【ついに決断】高市総理「食料品消費税1%」党内集約を指示、消費減税3つのハードル 来年4月スタートできる?【Nスタ解説】
食料品の消費税減税をめぐり、高市総理は来年4月から2年間、1%に引き下げる方針で自民党内の意見集約を進めるよう指示しました。ただ党内で異論は根強く、議論は難航しそうです。
食料消費税「実質」ゼロへ 自民党内で調整本格化
山形純菜キャスター:
物価高対策として大きな注目を集めている、食料品の消費税率「1%」への引き下げ案。
高市総理は30日、自民党の臨時役員会で食料品の消費税について、2027年4月から2年間、1%に引き下げる方針を示し、党内の意見集約を図るよう党幹部に指示。
そして下げきれない1%分を中低所得者への給付に充てて「実質ゼロ化」を実現するとしています。
ただ、消費減税には主に3つのハードルがあると言われています。
(1)自民党内の意見集約
(2)臨時国会での法案成立
(3)財源やレジ改修の準備
まず、『自民党内の意見集約』について。
消費減税をめぐり、自民党内では反対する意見も出ています
30日、河野太郎元外務大臣は、「いろいろな問題が指摘されている中で、税率を下げることには反対」と発言しました。
河野元外務大臣は問題点として、▼財源、▼金利高・円安の懸念、▼レジシステム改修コスト、▼外食産業への影響、▼2年後に元の税率に戻すと物価が大きく跳ね上がるのではないかといったことをあげています。
TBS報道局政治部 自民党担当 島本雄太 記者:
自民党内には河野さんのほかにも、ベテラン議員を中心に消費税の減税に慎重な意見が目立ちます。多くは、「想定通りに商品の価格は下がらない」「(元の税率に戻した)2年後に大混乱が生じる」といった意見です。
30日、総理の指示を受けて自民党は31日以降、意見集約のための党内の議論をはじめ、政府・与党は来週中(8月3日以降)にも1%への引き下げ方針を閣議決定したい考えですが、想定通りに進むかは見通せません。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
物価高が続く中で消費税1%にしても、減税前より価格が高くなってしまう場合もあるんです。
例えば、1個100円のリンゴの場合、「108円(消費税8%)」→「101円(消費税1%)」になるはずですが…
そもそも物価高なので、リンゴも価格が上昇しています。リンゴ 1個110円で、「111円(消費税1%)」になり、減税前より価格が高くなってしまうのです。
つまり、円安などによる物価高を抑えないと、減税をしても消費者からすると、負担はあまり変わらない。そのあたりを全体としてのパッケージとしてやらないと「減税だけじゃ困ります」というのは非常に妥当な指摘だと思います。
井上貴博キャスター:
物価高対策であるはずの「消費税減税」が物価高を加速させてしまうというリスク。
自民党はもちろん、野党各党も、先の選挙では軒並み「消費税減税」を掲げました。選挙に勝つためのポピュリズムで流れていくことへの反省はするべきだと思います。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
前回の選挙後、中東情勢の影響で状況が大きく変わり、インフレが加速しました。そのため、それを理由に今回の減税をなしにするのは政治的な選択肢としてあり得たかもしれません。ただ、高市氏はあくまで公約を守るという路線を進んだということですよね。
臨時法案成立なるか…参院過半数確保が焦点
山形キャスター:
次に『臨時国会での法案成立』について。
党内の意見が集約されて閣議決定された後は、秋の臨時国会に関連法案を提出する流れになりますが、スムーズに話は進むのでしょうか?
TBS報道局 政治部自民党 担当 島本雄太 記者:
臨時国会でも議論は難航が予想されます。与野党8党が参加した国民会議でも、消費税1%への引き下げに対し、保守党が容認した以外、他の野党5党は反対しました。
参議院では自民・維新の議席は合わせても120議席にとどまっていて、過半数の124議席には届きません。
仮に保守党が賛成したとしても2議席足りないので、参議院で無所属議員を取り込むのか、また衆院で再可決するのか、そういった判断に迫られます。
先日の国会でギリギリ成立した副首都関連法のような攻防が展開される可能性もあります。
財源10兆円・レジ改修 実施に向けた課題は
山形キャスター:
3つ目のハードル、『財源やレジ改修の準備』について。
2年間消費税を実質ゼロにすると、財源10兆円が必要になります。30日、高市総理は「赤字国債に頼らない」と改めて発言しています。
税外収入の活用、そして補助金の見直しで財源を確保していくということですが、このあたりはいかがでしょうか?
TBS報道局 政治部自民党 担当 島本雄太 記者:
財源については、国民会議の中でほとんど議論されませんでした。
政府としては具体的に来年度予算編成の過程で結論を得るとしていますが、きちんとした歳入歳出改革で裏づけを示せるのかは大きな鍵になってくると思います。
また、レジ改修についても、混乱なく進むのかというのも焦点です。1%でも約半年はかかるとされていますので、8月に方針を決めて準備を始めても、年度内に終えるにはあまり余裕がありません。
この半年という期間も経済産業省がレジ会社の方にヒアリングして出した結果ですので、本当に終わるのかというところは少し疑問が残ります。
井上キャスター:
高市総理としては公約を撤回して批判を受けるリスクと、公約を突き進んで批判を受けるリスクを天秤にかけて判断されたんだと思います。
いずれにしても、これだけ歴史的な円安を止めるためにも、マーケットは厳しい目で見ています。財源は選挙の前にしっかりとやっておいていただきたかったです。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
消費税の問題や税金の問題は政治の信頼と関わっています。30年前に3%から5%に上げたときは当時の橋本総理や加藤幹事長が非常に丁寧に説明をしたことで、比較的国民の理解を得られました。
一方で、岸田政権のときに4万円の減税をやりましたが、減税なのに国民からするとあまり評判がよくなかった。つまり、政治の信頼があると増税でも国民は納得するんですけど、信頼がないと減税でも国民の不満が募るということがあります。
高市総理の支持は下がっているので、国民の信頼が果たしてどこまで得られるかは非常にポイントです。
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<プロフィール>
島本雄太
TBS報道局 政治部自民党 担当
政調会長を中心に取材
休日は料理作りとお酒で気分転換
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年