「物価高の主役」はコメ 過去最大の上昇率約90% 備蓄米放出も“コメ価格の安定”に本当につながるのか
きょう発表された東京の消費者物価指数でも9割近く上昇と物価高の主役となっているコメ。来週以降、本格的に備蓄米がスーパーなどに並ぶ見通しですが、価格の安定につながるのでしょうか。
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買い物客
「(買っているコメは)今ね、5キロ大体4000円ちょっとかな」
「お米ってそんなにしょっちゅう買うものじゃない。それがもうすごい高くなっちゃってるから、早く元の値段に戻ってほしい」
商品棚から先に消えていくのは5キロあたりの値段が安いものから。
こちらのスーパーでは、茨城や新潟産のこしひかりが5キロあたり5000円で、去年の2倍以上に跳ね上がっています。
歴史的な高止まりが続くコメの価格。
けさ発表された今月の東京23区の消費者物価指数もコメ類が89.6%と大幅に上昇。過去最大の上げ幅を6か月もの間、更新し続ける異常事態となっています。
そんな中、「救世主」として期待されているのは、ほかでもない「備蓄米」です。放出により、5キロ3000円台のコメが店頭に並び始めたとの「一部報道」を受けて…
江藤拓 農林水産大臣
「備蓄米がブレンドされているということで、3000円ほどであればだいぶ値ごろ感がある」
ただ、これは一部の店の話のようです。先ほどのスーパーの社長はこう指摘しています。
スーパーイズミ業平店 五味衛 社長
「備蓄米が(市場に)入ったというが、うちの方も一生懸命お願いしたけど、うちのほうまでは回らないみたい。問屋さんに直に言われてしまったから我慢するしかない。本音は少しでも(備蓄米を)もらって、少しでも安く売りたいなとは思ったんですけど、ちょっとがっかりです」
来週以降、本格的に店頭などで販売される見通しですが、備蓄米の放出によって高値が続くコメ価格の安定に本当につながるのか。
スーパーイズミ業平店 五味衛 社長
「備蓄米出たから(高騰が)少し止まるんじゃないかなと思ってたとこへ来て、(今後)ちょっと上がりますとか言われちゃったから『あー』って思っちゃってね」
コメなど食品の値上がりには「物価の番人」も注視しています。
日本銀行 植田和男 総裁(今月19日)
「国民生活へのマイナスの影響については強く意識しております」
さらに別の日にも…
日本銀行 植田和男 総裁(今月26日)
「他のもの、サービスも値上げを場合によったらしやすくなるというかたちで、インフレが経済に広がっていく可能性につながっていく場合には、利上げで対応することも考えないといけないのかなと」
長年にわたって価格が安定し、気軽に買えることができた「コメ」。いろんなものの値段が上がる中、「物価の優等生」という概念そのものがなくなってしまうかもしれません。