俳優・中村ゆりさん「直腸がん」で死去 40歳からリスク高まる「大腸がん」早期発見の重要性と検診のリアル【Nスタ解説】
俳優の中村ゆりさんが直腸がんのため、9月1日に都内の病院で亡くなっていたことがわかりました。中村さんが患った「直腸がん」含む「大腸がん」は早期発見が重要です。
【写真で見る】日本人の罹患率高い“大腸がん”早期発見のための検査 大きく2つ
俳優・中村ゆりさん直腸がんで死去 日本人が罹りやすく診断数48年間で約8.5倍に
井上貴博キャスター:
中村ゆりさん(44)が闘った「がん」について、詳しく見ていきます。
日本人が罹りやすい「がん」、なかでも「肺がん」「胃がん」を上回り、年間で罹る人が最も多いのが「大腸がん」です。
(2023年 出典:国立がん研究センター がん情報サービス「がん統計」[全国がん登録]より)
大腸がんと診断された人の数は15万4039人で(2023年)、死亡した人の数は5万4416人でした(2024年)。
また、大腸がんの診断数は48年間で約8.5倍に増えているそうです。
▼日本人が罹りやすい「がん」(2023年)
1位:大腸がん
罹患者 15万4039人(2023年)
死亡者 5万4416人(2024年)
2位:肺がん
罹患者 12万3989人(2023年)
死亡者 7万5569人(2024年)
3位:胃がん
罹患者 10万4864人(2023年)
死亡者 3万7867人(2024年)
40歳以上の罹患率が増加 「早期は自覚症状ほぼなし」に要注意
大腸は、成人の場合、1メートル50センチから2メートルぐらいの長さがある臓器です。腸全体を「大腸」といい、肛門近くにあるのは「直腸」と呼ばれます。
今回、中村さんが罹った「直腸がん」は、大腸がんの一種です。
中村さんの訃報を受け、改めて直腸がんを含む「大腸がん」の予防や早期発見の重要性について確認します。
この「大腸がん」は、早期の段階だと自覚症状はほとんどないと言われています。進行すると、血便・下血・貧血・便秘・腸閉塞などの症状が出てくるということです。
角田外科消化器科医院・角田徹院長によると、40歳が年齢の境となり、40歳を超えると罹患率が増加するといいます。
40歳だと若いと感じた方も多いかと思いますが、決して珍しいことではないようです。
「早期発見が重要」発見遅れステージIVになると5年生存率2割未満に
生涯で「大腸がん」を罹患するリスクは、男性が10人に1人、女性が13人に1人というデータが出ています。
(国立がん研究センター がん情報サービス「がん統計」[全国がん登録]累積がん罹患リスクより)
角田外科消化器科医院・角田院長は、「早期発見が重要」だと強調しています。
大腸がんの主な原因は「大腸ポリープ」で、がん化前に除去することが重要です。
全てのポリープががん化するわけではありませんが、早い段階で除去することが最善の方法だということです。
そして、「大腸がんの5年生存率」はステージIで92.3%ですが、発見が遅れてステージIVになると18.3%と、その差が歴然と出ます。
(国立がん研究センター がん情報サービス「がん統計」院内がん登録2014-2015年5年生存率より)
慶應義塾大学教授 教育経済学者 中室牧子さん:
実は私自身も乳がんのサバイバーで、早期発見で助けられた一人です。
検診でがんと診断され、本当にびっくりしました。前日までプールで1キロ泳いで、ご飯もお代わりするくらい元気でした。「健康といえば私」だと思っていたのに、全く自覚症状がないまま、がんと言われました。
早期発見のためにも、検診に定期的に行くことが大切だと思います。
早期発見のための「便潜血検査」 費用約500円で“がん予防”
井上キャスター:
大腸がん検査は、大きく2つあります。
【早期発見のための大腸がん検査】
(※費用はすべて角田外科消化器科医院の場合)
▼便潜血検査
頻度:国の推奨「40歳以上は年1回」
精度:30.0%~92.9%(進行度によって差あり)
費用:約500円(40歳以上は市町村が負担する場合も)
検査キットが2本あるものもあれば、1本でできるものも最近は増えてきています。
陽性反応が出た時に「痔」という判断をして、再検査に行かない方が日本では多いと言われています。
便潜血検査で陽性が出た場合、次に推奨されるのが内視鏡検査です。
▼内視鏡検査
検査:15分~30分程度、早期がんなどの切除可能
準備:約5時間前から下剤服用
費用:約3万円(症状がある場合は保険適用)
早期発見のために行うのはもちろんですが、早期がんを切除できるなど、がん予防になる検査でもあります。
「健康だから…」早期発見が重要も40歳以上の検診受診率4割程度
便潜血検査など、40歳以上の大腸がん検診受診率は、2022年で41.5%となっています。
(出典:国立がん研究センター がん情報サービス「がん統計」[全国がん登録]より)
角田外科消化器科医院・角田院長は受診率が低い理由について、
「健康だから必要ない」
「忙しくて時間がない」
「病気が見つかると怖い」
「病院には行きたくない」
という意見が多いとのことです。
社会としては何ができるのか、個人としては何ができるかが問われています。
慶應義塾大学教授 教育経済学者 中室牧子さん:
アメリカに長く住んでいたことがありますが、その時に「ケイティ・クーリック効果」という事象を聞いたことがあります。
「ケイティ・クーリック効果」とは、ジャーナリストのケイティ・クーリックさんが内視鏡検査をテレビで受診したことで、大腸がん検査の受診率が約20%上がったことを示します。
私はテレビの効果はすごく大きいと思っていて、これを見ている方にはぜひ検診に行っていただきたいと思います。
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<プロフィール>
中室牧子さん
慶應義塾大学教授
教育経済学者 教育をデータで分析
著書「科学的根拠で子育て」