猫が『障害物を落とさずに歩ける』不思議…猫のすごい身体能力のナゾ3選

2024-06-14 16:00

猫は生まれながらにして天才アスリートです。なぜ傑出した身体能力を誇るのか?解き明かすヒントは、昔から続くライフスタイルにあります。今回は、3つの側面から猫の身体能力についてアプローチします。ぜひ最後まで読んでみてください。

1.障害物を軽々とクリアするステップ

前を向いて歩く猫

足元を一切確認せずに、ドミノなどの障害物を巧みに避けて、スタスタ歩く。なぜ猫はそんな器用なことができるのでしょうか?

実は、「障害物記憶」というものが深く関わっています。「障害物記憶」とは、簡単に言うと、障害物の高さを持続的に覚えておく能力のことです。

まず、猫が障害物をまたぐときの動作を確認してみましょう。

目視によって状況を一瞬で把握し、最初に前足を出します。当然、難なく障害物をクリア。問題となるのは、後ろ足です。前足と同じ高さに持ち上げないと、障害物に引っかかってしまいます。しかし、目がついているわけではないので、後ろ足は障害物の高さを正確につかみきれていません。

そこで出番となるのが「障害物記憶」です。前足でまたいだ障害物の高さを思い出し、同じように後ろ足を持ち上げます。もちろん、引っかかることもありません。

カナダのアルバータ大学の研究チームによれば、「障害物記憶」、つまり、後ろ足が障害物の高さを覚えている時間は、最大で10分も継続したと言います。

一瞬で記憶した情報をもとに、一連の動作を繰り返すことで、あの軽快なステップが生み出されるわけです。

担当の分析チームが現場に直行し、障害物の高さや大きさ、材質などを入念に調べ上げ、足を持ち上げる高さや角度、タイミングについて徹底的に議論。

ようやく結論が出ようとした頃、突然、「異議あり!」とライバル関係にある別の分析チームが登場し、押し問答の末、結局、「後ろ足持ち上げ会議」が紛糾してしまう。

そんなややこしいプロセスを踏むことなく、瞬時に、しかも自然にやってのける。そこに猫のスゴさがあります。

2.速く走れるにはワケがある

走る猫

足の速さは、猫の優れた身体能力の中でも代表的なものです。もし「よーい、ドン!」で競争したら、陸上の100m走世界記録保持者(9.58秒)でもかないません。時速にして約50km。車のスピードと同じです。

速く走れるのは、身体の構造がスプリント能力に特化しているからです。特に注目したいのは、発達した後ろ足の「速筋」。別名、「白筋」とも呼ばれ、瞬発力を支える重要な筋肉です。さらに、自由自在な柔らかい背骨がバネのようにしなり、爆発的なダッシュ力を生み出します。

際立った瞬発力は、すべて狩りの成功率を高めるためです。仲間と連携しながら狩りする犬と違い、猫の狩りはあくまで単独。身を潜めつつ待ち構え、ここぞというタイミングで電撃的に獲物を襲います。モタモタしたり、足が極端に遅かったりすると、逃げ足の速い獲物には追いつけません。

見方を変えれば、必要性に迫られて、スプリント系の陸上選手になった、とも言えます。もし自由に職業を選べるとしたら、本当は「おまわりさん」になりたかったかもしれません。

行き交う車の間を縫って、見知らぬ家の門をくぐり、堂々と庭先を通過します。塀の上から樋に前足を引っかけ、さらに屋根の上へ。近所を隈なくパトロールする仕事熱心な姿が目に浮かんできます。

3.異次元なジャンプ力

ジャンプする猫

猫のジャンプ力はもはやアニメです。実写とはとうてい思えません。その驚きの能力は、ざっと自分の身長の5倍。よく使われる例では、もし170cmの人だった場合、約8mまで飛べる計算です。マンションで言うと3階に相当します。

たとえば、ベランダで干している布団が下に落ちてしまっても、通りがかりの170cm以上の人に頼めば、ひとっ飛びして3階まで届けてくれる可能性があるわけです。そう考えると、猫のスゴさがよくわかります。

優れた跳躍力を支えるのは、ダッシュ時にも使われる、発達した「白筋」と背骨、関節の柔軟性です。野生時代にさかのぼると、木に登ったり、飛び降りたり、上下運動を日常的に繰り返し、能力に磨きをかけてきました。獲物を追いかけ、最終的に仕留めるうえで、持ち前のジャンプ力は強力な武器となったはずです。

一方、昆虫界に目を移すと、ノミのジャンプ力は、体長の約200倍。170cmの人間に換算すると、約340mです。日本一高いビルの展望台で、寄り添い合って、若いカップルが素敵な夜景に見入っていると、目の前に、地面から飛び上がった約170cmのノミが…。みなさん、愛猫のノミ対策は万全ですか?

まとめ

ハードルを飛び越える猫

速く走る、高く飛ぶ、おまけに、障害物もへっちゃら。猫の身体能力は、とても人間では太刀打ちできません。

普段はのんきにヘソ天上等な子でも、スイッチが切り替われば、あっという間に一流アスリートに大変身です。ありえない愛猫の姿を想像し、ムフフと微笑むのも飼い主さんの特権かもしれません。

関連記事

猫が鼻を「フンフン」鳴らす理由と注意すべきこと
猫が「あごのせ」してくる5つの心理
猫が『天敵のシャワー』と対面した結果…勝手に"びしょ濡れになっていく"姿が笑えると8万9000再生「好奇心旺盛w」「強気だねw」
猫が人間に『好影響』を与えること5つ
新入り猫が『先住猫のしっぽ』を触りたくて…仲良くなろうと近づく姿が健気で切ないと15万8000再生「愛らしすぎ」「絶妙な間合い」

  1. 【速報】韓国捜査当局、ユン大統領を拘束 現職大統領で初めて
  2. 米ファンドがフジに第三者委の設置を要求 中居正広さん女性トラブル報道で
  3. 競馬・FX取引で借金膨らみ、民事再生法申請で一度やめたが再開 10億円以上の損失に 三菱UFJ銀行元行員の今村由香理容疑者を貸金庫から金塊盗んだ疑いで逮捕 警視庁
  4. 【乃木坂46】岩本蓮加さん活動自粛 プライベート写真の流出で
  5. 【速報】「安倍晋三の次はお前だ」高市早苗氏・杉田水脈氏・山谷えり子氏に殺害予告疑い 北海道の公立高校教師を再逮捕「俺がお前を仕留める」 警視庁
  6. 「日本は悪」「1945年から学んでいない」米鉄鋼大手トップ なぜ“暴言”?USスチール買収に意欲 日本製鉄を非難【news23】
  7. 軽井沢のスキーバス事故から9年 バス運行会社の社長が現場で慰霊
  8. 【櫻坂46】小池美波さん 卒業を発表 11thシングルの活動を以て「一生を終えてもいいくらいの覚悟でステージに立っていた」
  9. 【速報】ユン大統領が国民に向けコメント「認めたわけでなく、流血事態を防ぐため」
  10. 俳優・木ノ本嶺浩さん「新しい家族を授かりました」第一子誕生を自身のXで報告 2023年11月に結婚を公表
  11. 警察の一部は登山路を使って公邸への進入を試みる
  12. LA山火事 新たに1人の死亡確認で計25人に 被害額43兆円との試算も 米・自然災害史上最悪
×