「ハンディファン」利用急増の裏で 他人の髪を巻き込むと…「過失傷害罪」「慰謝料請求」の可能性、火災リスクにも注意【Nスタ解説】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-08-19 20:24

夏の必需品のひとつ「ハンディファン」。手軽に涼をとれるのが魅力ですが、周りへの配慮も大切です。“思わぬトラブル”に巻き込まれたという女性を取材しました。

【写真を見る】満員電車などでも“被害”に 髪が巻き込まれたときの正しい対処法

なぜ髪が巻き込まれる?ハンディファンで相次ぐ事故

高柳光希キャスター:
ハンディファンに髪が巻き込まれてしまうケースが相次いでいるようです。

消費者庁に寄せられた意見
「満員電車でハンディファンを使っている人の近くにいたら、髪の毛が吸い込まれる形で引っ張られた」

さらに街で聞いてみると…

高校1年生
「暑すぎて顔に近づけて自分の髪を巻き込んだ」

高校3年生
「汗で濡れた自分の前髪を乾かす時に巻き込まれた。すぐ外せて問題はなかった」

なぜ、このようなトラブルが発生しているのでしょうか。

TBS報道局社会部 警視庁・東京消防庁担当 森本千緋呂 記者:
一般的なタイプの扇風機では、羽根を回して空気を押し出すことで風を生み出していますが、同時に背面や側面で空気を吸い込んでいます。

自分が風を受けている間、周囲には空気を吸い込む面が向いているため、髪が巻き込まれやすい環境であると言えます。

高柳キャスター:
実際にハンディファンで見てみます。分かりやすいように薄い紙を用意しました。

電源を入れると、裏側では紙が吸い寄せられ、空気が吸い込まれていることがわかります。

ハンディファンの風量を上げれば上げるほど、その吸い込む力も強くなっています。

法的責任が問われることも?髪が巻き込まれた時の正しい対処法

高柳キャスター:
実際に自分の髪が巻き込まれてしまった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。

オウルテック技術部の大西耕司さんに対処法を伺いました。

【巻き込みが起きた場合の対処法】
(1)電源を切る
(2)カバーを外す
(3)丁寧に取る

ただ、こうした対処法でも取ることができず、髪を切らなければならなかったケースもあるということです。

他人の髪を巻き込んでしまった場合、法的な責任を問われる可能性もあるのでしょうか。

TBS社会部 森本千緋呂 記者:
ベリーベスト法律事務所の齊田貴士弁護士によると、他人の髪を巻き込んでしまった場合、数万円~10万円ほどの慰謝料が請求される可能性があるといいます。

また、髪が強く引っ張られて頭皮に怪我を負わせた場合などは、故意ではなかったとしても『過失傷害罪』に問われる可能性が出てきます。

高柳キャスター:
こうしたトラブルを防ぐ方法はあるのでしょうか。

TBS社会部 森本千緋呂 記者:
人が集まる場所での使用はなるべく控えることも大事ですが、使用時間を短くすることで、リスクを下げることはできます。

そのために、より効率的に体を冷やす工夫として、▼濡らしたタオルを首に巻いて風を当てたり、タオルを巻くのに抵抗がある人は、▼ボディシートで首や腕を拭いてから風を当てるだけでも爽快感を得られます。

火災リスクにも注意!ハンディファンの安全で快適な使い方

高柳キャスター:
ハンディファンの注意点は他にもあります。それが「火災のリスク」です。

都内のある事務所で発生した火災のあとを見てみますと、壁から机まで真っ黒に焦げています。

この火災の原因となったのが、机の上で充電中だったハンディファンでした。内蔵されていた「リチウムイオン電池」から火が出たということです。

モバイルバッテリーの火災も相次いでいますが、東京消防庁管内におけるリチウムイオン電池が原因とみられる火災は、2026年1月〜5月までで179件発生していて、同じ時期としては過去最多だということです。

井上貴博キャスター:
基本的には利用者の意識が重要になると思いますが、メーカー側としても、異物や髪の毛が絡まったときに自動で停止する機能をつけたり、羽根なしのハンディファンに移行したりといった取り組みも必要になってくるかと思います。

慶應義塾大学教授 教育経済学者 中室牧子さん:
消費者庁が実際に注意喚起をしている事故類型ということで、結構な件数が見られているのではないかと推察されます。

やはり満員電車の中で使わない、髪の長い人の周辺では使わないといった、周囲の人に対する普通の気遣いが大事になってくると思います。

出水麻衣キャスター:
電車内で使用禁止となったら大変なので、そういった方向にならないよう各自が思いやって使用していくことが大切になってきますね。

==========
<プロフィール>
森本千緋呂
TBS報道局社会部 警視庁・東京消防庁担当
ハンディファンは現場の相棒

中室牧子さん
慶應義塾大学教授 教育経済学者
教育をデータで分析
著書「科学的根拠で子育て」

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