:
何年も何年もかけて土をよりよくしてきたなかで、それが一気に流されてしまったということです。
食卓への影響は?秋冬に入荷減で価格2倍の恐れも
井上キャスター:
農作物の値段について、スーパーアキダイの秋葉弘道社長にお話を伺いました。
にんじんの仕入れは、夏は北海道産ですが、秋からはローテーションで千葉産に変わるということです。
ねぎは、11月頃から千葉産が出回る予定だといいます。
しかし秋葉社長は、「秋冬に品薄・高騰の可能性も出てきた。被害の規模が見えてきませんが、一般的に入荷量が3割減ると価格は2倍になります」と話しています。
このような影響が出ることを考えると、千葉県単位ではなく、国としても何か措置を講じないといけないのかもしれません。都市型災害についても、考えなければいけないことはいろいろありそうです。
岸谷蘭丸さん:
一つの災害によって、どんどん波状的に影響が大きくなっていくと思います。
僕も千葉県には小学生のとき落花生を取りに行ったり、梨の収穫に毎年行かせてもらったりしていたので、本当に心配です。何かできることがあるなら、国民みんなでやっていくべきなのかなとも思います。
井上キャスター:
熊本地震もそうですが、千葉に関しても、ふるさと納税という手立てで全国から寄付に参加することもできます。ぜひ、お考えになってみてください。
========
<プロフィール>
岸谷蘭丸さん
教育事業家
ボッコーニ大学在学中
海外大受験や英語試験対策の会社を経営