人の激定期な人生などをあらわす時に使う「波瀾万丈」という言葉。
変化が激しく劇的な物事を意味する言葉で、物語の内容などについても使われます。
この「波瀾」と「万丈」とはどのような意味の言葉なのでしょう?
そこでここでは、「波瀾万丈」の詳しい意味や類義語などを解説します!
「波瀾万丈」とは
まず最初に、「波瀾万丈」という言葉の意味について見ていきましょう。
「波瀾万丈」の意味
「波瀾万丈(はらんばんじょう)」は、激しく変化する劇的な物事のことを意味します。
様々な苦労や出来事を重ねてきた激動の人生を表現する際に多く使用されます。
「波乱万丈」との違いは?
波瀾万丈は、「波乱万丈」とも表記されます。
この2つに意味の違いはありません。
そもそも「波乱万丈」は波瀾万丈の代用として生まれた表現です。
1946年に制定された「当用漢字」の一覧に「瀾」の字は入りませんでした。
そこで「波瀾万丈」を公式の場で用いるには代用の漢字が必要になったのですが、その時選ばれたのが読みが同じな上意味合いを崩さない漢字の「乱」だったのです。
こうして「波乱万丈」という表記が生まれたのですから、意味に違いはないのです。
「波瀾万丈」の用い方・例文
・彼女の人生は、波乱万丈の連続だった。
この一文からは、彼女がピンチとなる事も多々あり、険しい事態も乗り越えてきたという激動の人生を送ってきたことが窺えます。
「波瀾」と「万丈」って何?
波瀾万丈は「波瀾」と「万丈」の2つの語句の組み合わせで成り立っています。
そこでここからは、「波瀾」と「万丈」の2つの語句について見ていきましょう。
「波瀾」のあらわすもの
「波瀾」は、ごたごた、もめごとといった意味があります。
単調ではなく複雑に変化することを指す場合もあります。
「波」は当然海に打ち寄せる波を指しますが、「瀾」もまた大波を意味する漢字です。
この2つの波をあらわす漢字から、物事が大きく変則的に変化することを意味するようになりました。
「万丈」は「一丈」の10,000倍
「万丈」は、日本や中国で使用されていた伝統的な長さの単位「丈」を語源とする言葉です。
1丈は10尺と定義されており、日本では明治時代の尺貫法だと1尺=30.303cmとされています。
つまり、1丈は約3mという事になります。
そして「一丈」の10,000倍に相当する「万丈」は、およそ30km(約30,300m)という事になります。
このことから、大変長いものや大変高いものを言い表す比喩として用いられます。
「波瀾万丈」の類義語
波瀾万丈の類義語としては、「山あり谷あり」「波瀾(波乱)曲折」「起伏が激しい」などがあげられます。
山あり谷あり
「山あり谷あり」は、生きている間は楽しいこともあれば苦しいこともあるということを例えた言葉です。
人生の起伏を山と谷、またはその山路になぞらえた言葉となっています。
波瀾(波乱)曲折
「波瀾曲折(波乱曲折)」、物事が進んでいく途中で込み入った変化や事情が起きることを意味する言葉です。
「曲折」は折れ曲がるという意味があります。
そこから、複雑に変化していく事情をあらわしています。
起伏が激しい
「起伏が激しい」は、物語の展開や人の気性を言い表す際に使われる言葉です。
「起伏」は高くなったり低くなったりしていることで、良いことや悪いこと、喜びの感情と怒りや悲しみといった感情、物事の隆興と衰退などに大きな変化があることをあらわしています。
まとめ
「波瀾万丈」は変化が激しく劇的なことで、数奇な運命を辿ってきた人の人生などに対して用いられます。
「波乱万丈」と表記することもありますが、これは当用漢字が制定された際、「瀾」が入らなかったため、代用の漢字が必要になったことで生まれた表記です。
類義語としては、「山あり谷あり」「波瀾(波乱)曲折」「起伏が激しい」などがあります。