【猫柄】日本猫の代表格『三毛猫』!特徴や性格を徹底解説 実はバリエーション豊富だって知ってた?

以前あるテレビ番組で某有名動物写真家が「猫を好きになったきっかけは『三毛猫』だった」という思い出話をされていました。三毛猫には、何か人を惹きつける魅力があります。名前の通り白・黒・茶の三色の毛色を持つ三毛猫ですが、その色にはいくつかのバリエーションも存在します。そこで今回は、日本猫の代表格とも言える「三毛猫」について、その特徴や性格などを解説します。

実はバリエーション豊かな「三毛猫」

三毛猫のアップ

「三毛猫」とは、名前の通り「白」「黒」「茶」の三色の毛色を持つ猫を指して呼ぶ総称です。

猫の毛色や柄は、遺伝子によってその出現パターンが決まります。

猫の遺伝子には性別に関係のない18対の常染色体と、オスかメスかを決める1対の性染色体があります。猫の毛色や柄を決める遺伝子の殆どは常染色体の上にありますが、茶か黒のどちらか一方だけを出現させる遺伝子は、性染色体の中のX染色体の上にあります。

オスの性染色体はX染色体とY染色体で1対となり、メスの場合はX染色体が2つで1対となっています。そのため、オスは茶か黒のどちらかしか色が出ませんが、メスの場合は黒と茶の両方が同時に出ることもあるのです。

猫の毛色は、この茶と黒の他に、あともう1色、白があります。この茶と黒と白の3色が同時に出ている猫を、「三毛猫」といいます。

元々古くから日本にいる日本の土着猫は、短毛で尻尾が短い猫が多く、三毛の場合もはっきりした濃い茶、黒、白の組み合わせが多かった、と言われています。

平安時代には貴族たちによって室内でつなぎ飼いされていた猫たちですが、江戸時代になると庶民が自由に放し飼いすることが当たり前になります。そして明治時代以降は、洋猫も日本に入り始めて自由に交配してしまっていました。

そのため、現在日本にいる猫たちのほとんどが、日本猫と洋猫の雑種となり、純粋な日本猫はほとんどいなくなってしまいました。

結果として、いわゆる古くから日本にいる三毛猫や黒や茶の部分が縞模様になっているキジ三毛、長毛種の三毛猫の他に、明らかに洋猫の遺伝子が入っているダイリュートキャリコとかパステルミケなどとも呼ばれる、全体的に薄い色の三毛猫も見られるようになりました。

なお、黒と茶の部分に縞模様のない三毛猫を「黒三毛」、白が大半を占め、そこに茶や黒が少しだけ斑模様のように出ている猫を「トビ三毛」と呼ぶこともあります。このように、三毛猫と言っても、その被毛での色の出方にはかなりのバリエーションが見られます。

なお、バリエーションの呼び名に関しては、学術的に規定されているわけではないようで、ダイリュートキャリコを「キジ三毛」とか「薄三毛」と呼び、その代わりに色の濃いキジ三毛を「縞三毛」と呼ぶこともあるようです。

「三毛猫」の特徴

縞模様で色の薄い三毛猫

三毛猫の被毛の色の特徴については上記で示しましたが、他にも、以下のような特徴が指摘されています。

三毛猫は、日本ではごくありふれたよく見かける雑種猫ですが、世界的には珍しいとされています。

純血種の三毛猫で有名なのは、「ジャパニーズボブテイル」です。この品種は、アメリカに送られた3匹の日本の土着猫をもとに、アメリカで交配を重ねて作出されました。現在ジャパニーズボブテイルを公認している団体は、アメリカの『CFA』と『TICA』、そしてフランスの『FIFe』の3団体です。

また三毛猫は、日本の雑種猫やジャパニーズボブテイルの他の品種でも存在します。

スコティッシュフォールド、マンチカン、ミヌエット、ノルウェージャンフォレストキャット、サイベリアン、ラグドール、ブリティッシュショートヘア、メインクーン、エキゾチックショートヘアなどでも三色の被毛を持つ猫が存在します。

また、猫の毛色が三色出るためには、X染色体上にある茶と黒のいずれかを発現する遺伝子が2つ揃わなければなりません。そのため、X染色体を2つ持つメスしか三毛猫にはなれません。

3万匹に1匹程度の割合で生まれると言われているオスの三毛猫は、性染色体がXXYで構成されているクラインフェルター症候群という性染色体異常か、X染色体にあるべき遺伝子がY染色体に乗り移った遺伝子乗り換え、もしくは正常な染色体数の細胞と異常な染色体数の細胞が混在しているモザイクと呼ばれる、いずれも突然変異の猫です。

そのため、私たちの周囲で見られる三毛猫は、ほぼ間違いなくメスだと考えて良いでしょう。

「三毛猫」の性格

長毛の三毛猫

性格が形成される要素は「遺伝」と「社会化期の環境」とその後の「経験」です。猫の毛色や柄は遺伝子で決まるため、それらの遺伝子と性格を形成する遺伝子に関連性がある可能性は否定できません。また昔から、多くの愛猫家や研究者が、毛色と性格には関連性があると考えています。

そこで言われている三毛猫の性格は、賢くてクール、好き嫌いが明確でプライドが高い、そのくせ甘えたいときは自分から甘えてくるマイペースな性格ということです。

ただし、社会化期やその後の環境や経験により性格が形作られていきますので、一概に三毛猫だから必ずこのような性格をしているとは言い切れません。

逆に言うと、飼い主さんのコミュニケーションの取り方や用意した生活環境によっては、非常に甘えん坊な性格にも、とてもクールで気の強い性格にもなり得るということです。

また三毛猫は、その賢さから環境への適応力が高く、飼い主さんに合わせて自分の生活パターンを変えやすいとも言われています。そういう面では、初めて猫を飼う飼い主さんには安心要素かもしれません。

まとめ

短毛のキジ三毛

今回は、三毛猫の色柄が決まる遺伝子の仕組みや品種、特徴や性格などについてご紹介しました。

一口に三毛猫と言ってもさまざまなバリエーションがあり、かつ模様の出方も千差万別です。いわゆる外見に大きな違いが見られないトラ猫やキジ猫などとは異なり、三毛猫は見た目の個性も豊かなことが、魅力の一つになっていると言えるでしょう。

三毛猫の多い日本の場合、里親を探している三毛の保護猫も多いです。もし三毛猫と一緒に暮らしたいとお考えの方は、ぜひ保護猫も候補に入れて探してみてください。

三毛猫はとても賢くて適応力が高いため、上手に付き合えば、きっととても良いパートナーになることでしょう。

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