日銀 政策金利1.25%に利上げ 31年ぶりの高水準 植田総裁「政策の局面が変化」 背景に“物価の急上昇”に対する警戒感
日銀はきょう、政策金利を1.25%に引き上げることを決めました。およそ31年ぶりの高い水準で、物価の上昇リスクに対応するため利上げのペースを速めた形ですが、難しい舵取りを迫られています。
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日本銀行 植田和男 総裁
「現在の金融環境が緩和的であることを踏まえますと、経済・物価・金融情勢に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになる」
日銀が決定した政策金利の1.0%から1.25%への引き上げ。
これまで、利上げのペースはおおむね半年に1回だったのですが、今回は6月以来3か月ぶりの実施と、植田総裁が就任してから最短となりました。
背景にあるのは日銀内の強い警戒感です。
日本銀行 植田和男 総裁
「上振れリスク」
今回の会見で10回以上出てきた“物価の上振れ”ということば。90年代後半から低迷を続けてきた日本の物価は、ウクライナ情勢などを機にここ数年、急上昇しています。
「消費者物価の2%程度の安定的な推移」が目標の日銀ですが、その2%を上回っていく可能性のある局面に変わったといいます。
今後も利上げのペースを速めていくのか。そう問われた総裁は…
日本銀行 植田和男 総裁
「利上げのペースがどうなるのか、それについて3か月に1回とか、何か特定のものを念頭に置いてるかと言われればそれはない」
と、明言はしませんでした。
植田総裁は、中東情勢、為替相場の動向、AI需要の“3つの要因”を挙げ、基調的な物価上昇率が2%を超えて上がっていき、それが経済に悪影響を及ぼすリスクを強調。『政策の局面が変化した』と述べました。
ただ、利上げは住宅ローンの変動金利など暮らしに影響するほか、企業の融資金利の上昇など経済を冷やす可能性もあり、どの程度の水準やペースが程よいのか、丁寧な見極めが必要な局面に差し掛かっています。
取材の中で日銀内部からは『31年ぶりの高い金利の世界は未経験だ』との声が漏れるなど、手探りで進めざるを得ない難しさに直面しています。
インフレへと転換した世界で過度な物価上昇をどう抑えていくか。“物価の番人”の舵取りは正念場を迎えています。