記者の頭上をミサイルが…緊迫の現地取材 イランが180発以上のミサイルでイスラエルに報復攻撃 イスラエルは反撃の姿勢 さらなる「報復の連鎖」は?【news23】

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2024-10-03 14:04

日本時間1日午前1時半ごろ、イランがイスラエルに向けて180発以上のミサイルを発射。これまでのイスラエル側の攻撃・挑発に対する報復攻撃を行いました。これにイスラエルのネタニヤフ首相は「イランは今夜、大きな過ちを犯した。代償を払うことになるだろう。」と、反撃する姿勢。さらなる“報復に次ぐ報復”が懸念されます。

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「イスラエルの防空態勢の限界が露呈」 小学校で大きな穴

日本時間10月2日午前1時半ごろ、イスラエル中部で突然、警報がなりました。取材中の記者らは、道端に身をかがめました。

JNN中東支局長 増尾聡 記者
「車で走っていた人たちも降りて、身を低くかがめて、警戒態勢をとっている状況です」

数分後には…

JNN中東支局長 増尾 記者
「いま、迎撃用ミサイルが上空で数多く放たれています。もっと低くして」

記者の上空にはイランが発射したミサイルが確認できました。

JNN中東支局長 増尾 記者
「何発も何発も上空にミサイルが飛んでいるのがわかります。イランからのミサイル攻撃で、イスラエルの中部の商業都市テルアビブに向かって飛んでいるのがわかります。そして、イスラエルの迎撃のミサイルも上空を飛んでいて、かなりの量の赤い光です。

いま、上空で大きな爆発音がしました。着弾したのか、もしくは上空で迎撃したのかわかりませんが、大きな爆発音もありました。こういったミサイルが15分から20分ほど続いています。かなりの量のミサイルが上空を飛んでいます

イランの革命防衛隊はイスラエルの3つの軍事施設を狙い、極超音速ミサイルを使ったと発表しました。

イスラエル軍の発表では、イランはイスラエルに180発以上ものミサイルを発射したといいます。

イスラエル軍は「ミサイルの大半を迎撃した」としていますが…

JNN前中東支局長 須賀川拓 記者
「これ迎撃された後。でも、この映像を見る限りでは、相当数が着弾している。一度に180発というのは、(イスラエルの)防空態勢の限界が露呈した」

イスラエルの中部と南部で着弾が確認され、南部の小学校ではミサイルが落ちて敷地に大きな穴が開いていました。

イスラエルメディアは「中部テルアビブで2人が軽傷を負った」と伝えています。

「数日以内に攻撃」の報道も

今回、イランが攻撃に踏み切った背景には、イランが後ろ盾となっているイスラム組織の2人の指導者が相次いで殺害されたことです。

1人は、パレスチナ自治区ガザを実効支配する「ハマス」の指導者ハニヤ氏です。2024年7月、イランを訪問中に暗殺されました。

ハマスなどは「犯行はイスラエルが計画した」と主張しています。

もう1人は、レバノンを拠点とする「ヒズボラ」の最高指導者ナスララ師です。9月27日、イスラエル軍はレバノンの首都ベイルート郊外にあるヒズボラの本部を攻撃し、「ナスララ師を殺害した」と発表していました。

さらにイスラエル軍は1日、レバノンへの軍事侵攻も開始。戦闘は激化の一途をたどっています。

JNN前中東支局長 須賀川 記者
「ハマスの指導者ハニヤ氏がイランで暗殺された。これによってイランは完全にメンツを潰された。それでも報復は自制してきた。ところが、いくつものイスラエル側の攻撃・挑発が重なり、イランとしては攻撃せざるを得なくなった

イラン国内では、イスラエルに対する攻撃に歓喜する人たちの姿が見られました。

イスラエル ネタニヤフ首相
「イランは大きな過ちを犯した。代償を払うことになるだろう」

反撃する姿勢を強調しました。

アメリカのバイデン大統領も、イスラエル支持の姿勢を改めて示しました。

アメリカ バイデン大統領
「間違えてはいけない。アメリカはイスラエルを完全に、完全に、完全に支持している」

また、アメリカのニュースサイト「アクシオス」は、数日以内にイスラエルがイランへ攻撃に踏み切るとの見方を伝えていて、報復の連鎖が懸念されます。

JNN前中東支局長 須賀川 記者
「4月に一度、イランはイスラエルに向けて攻撃をしている。(イスラエルは)4月と今回で計300発以上の弾道ミサイルが撃ち込まれていて、迎撃するとなると、かなり(迎撃ミサイルの)備蓄がなくなってきている

イランは今回、イスラエルにこれだけの規模の攻撃を仕掛けたが、人的被害(死者)はほぼゼロだった。彼ら(イラン)は『同じ規模の攻撃をまた出来る』『今度は人を狙うことが出来る』というメッセージを送っているので、イスラエル側はどう受け取り、どう返していくかが大きなポイント」

イスラエルが安全保障会議 ターゲット「重要インフラ」報道も

JNN中東支局長 増尾聡 記者:
現時点では、イランによるイスラエルへの攻撃の脅威は取り除かれています。

イスラエル中部テルアビブの近郊にいるのですが、前日のイランによる弾道ミサイルの攻撃で、この辺りに1発着弾したと言われています。

この地域には、イラン・イスラエルの情報機関や軍の重要施設もあるとされているところです。

イランは、今回の攻撃について、親イラン組織の指導者殺害に関わったとされる情報機関の本部などを標的としたと言われていますが、こうした場所に攻撃を加えました。今回、市民の犠牲は出ていません。

藤森祥平キャスター:
今後、報復を受けたイスラエルがどう出てくるかだと思います。イランに対してまたやり返すのであれば、どんな規模・タイミングでやってくるのでしょうか。

JNN中東支局長 増尾記者:
先ほどイスラエル政府は、報復を明言しているネタニヤフ首相や軍幹部たちを交えて、安全保障会議を開いたと発表しました。イランに対して、どういった時期に、どんな内容の反撃をするか、話し合ったことになります。

具体的な決定事項など不明ですが、一部報道ではイランの核施設や石油の生産施設など、重要インフラをターゲットにするのではないかという話も出てきています。

一方、別メディアによると、イスラエルは攻撃について、アメリカに事前に相談したい意向を示している、と伝えています。

アメリカは紛争が他の中東諸国に拡大することを嫌っているので、イスラエルに対してどれだけ歯止めをきくことができるのか、焦点の一つになってきます。

イスラエルの次の一手が今後の中東情勢の流れをどう変えていくか。その鍵となっています。

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