愛猫がきゅるんとした瞳で首をかしげていると、めちゃくちゃかわいく感じてしまいますね。この首をかしげる行動は、猫にとってごく自然なことですが、場合によっては隠れた病気のこともあるため注意が必要です。そこで今回は猫が首をかしげるときの意味と、もし病気が原因だった場合の詳細について解説します。
猫が首をかしげる3つの意味
猫が首をかしげているときには、どんな意味を持っているのでしょうか。状況によって異なるその意味について紹介します。
1.音や動くものとの距離を計測
猫が首をかしげる行動には、音や動くものとの距離を測るという意味を持っているという説があります。
猫は視力よりも聴力などの方が優れているため、気になるものがあると優先的に音に集中します。その音がどこから聞こえてくるか、どのような動きをしているかなどを、タテ・ヨコ・奥行きの三次元的にとらえようとしているのです。この行動は狩りをするときに、成功率を上げることにつながるのです。
もちろん、対象物が視界に入ったときには、目で見て確認しようとします。ただ、猫の動体視力は優れているものの、視力自体は弱く人間の10分の1ほどといわれ、動かない物や細かい部分を把握する能力は高くありません。
そのため、首をかしげていろんな方向から「それ」が何なのかを把握しようとしていると言われています。
2.期待して待っている
猫が何か楽しいことや嬉しいことを予期しているときにも首をかしげることがあります。
よくあるのが飼い主さんから褒められることです。たとえば、猫が音に反応して首をかしげたとき、飼い主さんがそのかわいらしい姿を褒めることが続くと、猫は次第に褒められるのを期待して首を傾げるようになるのです。
このような行動は、猫が経験的に学んだ「自分への報酬」への期待から結びついています。そのため、おやつをもらう時にお皿の前で首をかしげてみたりすることがあります。
また、猫たちは飼い主さんたちのうれしそうな空気感を察知するのが上手です。
もし、飼い主さんが愛猫の首を傾げたときに楽しそうにしたり、前向きな声掛けをしたりしたことがあった場合、自分が首を傾げたときのうれしそうな声や反応を良い経験として記憶している可能性が高いです。
3.健康上の問題
首をかしげている猫はかわいいものですが、いつもと様子が違う場合には病気を疑う必要があります。
耳の感染症による痛みやかゆみ、バランスの維持に問題がある場合、猫は頻繁に首をかしげることがあります。このときには、片耳だけを横に倒していたり、頭を頻繁に傾けたり振ったりする様子が見られます。
頻繁に耳を気にする様子があるときには、耳に異物が入ってしまったかもしれません。それだけではなく耳アカが大量に出たり、ニオイがしたりすれば要注意です。
他にも神経系の問題や、前庭などの平衡感覚をつかさどる器官の異常によっても首をかしげるようなしぐさをする場合があります。
このような行動が見られたら、食欲不振や元気がない、落ち着きがないなど首以外の症状も見られます。できるだけすみやかに動物病院を受診するようにしましょう。
猫が首をかしげるときに考えられる病気
猫が首をかしげることが頻繁であるときには、注意が必要です。猫には、「首が傾いてしまう」病気があるためです。
考えられるのは、おもに耳の病気か脳の異常です。
- 外耳炎
- 中耳炎、内耳炎
- 特発性前庭疾患
- 神経系のトラブル
猫の外耳炎は、寄生虫(ミミヒゼンダニ)や真菌、細菌によって引き起こされます。外耳炎が奥まで進行して、中耳炎や内耳炎になることもあります。これらは、耳垢の増加や耳の痛みやかゆみから頭をよく振る行動が見られます。
特発性前庭疾患は、内耳に異常が発生して、身体のバランスを取れなくなる病気です。「前庭」は平衡感覚をつかさどる器官なので、首をかしげる以外にもふらつきなど歩き方の異常や眼振なども見られます。
神経系トラブルでも同じような症状がみられ、食欲不振やけいれんなどあきらかな異常が出てきます。
もし24時間以上ずっと首をかしげたまま、耳垢や異臭、頭を振る、食欲不振やふらつきなど、ほかの症状も見られたら、早急な対応が必要です。すこしでも気になる症状があれば、躊躇(ちゅうちょ)せずに獣医師に相談するようにしましょう。
まとめ
猫が首をかしげる行動には、おもに3つの意味があることがわかりました。
聞こえてくる音の特定や距離の把握は、狩りをする猫の習性に基づいています。また、ご褒美がほしくてつい首をかしげてしまうところは、人と暮らす飼い猫ならではの社会性のあらわれでしょう。
一方で、単に「かわいい」では済まされない、健康面での問題発生のサインにもなります。耳の病気や脳腫瘍など、治療が必要な病気なので見逃さないようにしたいものです。
猫が首をかしげる姿には、さまざまなパターンがありますが、日頃から愛猫を観察して、いつもと違う異常な兆候を見分けられるようにすることがなによりも大切です。
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