入学前に30万円?国公立高でもかかる「隠れ教育費」の実態 物価高に加え制服代高騰の背景に“多様化”の落とし穴【Nスタ解説】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-02-03 22:32

受験シーズンまっただ中。この春、入学を控えるお子さんもいるのではないでしょうか?学校生活を送る上で、あまり意識されていないものの確実にかかるお金“隠れ教育費”に注目します。

【写真で見る】東京23区で初 5万円かかる制服が「無償化」の動き

“隠れ教育費”積み上がると…29万8003円

出水麻衣キャスター:
卒業シーズン・新生活が待っています。しかし、そんな3月と4月、国公立高校1年にかかる“隠れ教育費”が29万8003円と、かなりの巨額になるそうです。

聞き馴染みのない“隠れ教育費”について、千葉工業大学の福嶋尚子准教授に聞きました。

“隠れ教育費”とは、入学金や授業料などと違って、募集要項などに明記されていないが、学校生活を送るために必然的にかかるお金のことだといいます。

例えば、制服や運動着、最近では授業に欠かせないPCやタブレットも“隠れ教育費”に入ってきます。それが、積み上がると結構なお値段になってくるということです。

今回、NGOの出している平均金額を基に、授業料や入学金を除いた項目を“隠れ教育費”として、番組が設定しました。

【卒業・新入学にかかった“隠れ教育費”】
・制服代 7万1403円
・指定品(通学かばん・上履きなど) 1万8262円
・卒業アルバム代(DVD代を含む) 1万1300円
・運動着代 2万4334円
・パソコン・タブレット代 6万6734円
・教科書・教材費 2万8427円
・自転車代 4万6723円
・通学定期代 3万820円
→国公立の高校1年生 29万8003円
※公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン 2025年調査

制服やかばんや上履きも必要で、卒業アルバム代もあります。また、運動着や教科書、通学にもお金がかかります。このあたりをまとめると、29万8003円かかってしまうということです。

小・中・高といろんな段階で、買ったけどもう使っていない“隠れ教育費”だったのではないかと、思い浮かぶものはありますか。

経済アナリスト 馬渕磨理子さん:
ピアニカやリコーダーですね。

高柳光希キャスター:
中学で野球をしていたので、グローブをまだ使えるのに「新しいのにしてほしい」とお願いしました。親の気持ちも知らないでと思われたのでしょうね。

“隠れ教育費”も値上げ傾向 23区初の「制服無償化」の動きも

出水キャスター:
“隠れ教育費”も、近年は値上げ傾向にあります。

例えば、パソコンやタブレット代は、2024年の調査に比べて約6000円も値上がりしているそうです。

そして制服代は、2024年の調査に比べて約8000円も上がっているということです。

これは単純に物価高というだけではなくて、制服を取り巻く環境というものが変わっていると、千葉工業大学の福嶋准教授は話します。

例えば、暑いのでシャツだったものが猛暑用にポロシャツに変わったり、近年は女子用スラックスなど、多様化が進んでいくと、アイテムが増えていきます

選択肢が増えるのはいいですが、保護者からすると、使うかもしれないから両方買っておくというような話し合いになり、「念のため多めに」と先回りした配慮で負担が増加するケースもあるそうです。

こうした動きに、自治体も取り組みを行っています。

例えば、東京・品川区では、23区で初めて制服無償化の動きが出ています。

2026年4月から区立中学の新1年生などに、夏と冬、上下の制服(標準服)を無償化するということです。
※ワイシャツ・ネクタイ・リボンは対象外

その財源は、区の行政で需要が減ってきた事業の廃止、広報誌の発行部数の見直しなどをして、ある種圧縮する形で20億円くらいを捻出。

その中から、2025年度は1億円を超える予算を捻出して、5万円かかる制服を無償化するという動きが実現しているということです。

経済アナリスト 馬渕磨理子さん:
行政の無駄の見直しは、なかなかメスを入れづらいと思いますが、いいお金の使い方が実現できていますよね。国も真似できたらいいですね。

「20万円が6万円ほどに」 制服“リユース”需要増加

出水キャスター:
皆さんが着ていた制服は、いま所在がわからなくなっていると思いますが、それを活用する制服のリユースが人気になっています。

全国に約70店舗を展開する「さくらや」では、地域の学校制服すべてが対象で、買取や販売を行っています。需要は上がっているそうです。

例えば、東京・文京区の文京店では、販売点数が2025年は58点だったところ、2026年はすでに101点となっていて、需要が高まっているということです。

この店舗は小型店だということですが、大型店に関しては、さらに取り扱いアイテムや取引数が増えているそうです。

11月ごろから問い合わせが増え、予約もできるということです。

3月ごろに卒業式を終えたら、売りに来るので、その頃に見に行くと、もしかしたら制服が安く手に入るのかもしれません。

利用客は「すべて新品で揃えると20万円かかるが、一部リユースで手に入ったので、6万円ほど節約できてありがたい」と話していました。

井上貴博キャスター:
塾や習い事など、受験を考えると学校教育だけではなく、早め早めになると、その費用も膨らんできますよね。

経済アナリスト 馬渕磨理子さん:
教科書とかも高いので、それも一部リユースできたらいいですよね。

出水キャスター:
制服だけではなくて、他の学校にまつわるものについても、貸し出しやリユースという動きが広がっていくといいなと思います。

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<プロフィール>

馬渕磨理子さん
経済アナリスト
日本金融経済研究所代表理事 “日本一バズる”アナリスト
様々なお金の話をわかりやすく解説

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