【売春防止法改正議論】「オジの方が捕まってほしい」現行の「売る側」のみ罰則に批判…法務省が「買う側」の勧誘にも罰則を設ける報告書案【news23】
近年、社会問題となっている路上売春。いまの売春防止法では、「売る側」にだけ罰則がありますが、法務省が24日、提示した報告書案では、「買う側」の勧誘などについても、新たに罰則を設ける方向で一致しました。
「買う側」の勧誘にも罰則案 法務省が法改正に向け検討会を設置
東京・歌舞伎町の大久保公園にほど近いホテル街。
多くの女性が路上に立ち、声をかけてきた男性と歩いていく女性や、現金を数える女性も…
今、深刻な社会問題となっているのが「売春の客待ち行為」です。
路上売春をしている女性
「めっちゃ稼いだ日は8〜9万円くらいですかね。生きるために続けていきたい」
こうした売春行為は、売る側(主に女性)と買う側(主に男性)がいて、成立するものですが、摘発されるのは売る側だけです。
売春防止法では、女性が大半を占める売る側の勧誘や客待ち行為に「6か月以下の拘禁刑または、2万円以下の罰金」という罰則が設けられている一方、男性が大半の買う側には罰則がなく、売春行為そのものにも罰則がありません。
路上に立つ女性の中には悪質なホストクラブなどで多額の借金を抱え、売春に追い込まれる女性も少なくありません。
それにもかかわらず、売る側だけが摘発される現状に批判の声が上がり、法務省は今年3月、法改正に向けた議論を進めるため、検討会を設置しました。
この検討会でヒアリングを受けた支援団体の理事長は…
NPO法人ぱっぷす 金尻カズナ理事長
「(売る側の女性は)本来、サポートが必要にもかかわらず、摘発の対象になってしまうことで、さらに孤立化していく。買春の勧誘について全く野放しの状況ということに大きな問題がある」
当事者はどう考えているのでしょうか。
「多分死んじゃう子が多くなっちゃいそう」ネット取引で危険増大の可能性も
路上売春している女性
「オジ(買う側)の方が捕まってほしいし、でもオジがいなくなる分、私達からしたら稼ぐ方法がなくなる。もう稼げないってなったら、多分死んじゃう子が多くなっちゃいそう」
法務省は、24日の検討会で、取りまとめに向けた報告書案を提示しました。焦点である「買う側」の勧誘などの行為に、新たに罰則を設けるとしています。
また、売春行為自体に規制を設けることについては、「売る側」には、様々な事情により、保護や支援の対象とするべき人がいるとして、慎重であるべきだという声が多く、「買う側」についても処罰化することで、見えないところで売春が行われるようになることを懸念するという意見で一致したといいます。
神戸大学 青山薫教授
「(買う側を規制すると)インターネットでどんどん取引をするようになる。(売春の)取引をせざるを得ない、したい人たちには危険が増す」
法務省は9月にも報告書案を取りまとめ、法改正を検討していく考えです。