愛猫との別れは心に深い傷を残し、なかにはその悲しみに耐えられなくなってしまう人もいます。しかし、大切な愛猫を失った人たちには「虹の橋」という救いがあります。そこは、旅立ったペットたちがあのときのあの姿で飼い主さんを待つ再会の場所なのです。
虹の橋ってなに?
「虹の橋」は、地上と天国の間をつなぐ橋といわれています。
これはスコットランド在住のエドナ・クライン=リーキーさんが、実家で飼っていた愛犬を亡くしたときに書いた詩から来ています。1959年、彼女がまだ19歳のときのことでした。
愛犬を失い、悲しみに暮れるエドナさんを心配した母親が「気持ちを書いてみたら?」と助言したそうです。虹の橋の詩は、彼女の自宅のリビングで生まれました。
彼女は詩を公開したことはないと言います。しかし、何人かの友人に写しを渡しました。おそらく、それが、数十年もの間、語り継がれるきっかけとなったのでしょう。
虹の橋のお話は、これまで世界中の多くの愛犬家・愛猫家、そのほか大切な存在を失った人たちの心の支えになってきました。
その後、さまざまな人が創作を広げ、現在では3つのお話が広く伝えられています。
虹の橋にまつわる3つの説
現在の虹の橋のお話は、3部作で伝えられています。第2部は、作者不明とされていますが、どのお話も心を和ませるあたたかいストーリーです。
愛猫やほかのペットたちを思い浮かべながら、ご覧ください。
1.虹の橋ではみんな幸せ
虹の橋のたもとには、緑豊かな草原が広がっています。そこでは、生前に病気や老いで苦しんでいた動物たちは健康な姿に戻ります。
猫たちは気の合う仲間と遊んだり、それぞれの好きな場所でひなたぼっこをしたりして過ごしていることでしょう。虹の橋では、暖かい日差しと気持ちのいい風に恵まれて、食べることに困ることはないのです。
そんな時間のなかでも、飼い主から大切にされていた猫たちは、ときどき「おうち」のことを考えてしまいます。お気に入りのベッドのニオイも「ごはんよ〜」と呼ぶ声も懐かしい思い出です。
しかし、猫たちには悲嘆の気持ちはありません。大好きな飼い主が、数十年の人生を終えて虹の橋までやってきたとき、また会えることを知っているからです。
2.どの動物も愛情を知ることができる場所
虹の橋にある草原は、すべての動物たちに希望をもたらす特別な場所です。
亡くなった動物の中には、人から愛されたことのない動物も多くいます。生前に十分な愛情を受けられなかった動物たちも、虹の橋のたもとで新たな飼い主と出会うことができるのです。
たとえば、虐待を受けていた犬や過酷な外の世界で生きてきた野良猫たちも、虹の橋では理想の飼い主と出会えます。生前辛かった心のトラウマをようやく癒すことができ、愛される喜びを知ることができるのです。
もしかしたら、虹の橋で出会った「猫仲間」の飼い主が迎えに来たとき、一緒に天国に行ってくれることもあるかもしれません。もちろん、人に慣れていないからといって、シャーすることもないでしょう。
虹の橋は、最終的にはすべての動物が幸せになれるという希望にあふれているのです。
3.飼い主の悲しみの涙は雨になる
かつて、柴山弓子さんという方が、ホームページに掲載されていたお話があります。
それは、ペットと別れた飼い主の悲しみや涙は、虹の橋で待つ猫たちの幸福度に直接影響を与えるとされています。
飼い主が深い悲しみに沈んでいると、その心は虹の橋まで届き、ペットたちは「雨降り地区」と呼ばれる場所に留まってしまうというものです。
このエリアにいる猫たちは楽しく遊んだり、自由な場所でくつろいだりすることができず、地上の悲しみを感じ取って飼い主を心配し続けてしまうのです。水に濡れるのを嫌う猫たちにとっては、とても居心地の悪い場所なのかも知れません。
そのため、飼い主が悲しみの感情にしがみつかず、前を向いて生きることが、虹の橋での愛猫の幸せにつながるとされています。
まとめ
天国へ続く虹の橋のお話は、愛猫を亡くしたつらい気持ちを優しくなぐさめてくれます。
ひとりの女性が創作した「虹の橋」は、時間と空間を超えて世界中に拡がりました。いま私たちがこの詩を知ることができるのは、亡くなったペットたちへの飼い主さんの愛情がつながり、バトンのように語り継がれてきた結果なのです。
大切な存在を失った悲しみは痛いものですが、もし今つらい時間を過ごしているなら、虹の橋で過ごしている愛猫が何をしているのか想像してみましょう。きっと、愛猫との別れは終わりではなかったことに気づかされるはずです。
飼い主の幸せこそが、虹の橋で待つ愛猫たちへの安らぎになります。いつかあえるその日まで前向きに楽しく生きていきましょう。
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