消えゆく在来野菜をおいしく食べて未来を守れ! 「絶滅危惧野菜ガーデン」で酷暑時代の伝統野菜を支援
在来野菜・伝統野菜の支援プロジェクト「絶滅危惧野菜ガーデン」のプレス説明会が、東京下北沢の商業施設「BONUS TRACK」にて8月27日(木)に開催され、同プロジェクトの関係者が現状を訴えました。

「絶滅危惧野菜ガーデン」は、絶滅危惧野菜を利用した料理で一般の方に在来野菜のおいしさを体験いただく企画として、8月27日(木)~「野菜の日」8月31日(月)までの期間、BONUS TRACK内の店舗と協力して、住友金属鉱山が開催しています。

その説明会では、酷暑や担い手不足により失われつつある在来野菜(絶滅危惧野菜)の現状と、住友金属鉱山が開発した素材SOLAMENT(R)(ソラメント)を活用した栽培の取り組みなどを、在来野菜農家の方を交えて紹介。プロジェクトの監修を務める株式会社福岡ソノリク warmerwarmerの高橋一也氏、実際に在来野菜の栽培に取り組む繁昌農園の繁昌知洋氏、そして住友金属鉱山で素材テクノロジーブランド「ソラメント」のプロジェクトリーダーを務める石橋佳祐氏が登壇。気候変動による農業への影響や、失われつつある在来野菜を未来へ残すための取り組みについて意見を交換し合いました。

プロジェクトの核であり、住友金属鉱山が開発した素材「ソラメント」は、酸化タングステンを中心とした金属化合物で、太陽光に含まれる赤外線を吸収し、熱をコントロールする特性を持っています。これまで自動車や建物の窓ガラスなどに活用されてきた技術を、農業分野にも応用。可視光線を通して光合成を妨げず、熱による作物へのダメージを抑える農業用ネットなどへの展開を進めています。

高橋氏は、在来野菜について「その土地で昔から受け継がれてきた種を、地域の人たちが守ってきた野菜」と説明します。しかし現在、その多くが消滅の危機にあるそうで、その背景には、気候変動、生産者の高齢化、そして市場規模の小ささなど、複数の課題が存在すると言います。

高橋氏は全国の生産者を訪ねるなかで、気候変動によって栽培環境が厳しくなっている現状を目の当たりにしてきました。その上で、ソラメントの農業用資材についても、「暑い時期でも少しでも良いものを作りたい」という生産者の思いに応えるものとして期待を寄せました。

実際に青梅市の農園でソラメントを使用している繁昌氏は、近年の夏の厳しさを実感しているそう。トマトやナス、ピーマンといった夏野菜でさえ、暑さによって栽培が難しくなるなか、ソラメントを使用した資材を苗にトンネル状にかけることで、「葉が焼けたり、野菜がしおれたりすることがなくなった」と手応えを語りました。さらに発芽率の向上も実感しており、「今後の農業にとって大きな武器になる」と期待も。

石橋氏も「農家の方から、圧倒的に涼しい、育てる環境が変わったという声をいただいている」と成果を紹介。素材メーカーとして技術を提供するだけでなく、農家、生産・流通関係者など、さまざまなパートナーと連携しながら、在来野菜を守る仕組みそのもの作っていきたいと話しました。

会場では、サツマイモや三宝甘長唐辛子、山形県で江戸時代から続く野菜など、さまざまな在来野菜も紹介されました。そこに込められているのは、単に「昔の野菜を残す」という発想ではなく、高橋氏は「伝統を守るだけではなく、いかにこの伝統を今の時代に生かすかが大切」と説明。

「絶滅危惧野菜ガーデン」期間中は、絶滅危惧野菜を使用したカレーやバターサンドなどの期間限定メニューが各店舗で提供されるほか、ソラメントの遮熱ネットを使用した小型農業用ハウスでの収穫体験も開催予定です。栽培環境を技術で支え、料理人がその魅力を伝え、生活者が実際に食べ需要を生むことで、生産から消費までをつなぎ、絶滅危惧野菜を未来へ受け継ぐ新たな取り組みとして実施します。
※一般来場者の収穫体験は27日PM、29日、30日のみの実施