猫にまつわる『イグ・ノーベル賞』の研究2選 ユニークな発想から生まれた発見とは?
ちょっぴり"くだらない"けれど、思わず注目してしまうイグ・ノーベル賞。今回は猫にまつわるものを紹介いたします。
猫にまつわる『イグ・ノーベル賞』の研究2選

"人々を笑わせ、そして考えさせた業績に対して贈られる国際的な賞"をコンセプトに、ノーベル賞のパロディ版として創設されたイグ・ノーベル賞。
独創性溢れるユニークな内容ながらも真剣に科学とリンクさせるのが特徴で、科学への関心を高める目的で誕生しました。
今回は数ある研究の中から、『猫にまつわるもの』を2つ紹介いたします。
1.『猫は液体か?』
『猫は液体か?』という文言に聞き覚えがある猫好きさんも多いのではないでしょうか。実はこの言葉の発信源こそが『イグ・ノーベル賞』なのです。
時は遡ること9年前。2017年にフランスの研究者であるマーク・アントワン・ファルダン氏が『猫=液体説』を唱え、見事イグ・ノーベル物理学賞を受賞したのがきっかけでした。
フォルダン氏は猫が様々な形状の入れ物にすっぽり収まる姿から液体を連想。「容器に応じて形を変えるのが液体であるという定義ならば、"猫は液体ではないのか"という疑問」が浮かんだのでした。
彼は受賞スピーチの際、多種多様な容器に収まる猫の写真を例に「写真を見るかぎり、猫は液体の定義に一致しています」と締めくくり会場を沸かせたのでした。
今ではすっかり定番となったこの言葉。我が家の猫たちも、箱やツボの中で液体と化しています。
2. 『ネコの鳴き声を聞き分けられるのか?』
これは猫語に関する研究を行っているシュルツ博士(スウェーデン・ルンド大学)が受賞した研究です。
彼女は、猫の鳴き声の音量や周波数などを音響学的に分析。『言語のように使い分けているのではないか?』と仮説を立て、さらにその声を人間がどう理解しているのかについて調査しました。
検証ではSNSで募集をかけた18歳から70歳までの225人を対象に、異なる3つの状況における"ニャー"の聞き比べをしてもらいました。
具体的には『ご飯待ち』『慣れないキャリー移動』『飼い主がブラッシングを行う時』というシチュエーションです。
その結果は、統計的には3つの場面を聞き分けることができないというものでした。ただし女性・猫と暮らしている人・猫と一緒に育った人は、その他の人と比べて正解率が高かったのだそう。
中でも"食べ物に対する期待"を表す鳴き声は40.44%と正解率が高く、"慣れない場所での不安"を表す鳴き声は最もポイントが低い26.67%という結果となりました。
確かに猫と生活を共にしていると、『ニャー』という鳴き声のバリエーションが豊富なことに気がつきますよね。ただ具体的に何を求めているのかがわからず、もどかしく感じることが多々あります。
とはいえ子育て経験のある女性は日々赤ちゃんの声に耳を傾けてきたこともあり、感覚が研ぎ澄まされている可能性はありますよね。
筆者はまだ育児経験はありませんが、愛猫の『ニャー』が"ご飯ちょうだい"と訴えているのか、"トイレ掃除してよ"の催促なのかは何となく察しがつきます。
その一方で曖昧なものも多いと考えると、彼女の研究に合点がいきます。
2つの研究から得た発見とは

先ほど紹介した2つの研究はどちらも着眼点が興味深いものでしたよね。特に1つ目の『液体説』は、イグ・ノーベル賞のコンセプトにピッタリな内容でしたね。
さてここからは、『2つの研究から得た発見』についてさらに深堀してみたいと思います。
猫は体が柔らかい
猫が変幻自在に液体と化す理由は"体が柔らかいから"です。
まず猫の骨は人よりも柔らかい靭帯で繋がれています。そのため関節の可動域が広くなります。
さらに鎖骨がとても小さく、他の骨と連結していないため、肩幅を極限まで狭めることが可能なのです。
よく『頭が通れば体も通れる』といいますが、あながち間違いではありません。
人間とコミュニケーションを取ろうとする
少々意外かもしれませんが、本来猫はあまり鳴く動物ではありません。
それでも我々が『何か喋っている』と認識できるのは、猫が人間の言語に合わせてコミュニケーションを図ろうとしているからです。
野生の猫は滅多なことでは声を発しません。なぜなら敵に襲撃されて命を落としかねないからです。
その反面、家庭の猫は安全が保証されている分、"積極的に話しかけよう"という感情が芽生えやすいのです。
まとめ

いかがでしたか?どちらもユニークで、印象に残ったのではないでしょうか。最後に番外編として、イグ・ノーベル賞ではないけれどユニークな研究を紹介いたします。
その名も『猫のゴロゴロ音は如何にして消すのか』です。これは、診察時にゴロゴロ音が心肺の音を遮ってしまったため、聴診が難航することを機に検証がすすめられました。
最終的には『蛇口の水を出す』という結論に至ったのだそう。残念ながらイグ・ノーベル賞の受賞はおろかノミネートすらされていない案件ですが、ユニークで興味深い内容でした。
思わずクスッと笑いながらも真剣に科学と向き合うイグ・ノーベル賞。今後に期待です。
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