「アムラー」流行の1996年以来…長期金利が一時3%に 住宅ローンへの影響は?背景にある「財政懸念」【news23】

「経済の体温計」とも言われる長期金利が3%の大台に到達しました。この水準は1996年以来、およそ30年ぶりですが、住宅ローン金利など暮らしへの影響も広がっています。
【写真を見る】長期金利3%の世界「メリット」「デメリット」は?
長期金利 一時、30年ぶり3%に…
証券会社のトレーディングルーム。
ディーラー
「3%はいかないと思うんですけど…」
しかし、その5分後…
ディーラー
「3%ヒット…どういうこと?」
予想に反し、長期金利の指標となる、10年物国債の利回りが一時、3%に上昇しました。
長期金利上昇で家計直撃 大手銀行 住宅ローン固定金利引き上げの動き
金利の上昇は、私たちの暮らしにも影響を及ぼします。
不動産会社のショールームを訪れていた夫婦。
夫「8月8日に籍入れたばっかりで」
妻「(令和)8(年)8(月)8(日)に」
マイホームに夢を膨らませ準備を進めています。そんな2人が気にしているのが、「住宅ローン」への影響です。
夫
「やっぱり心配ではあるんですけど、家契約したときも2、3日寝れなかった。それぐらいやっぱり心配」
妻
「物価も上がっているので、そことの兼ね合いとか、金利も上がってくると、ちょっと大変になるかなと思う」
長期金利の上昇を背景に、1日から大手銀行では固定型住宅ローンの金利を引き上げる動きも。
オープンハウス 営業本部 赤塚晴大 部長
「あまり過度な金利の上昇のし過ぎというのは、消費者のマインドを冷え込ませる可能性があるので、いろいろな住宅ローンをご提供することで、お客様のそういったマインドの冷え込みを少しでも防げる努力は必要かなと思う」
1996年の日本「アムラー」「チョベリバ」
影響は家計だけにとどまりません。企業では借り入れが難しくなり、設備投資や賃上げにブレーキがかかるおそれも。
一方で、銀行の定期預金の金利上昇など、利息収入の増加というプラス面もあります。
長期金利3%は、1996年以来の高い水準です。
30年前といえば、歌手の安室奈美恵さんのファッションやメイクを真似た「アムラー」が社会現象に。
さらに、渋谷から広がった「コギャル」文化が一世を風靡。 ルーズソックスに「コギャル語」と、 流行の中心には常に女子高校生たちがいました。
コギャル
「タクって、デニって、ホテって、気分はチョベリグだったんだけど、ママに怒られてチョベリバって感じ」
いまや海を越えて愛されるデジタルペット、「たまごっち」が発売されたのもこの年です。販売初日、店先には長い行列が。
行列
「たまごっちを買いにきたんです」
景気の動向を示す、「経済の体温計」とも言われる長期金利。バブル崩壊後からやや景気を持ち直していたこの頃…
高額ギフト券に、懸賞金。定期預金をめぐって銀行間で熾烈な争いが繰り広げられていました。
長期金利3% 背景に「財政懸念」
あれから30年。再び3%をつけた長期金利。なぜ今、急ピッチで上昇を続けているのか。
日銀の早期利上げ観測に加えて、指摘されているのが…
岡三証券 チーフ債券ストラテジスト 長谷川直也さん
「債券市場にとっては先行きの不透明感、財政政策に関する不透明感というのが強く意識されている状況」
日本の財政悪化への懸念。来年度予算案の編成に向けた概算要求の総額が、過去最大になる見通しであることから、国債を売る動きが一段と加速しているのです。
「積極財政」を掲げる高市政権に対する、市場からの警鐘ともとれる金利上昇。この先どうなるのでしょうか。
岡三証券 長谷川直也チーフ債券ストラテジスト
「ここからの数か月に関しては、予算案の編成に本格的に入っていく。そこまでは金利上昇が続きやすい」
長期金利 一時3% 今後は? 30年前との“違い”
小川彩佳キャスター:
1日、長期金利が30年ぶりに一時、3%に上昇しました。高市政権が発足して以降、長期金利は右肩上がりで上昇を続けています。今後、どうなっていくでしょうか。
教育経済学者 中室牧子さん:
長期金利は主に二つの要因で決まると考えられています。
一つ目は日銀が決める「短期金利の先行き」。
二つ目が、お金を貸す側が要求する「プレミアム(上乗せ金利)」です。お金を長い期間貸すわけですから、その期間のリスクを取ればその分だけ高くなるわけですが、日銀の短期金利に関しては、原油高によるコスト増などを踏まえ、日銀は利上げの構えを示しています。
財政への懸念に関しては、債券投資家が求める「プレミアム(上乗せ金利)」が高くなっているため、この二つの両方の要因が長期金利の上昇圧力になっているのです。
小川キャスター:
日銀が早ければ「9月に利上げをするのではないか」という観測も出ている中、8月31日、アメリカのベッセント財務長官が「日本政府や日銀が、より円高につながるような措置を取るだろうと確信している」と発言しました。
これも一つの利上げの圧力になったということでしょうか。
教育経済学者 中室牧子さん:
その意味において、長期金利は上昇基調にあると思われます。
30年前と今回で何が違うか。「30年前は官僚による統治機構が非常に力を持っていた」ことで、選挙によるサイクルなどにあまり振り回されることなく、財政運営ができていたんです。
その後、政治主導となり、そのこと自体はよかったと思いますが、しかし今、その政治家が長期的な国家財政の舵取りを誤ることなくできるかどうかが問われていると思います。
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<プロフィール>
中室牧子さん
教育経済学者 教育をデータで分析
著書「科学的根拠で子育て」